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研究成果物



 

(23) 植物エストロジェンおよび内分泌攪乱化学物質の骨代謝バランスに関する研究


〔区分名〕戦略基礎
〔研究課題コード〕9802KB246
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
V.2.2 効率的な化学物質環境リスク管理のための高精度リスク評価手法等の開発に関する研究
〔担当者〕平野靖史郎(化学物質環境リスク研究センター)・崔  星・菅野さな枝
〔期 間〕平成10〜14年度(1998〜2002年度)
〔目 的〕現代文明社会を支えている人工の化学物質の中には,生物の内分泌系を撹乱することにより生殖,内分泌,免疫,神経系に重大な悪影響を与える化学物質があることが明らかとなってきた。哺乳類以外の野生生物では,因果関係が明らかな例がいくつか報告されているが,人では内分泌撹乱化学物質の健康影響は明らかになっていない。内分泌撹乱化学物質の人の健康および生態系へのリスク評価を行うことは現時点の急務である。本研究では,内分泌撹乱化学物質の影響評価に,影響を与える植物エストロジェン(phytoestrogen)と人工の内分泌撹乱物質との相互作用をin vitro,in vivoの系を用いて評価することを目的とする。
〔内容および成果〕
 骨の形成は骨芽細胞による骨生成と破骨細胞による骨吸収により,その恒常性が保たれている。そこで,植物エストロジェンが,骨の形成に与える影響を調べることを目的として,実験を行った。まず,乳癌細胞株であるMCF-7細胞を用いて,細胞の増殖反応に及ぼす影響を調べた結果,エストロジェンと同様に植物エストロジェンが細胞増殖能を有しており,エストロジェン様作用があることを確認した。次に,骨生成への影響を検討するために,エストロジェンレセプターを発現している骨芽細胞株である,MC3T3-E1細胞を用いて,細胞増殖,骨芽細胞の分化の指標であるアルカリフォスファターゼ(ALP)の活性,及び細胞内へのカルシウム(Ca)とリン(P)の蓄積を調べた。その結果,高濃度の植物エストロジェンを添加したときのみ,ALP活性及びCaとPの濃度が増加した。エストロジェンより効果は弱いが,植物エストロジェンによっても骨形成が促進されることが明らかとなった。次に,マクロファージから破骨細胞へ分化する実験研究系を確立し,分化への植物エストロジェンの影響を調べた。その結果,植物エストロジェンであるジェニステイン及びクメストロールは,破骨細胞への分化を抑制する働きがあることが示唆された。
〔備 考〕
課題代表者:香山不二雄(自治医科大学教授)
大 課 題:植物由来および人工の内分泌撹乱物質の相互作用評価
当課題は重点研究分野W.3.1にも関連


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