2.4 汚染環境の浄化技術に関する研究
(1) 環境浄化への微生物の利用およびその影響評価に関する研究
〔区分名〕経常
〔研究課題コード〕0105AE200
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
〔担当者〕岩崎一弘(生物多様性の減少機構の解明と保全プロジェクトグループ)
〔期 間〕平成13〜17年度(2001〜2005年度)
〔目 的〕環境浄化・保全に向けて微生物機能を積極的に活用していくための基礎技術の開発を目的とする。そのために本研究では,有機塩素化合物,油,重金属等の環境汚染物質を分解・除去する微生物の探索を行い,その機能の解明および強化を試み有用な環境浄化菌を開発するとともにこれらの浄化菌を利用した浄化システムを構築し,さらに環境汚染物質,環境浄化菌等の微生物生態系への影響の解析を目標とする。
〔内容および成果〕
環境中から水銀除去能の高い新規微生物のスクリーニングを行った。水銀で汚染している河口および運河の底泥試料から,水銀を添加した平板培地で生育できる水銀耐性菌を129株分離した。次いで,水銀還元能を確認するために,還元により生じた金属水銀をx線フィルムで検出する手法を用いて,2次スクリーニングを行った。この結果,水銀還元能を発現している可能性のある30株を分離し,さらにその中から水銀耐性能の高い8株を選択した。これらの分離株に対して,バイアルビンでの水銀除去試験を行い,水銀除去能の高い菌株(D5株)を得た。本菌株の顕微鏡観察,カタラーゼおよびオキシダーゼ酵素活性の有無,その他グラム染色性,胞子形成能等の菌学的性質を調べた結果,Bacillus属細菌であると予想された。さらに16S
rDNA塩基配列を決定し,解析を行ったところ,Bacillus
cereusおよびBacillus megateriumの16S
rDNAと99.4%の相同性を示し,本菌株はBacillus属細菌であると同定された。また,本菌株の有する水銀除去活性を解明するために,まず水銀還元酵素遺伝子の一部をクローニングし,その塩基配列を決定した。その結果,D5株の水銀還元酵素遺伝子の塩基配列は,ボストン湾で分離された水銀耐性菌Bacillus
sp. RC607株のそれと99%の相同性が認められた。
〔備 考〕
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