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研究成果物



 

(5) 内分泌攪乱化学物質等の有害化学物質の簡易・迅速・自動分析技術に関する研究


〔区分名〕環境-公害一括
〔研究課題コード〕0003BC242
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
V.2.1.3 資源循環・廃棄物管理システムに対応した総合リスク制御手法の開発に関する研究
〔担当者〕大迫政浩(循環型社会形成推進・廃棄物研究センター)
〔期 間〕平成12〜15年度(2000〜2003年度)
〔目 的〕ダイオキシン類やPCBなどの内分泌攪乱性有害化学物質の簡易・迅速分析技術として,免疫測定法の適用可能性を検討し,最適な試験系の提案を行う。すなわち,都市ごみ焼却施設からのばいじんおよび汚染土壌中のダイオキシン類と廃油中のPCBを免疫測定するための前処理系の開発を行う。また,ダイオキシン類に対する免役測定法を開発するために,モノクローナル抗体を作製評価し,キット化するとともに,フロー接触系の自動・連続測定系への応用可能性を検討する。特に本年度は,正の干渉の影響を及ぼす物質の検索と,ダイオキシン類の新たな高感度測定キット開発の第一段階として,モノクローナル抗体の設計・作製を行った。
〔内容および成果〕
 1)土壌中ダイオキシン類の免疫測定における正の干渉物質の検索
 前年度,土壌中ダイオキシン類の測定に適用可能な免疫測定の系をとして,高速溶媒抽出液を簡易な多層シリカゲルカラムとアルミナカラムによりクリーンアップし,時間分解蛍光免疫測定法によって良好に測定できることを明確にしたが,最終検液を免疫測定する場合に白濁が生じ,ごく少数であるが正の干渉による誤差が生じたサンプルもみられた。そこで本年度は,クリーンアップの各段階からサンプルを抜き取り,ガスクロマトグラフ質量分析計によって定性分析を行うことによって,正の干渉をもたらす妨害物質の検索を行った。
 その結果,未精製の抽出液には高級脂肪酸,アルコール,アルデヒド類等非常に多くの物質が検出された。多層シリカ処理後のサンプルは,脂肪酸,アルコール,アルデヒド等がほとんど除去され,炭化水素類が主であった。アルミナの第一画分サンプルには鎖状の炭化水素が多量に含まれていた。2%ジクロロメタン画分のサンプルも鎖状炭化水素が主であるが,その相対量は少なかった。20%ジクロロメタン画分のサンプルにはビフェニルやアントラセンなどの多環芳香族炭化水素(PAH)類,ノナクロール,DDEなどが認められた。50%ジクロロメタン画分サンプルでは有機シリコン化合物,可塑剤,等が認められた。アルミナカラムでの精製が不十分な場合にジクロロメタン画分に残存するこれらの化合物が白濁の原因であると推察された。
 2)抗ダイオキシン類モノクローナル抗体の作製
 鳥由来のアルブミンであるオパルミン(ovalbuminn)1分子に2,3,7,8-TCDDが12〜16分子結合したハプテン結合タンパク質を入手し,マウスの腹腔内にアジュバントと混合したハプテン結合タンパク質を約0.2mL注入し,免疫した。1ヵ月後,同様に再度免疫し,さらに1ヵ月後,ハプテン結合タンパク質溶液をマウスの腹腔内に注入し,最終免疫を行った。
 つぎに,最終免疫から3日後に細胞融合を行った。すなわち,マウスから脾臓細胞を取り出し,マウスミエローマ細胞NS-1の約1×107個と混合した後,ポリエチレングリコールを用いて細胞融合を行った。細胞融合した融合細胞を96ウェルマイクロプレート10枚に分注し,10日間HAT培養液中で培養し,融合細胞(ハイブリドーマ)を選別した。
 つぎに,10日後にハイブリドーマが増殖したウェルの培養上清液をサンプリングし,上清液中に抗ダイオキシン類抗体が含まれているか,ダイオキシン類結合タンパク質を結合させたELISA用ウェルマイクロプレート上でスクリーニングを行った。その結果,いくつかのウェルで抗体との結合によるものと考えられる発色反応(陽性反応)が複数みられ,ハイブリドーマ中に抗ダイオキシン類抗体が産生している可能性が見いだせた。
 今後,陽性となったウェルのハイブリドーマを取り出し,さらにクローニングして抗体価の高い高感度なモノクローナル抗体を作製するとともに,抗体の交差反応性や安定性などについて検討を行う予定である。
〔備 考〕
共同研究機関:独立行政法人産業技術総合研究所


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