2.3 廃棄物処理に係るリスク制御に関する研究
(1) 廃棄物及び循環資源処理過程における有機ハロゲンの簡易測定法の開発と毒性評価
〔区分名〕政策対応型
〔研究課題コード〕0105AB243
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
V.2.1.3 資源循環・廃棄物管理システムに対応した総合リスク制御手法の開発に関する研究
〔担当者〕山本貴士(循環型社会形成推進・廃棄物研究センター)・橋本俊次・後藤純雄・安原昭夫
〔期 間〕平成13〜17年度(2001〜2005年度)
〔目 的〕廃棄物及び循環資源の処理過程における有害化学物質,特にダイオキシン類に代表される有機ハロゲンの管理及び制御は,資源循環型社会を形成するための重要な要素の一つである。現在,これらの物質については,規制対象となっている一部の物質のみが個別分析法によって測定されている。しかし,有機ハロゲンの総量はこれら個別の物質の定量結果の総和よりも大きく,しかもそれらの存在実態については,ほとんど分かっていない現状にある。そこで,本研究は,これら有機ハロゲンを選択的あるいは包括的に,迅速かつ簡易に測定する手法を開発することを目的とする。同時に,生物評価試験を組み合わせ,これらの適用によって廃棄物処理および循環資源過程に伴う有機ハロゲンの排出実態や毒性に関する情報を集積し,有機ハロゲンによるリスクの制御に役立てることを最終の目的とする。
〔内容および成果〕
上記の目的を達成するために,本研究では,試料の前処理法(抽出や精製方法)について,埋立処分場浸出水やモデル化合物を塩素処理した試料を使用して,既存手法の改良や組み合わせ手法の最適化を図る。既知の有害性の高い有機ハロゲンについて,GC/MS等の選択的及び包括的測定手法を検討するとともに実試料への適用を図る。また,未知のものを含めた有機ハロゲンについて,迅速かつ簡易な測定手法について検討する。具体的にはTOX等による測定手法を応用し,省力化,コスト削減,自動化について検討することとしている。また,水晶振動子センサ等新規技術の適用性についても検討する。さらに,開発した手法を廃棄物処理施設などの現場に適用し,その結果をフィードバックして手法の最適化を図るとともに,有機ハロゲンについてのデータの蓄積を行う。同時に,変異原性試験などの生物評価試験を実施し,廃棄物及び循環資源処理過程における有機ハロゲンのリスクについて考察することなどを進めている。
本年度は,次のような主な成果を得た。
(1)処分場浸出水やこれを塩素処理した試料について,揮発性の有無に着目し,揮発性有機ハロゲン(POX)と不揮発性有機ハロゲン(NPOX)の測定を行った。塩素添加量と有機ハロゲンの生成量との関係は,POXとNPOXで挙動が異なっていた。
(2)塩素処理生成物の分画方法として,5%含水シリカゲルカラムによる分画を試みた。ヘキサンとアセトンの混合比を変えたものを展開溶媒として使用したところ,有機ハロゲンの多くはヘキサン画分に溶出しやすいことを認めた。
(3)モデル化合物としてプラスチック添加剤を用いて塩素水中での挙動について検討した結果,ベンゾフェノン系紫外線吸収剤ではメトキシ基やヒドロキシル基のついた誘導体は塩素水中で速やかに消失することや,ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は反応性が低くほとんど塩素化されないことを認めた。
(4)トリハロメタンを含むTVOXをターゲットとして,連続モニタリング装置の廃水処理水への適用について,基礎的な検討を行った。標準溶液による検量線,河川水や雨水の塩素処理とTVOX濃度の経時変化(連続7日間)の測定結果などから,水道水や廃水処理水のTVOX管理に適用できる可能性が示唆された。
〔備 考〕
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