(5) 最終処分場による環境汚染防止のための対策手法検討調査
〔区分名〕環境-廃棄物処理
〔研究課題コード〕0102BE307
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
V.2.1.2 廃棄物の循環資源化技術・適正処理・処分技術及びシステムに関する研究
〔担当者〕井上雄三(循環型社会形成推進・廃棄物研究センター)・山田正人・Bulent
Inanc・石垣智基
〔期 間〕平成13〜14年度(2001〜2002年度)
〔目 的〕廃棄物の最終処分場の跡地利用がなされた場合,利用方法によっては,環境保全上の問題が生じるおそれがある。また,不適正な処分等が行われた最終処分場においても,環境への汚染問題が発生するおそれがある。こうした問題に対処するためには,最終処分場に関する情報を効率的に活用するためのシステムが必要であり,また,安全性を的確に表現するための点検手法の確立や具体的な対策手法を検討することが求められる。
本調査では,最終処分場の跡地利用が適正に行われるよう,また,不適正な処分等が行われた最終処分場における対策が円滑に行われるよう,最終処分場の台帳情報等の整理,得られた情報の効率的な活用手法の開発を行うとともに,それらを活用した最終処分場の点検手法の確立と対策技術に関する基礎的な情報収集と整理を行うことを目的とする。
〔内容および成果〕
(1)最終処分場台帳の電子化及びGIS情報等との統合と跡地利用等における環境汚染ポテンシャルの把握
GIS情報や公共水域等に係る電子情報が揃う都道府県等において,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「法」という。)第19条の10第1項に規定されている届出台帳の情報等をGIS上に電子化した(図1)。またこのシステムを用いて最終処分場の跡地利用時,不適正な処分が行われた最終処分場における環境汚染防止に役立てる方法を検討した。
さらに,跡地利用等における環境汚染ポテンシャルの評価のために必要とされる情報(地質情報,地下水文学的条件など)を検討<CODE
NUM=00A5>整理し,それらの情報のGISとの連携性について検討した。
(2)省令等に基づく維持管理記録の収集・解析
以下の記録について情報を収集・整理した。また,施設の構造・設備に関する情報についても収集・整理した。対象施設は(1)において対象とした都道府県等に協力を求め,その管轄下にある施設とした。
・法第15条の2の3において準用する法第8条の4の規定による記録事項
・令第12条の6第9号に規定する産業廃棄物処理施設の維持管理に係る記録事項
・その他,都道府県等が自主的に収集<CODE NUM=00A5>整理している記録<CODE
NUM=00A5>情報等
本年度は,調査の初年度に当たることから,3処分場程度を対象として,維持管理記録の収集<CODE
NUM=00A5>整理を進め,来年度以降の調査対象の拡大のための基礎資料とした。解析に当たっては,本年度は浸出液水質等の経年変化を主体に整理<CODE
NUM=00A5>検討した(図2)。
(3)調査対象地点の選定
廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正の経緯とあわせて今後の調査対象となる最終処分場を整理した。次に掲げる時期に着目して分類した(図3)。
<時期>
1)昭和52年3月15日 一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令(旧「共同命令」。以下「基準省令」という。)施行。
2)平成4年7月4日 施行規則改正。埋立終了した最終処分場の届出台帳の調整を規定。
3)平成10年6月17日 基準省令改正。技術上の基準の強化,廃止基準の設定。
<項目>
1)工法 2)構造(特に遮水構造)
3)立地場所 4)受け入れ廃棄物の量
5)受け入れ廃棄物の性状 6)地下水水質
7)浸出液の性状 8)放流水の性状
9)ガス発生量 10)内部温度
11)沈下の程度,等
(4)調査対象地点の敷地境界の特定及び実地調査方法の検討
過去の最終処分場については,現時点で最終処分場であったことが分かるような囲い等がないことも想定されるので,そのような場合における調査地点の範囲の特定方法について検討を行い,その作業に必要な情報の管理手法についても整理した。また,最終処分場の現状評価の具体的な方法について,調査項目及びその調査技術について検討を行った。
検討に当たっては,設置年数が古い廃棄物最終処分場を対象とした。具体的には,過去の環境庁<CODE
NUM=00A5>厚生省の調査報告書(廃棄物最終処分場安定化監視マニュアル等)を参考にし,新規に適用可能な技術と,聞き取り調査や文献調査等についての手法を整理し,評価の視点を明確にした上で,当面検討対象とする指標あるいは技術を航空写真等の解析,比抵抗探査,植生調査(図4)ならびに土壌ガス測定とした。
(5)問題発生事例及びその対策事例の収集・解析
全国各地域で生じた最終処分場に起因する問題事例あるいは,仮想的に想定できる問題事例を設定する。情報の収集に当たっては,各自治体の研究所の廃棄物担当等に対してもヒアリングを行った。旧環境庁が最終処分場関連調査で収集した問題事例集を踏まえて,新しい情報を追加あるいは想定した事例に関するデータを解析し,問題事例のパターンを設定した。
(6)既存対策技術に関する情報の収集・整理
(5)で調査した,過去に実際に生じた問題事例について,具体的にとられた対策技術の情報を収集し整理した。
以上の調査で得られた情報を再構成し「埋立地跡地利用に伴う環境汚染防止対策ガイドライン」ならびに「埋立地廃止に向けた管理方策ガイドライン」の素案を作成した。
〔備 考〕
当課題は重点研究分野W.2.2およびW.2.4にも関連
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