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研究成果物



 

(4) 衛星データを利用したオゾン層変動の機構解明に関する研究

 
〔区分名〕環境-地球推進 A-10
〔研究課題コード〕0103BA163
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
V.1.2 成層圏オゾン層変動のモニタリングと機構解明
〔担当者〕中島英彰(成層圏オゾン層変動のモニタリングと機構解明プロジェクトグループ)・笹野泰弘・横田達也・杉田考史・神沢 博・秋吉英治・菅田誠治
〔期 間〕平成13〜15年度(2001〜2003年度)
〔目 的〕本研究は我が国の観測衛星センサーによって得られたデータ,及び将来得られるであろうデータを用いて,特に極域オゾン層変動の物理・化学的メカニズムの解明と,その変動が極域オゾン層に与える影響を定量的に把握することを目的とする。そのため,衛星観測スペクトルデータから微量気体量を導出するアルゴリズムの高度化のための研究,そこで用いる気体分光データの精緻化のための研究,オゾン層破壊に重要な役割を果たしている極域成層圏雲の組成及びその微物理過程に関する研究,衛星データ質の評価に関する研究,精度の確立された衛星データを用いた地球物理学的研究,3次元化学輸送モデルと衛星データの比較による,オゾン破壊メカニズムの理解に関する研究を行う。
〔内容および成果〕
 初年度にあたる本年度は,以下に述べるような研究を行った。まず,ILAS-Uデータ処理のための気体・エアロゾル同時算出手法の精度検討及び硝酸塩素の導出手法の高度化を行った。また,SOFISのデータ処理に必要な新たなマイクロウィンドウの選択及び雲・エアロゾルの影響を考慮した導出手法の開発研究を行った。これら衛星観測スペクトルデータのから気体濃度導出のために必要な分光データ精密化を,特にN2Oの3.9μm帯及び4.5μm帯の吸収強度及び半値半幅を対象に行った。さらに,N2Oのヘルマン・ワーリス効果を確認する実験などを行い,それから決定される赤外吸収強度の信頼性の評価を行った。また,極域オゾン破壊メカニズムの中で中心的役割を果たしている極成層圏雲の組成を,ILAS可視消散係数データ及び硝酸・水蒸気データを用いて推定する手法を開発した。さらに,FTIRによる,キルナ及びアラスカにおける地上分光観測データの解析手法の改良,特に高度分布導出手法の高度化を行った。また,すでに検証解析を終了したILASデータを用いて,1996/1997年冬〜春季オゾン破壊量を,“Match”と呼ばれる流跡線解析法を用いて推定した。また,ILAS観測によるトレーサー気体であるN2Oデータを用いて,1997年秋〜冬にかけての南極における空気塊の沈降速度の推定に関する研究を行った。さらに,北極域における空気塊の沈降速度と惑星波動活動度との相関を調べた。また,極渦周辺の成層圏物質の移動軌跡を仮想粒子(トレーサー)の動きとして表現する時間閾値解析法(TTD法)を用いて解析し,1996年と1997年における南北極渦生成から崩壊までの期間の極渦の内と外の間の物質輸送量時間変化を明らかにした。さらに,1997年春期北半球での極渦崩壊後の空気塊の混合の様子を,ILAS観測による化学反応を起こさないトレーサーであるN2Oデータと3次元化学輸送モデル(CTM)の結果を比較することにより明らかにした。最後に,極成層圏雲の微物理過程を取り込んだ光化学ラグランジアンモデルとILASによる硝酸・水蒸気・オゾン量観測データの比較により,PSCが極域オゾン破壊に果たす役割について新たな知見を得ることができた。
〔備 考〕


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