(11) 大気化学にかかわる不均一反応の速度論的研究
〔区分名〕経常
〔研究課題コード〕0102AE157
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
〔担当者〕今村隆史(成層圏オゾン層変動のモニタリングと機構解明プロジェクトグループ)
〔期 間〕平成13〜14年度(2001〜2002年度)
〔目 的〕大気中の微量分子の変質過程や生成過程に関与する化学反応,特に気−液や気−固形の物質移動を伴う反応の速度定数の決定や反応機構の解明を通して,大気化学反応モデルのための基礎データを提供することを目的としている。
〔内容および成果〕
本年度は植物起源有機化合物からの光化学的なエアロゾル生成に関する研究を行った。エアロゾル生成は,基本的には光化学反応によって生成するガス状生成物の内,不揮発性の物質濃度がその飽和蒸気圧に達した段階で,気→液変換(凝集)が起こるものと考えられる。実際の測定対象としては植物起源の有機物(VOC)でC5に属するイソプレン(C5H8)および2-メチル-3-ブテン-2-オール(C5H100)を選んだ。同じ〔VOC〕/〔NOx〕初期濃度比の条件下で実験を行ったところ,C5H8の方がC5H100より多くエアロゾルを生成すること,いずれの系でも,エアロゾル生成は光化学的なオゾン生成を待って始まることが明らかになった。いずれのVOCも不飽和結合を有しており,オゾンと直接反応しうる。よって,オゾンとの直接反応がどの程度エアロゾル生成に影響を及ばすかを確かめるために,VOC+O3反応速度に対してエアロゾル生成量(質量濃度)をプロットしたところ,C5H10Oの系では,エアロゾル生成量と反応速度との間に直線関係が得られた。このことは,C5H10Oの反応系では,光化学的なオゾンが生成し,さらにO3+C5H10O反応により,不揮発性の生成物を生成し,それが凝縮することでエアロゾル生成を引き起こすものと結論できる。
〔備 考〕
先頭へ