(11) 気候変動の将来の見通しの向上を目指したエアロゾル・水・植生等の過程のモデル化に関する研究
〔区分名〕環境-地球推進 B-1
〔研究課題コード〕0002BA080
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
V.1.1.2 統合評価モデルを用いた地球温暖化のシナリオ分析とアジアを中心とした総合対策研究
〔担当者〕神沢 博(大気圏環境研究領域)・菅田誠治・江守正多・野沢 徹・日暮明子・秋吉英治
〔期 間〕平成12〜14年度(2000〜2002年度)
〔目 的〕地球温暖化に伴う気候変化・気候変動の気候モデルによる将来の見通しが,影響評価・対策に十分に活かせるものとなるには,気候変動評価の不確定性の幅を明らかにする必要がある。また,地球環境変動の研究の推進のためには,現在の気候モデルに欠けている物質循環や生態系との相互作用を取り入れて総合化した気候モデルを開発して用いる必要がある。これらの課題は現在大きな研究課題として残されており,IPCC
においても重要視されている。
本研究課題では,(1)人為起源の対流圏エアロゾルと対流圏オゾンによる気候変化の不確定性を明らかにすること,(2)水蒸気,雲,地表水文過程などによってもたらされる気候変化・気候変動の不確定性を明らかにすること,(3)気候変化・気候変動と対流圏物質循環,森林生態系間のフィードバックを含めた総合的なモデルの基礎を確立すること,を主な目的とし,さらに,それらの知見を統合し,総合的な気候・物質循環モデルの開発改良とその応用を目指す。手法としては,数値モデルによる研究が中心となる。
〔内容および成果〕
気候変動の将来の見通しの精度の向上を目指し,温室効果ガスの増加による地球温暖化に対する人為起源エアロゾルの冷却効果,水循環の役割等をモデル化するとともに,水循環における植生の役割を明らかにすることを主たる目的として生態系のモデル化を行い,気候モデルと生態系モデルとの連携を強化する。本課題は,以下の3つのサブテーマで構成される。
(1)対流圏エアロゾルおよび対流圏オゾンの気候影響に関する研究
(2)地球温暖化に伴う気候変化と水循環過程との相互関係に関する研究
(3)地球温暖化における陸上生態系フィードバックに関する研究
国立環境研究所では,サブテーマ(1),(2)を担当する。他研究機関の担当するサブテーマ(3)にも課題代表機関として関与する。
当研究所の具体的な実施計画は,以下のとおりである。エアロゾルの間接効果を表現するモデルの開発,エアロゾル・オゾン相互作用モデル開発,および,多波長衛星データによるエアロゾル光学特性推定アルゴリズムの開発を行う。エアロゾル及びオゾンモデルを全球気候モデルに組み込むモデルの開発を行う。熱帯降雨観測衛星データとモデル結果とを用いた降水過程の日変化・季節内変動・季節変化の比較解析を行う。水蒸気・雲過程の季節変化・経年変化に関する衛星観測データとモデル結果の比較解析,および,気候モデルにおける積雲パラメタリゼーションの比較検討を行う。開発したモデルを利用して数値実験を行い,人為起源の地球温暖化関連物質の将来の排出シナリオに沿った気候の将来の見通しについて,その不確定性を含めた評価解析を行う。
本年度に得られた成果は,以下のとおりである。気候モデルに対流圏エアロゾルの要因を組み込む開発,対流圏オゾンモデル開発,および,衛星データによるエアロゾル光学特性推定アルゴリズムの開発を行った。水蒸気・雲・降水の地域特性および時間変動特性の比較解析のための様々な衛星観測データおよびモデル実験データの収集・整理・解析を行った。
〔備 考〕
共同研究機関:森林総合研究所・農業環境技術研究所・産業技術総合研究所・東京大学・九州大学
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