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研究成果物



 

(2) 同位体比測定を用いた対流圏温暖化気体の動態解明に関する基礎研究

 
〔区分名〕経常
〔研究課題コード〕9901AE101
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
V.1.1.1 炭素循環と吸収源変動要因の解明
〔担当者〕高橋善幸(大気圏環境研究領域)
〔期 間〕平成11〜13年度(1999〜2001年度)
〔目 的〕近年,二酸化炭素やメタンなどの温暖化気体成分の大気中での濃度上昇の速度が一定ではないことが分かってきた。この濃度上昇速度の異常がどのような原因によって引き起こされているのかが議論されている。大気中の温暖化気体の濃度とともにその同位体比を観測することによって,濃度上昇速度の異常の原因を明らかにするための基礎研究を行う。大気中の温暖化気体成分の濃度変動の要因のうち,大気・陸域生態系間の気体交換の影響による部分については特に未解明な部分が多いため,同位体比の測定という手法を用いて陸域生態系による温暖化気体の放出・吸収がどのような要因でコントロールされているかを解明するための基礎的な知見を得ることを目標とする。
〔内容および成果〕
 森林生態系内の大気の二酸化炭素安定同位体比を測定するために必要な高頻度の大気試料のサンプリングを可能とする自動サンプリング装置の開発・改良を行った。また,土壌などから放出される温暖化気体を直接捕集するための採取手法の開発を行った。森林内では植物の呼吸・光合成の時間的な変動により,大気中の二酸化炭素濃度とともに同位体比も大きく変動する。森林生態系内の二酸化炭素の酸素安定同位体比を観測することにより,大気と生態系間の二酸化炭素交換におけるグロスの交換量についての情報が得られる可能性があるが,二酸化炭素の酸素安定同位体比は水との同位体交換により容易に変化してしまうため,適切な試料の採取・保存法の確立が不可欠である。特に,植物の二酸化炭素交換が盛んとなる夏季には,蒸散により大気中に放出される水蒸気の量も極めて多いため,森林内での試料採取には同位体比への影響を最小限としつつ効率的に水蒸気を除去する必要があった。今回開発・改良を行った自動サンプリング装置では−40度程度の電気冷却機とエタノール冷媒を用いて,水蒸気を除去する方法を用いた。これにより採取された試料では,試料採取から前処理・測定までの2週間程度の期間では水との同位体交換による二酸化炭素の酸素安定同位体比への影響は十分小さいことが確認された。
〔備 考〕
当課題は重点研究分野W.1.1(7)にも関連


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