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研究成果物


2.4 環境研究総合推進費による研究(未来環境創造型基礎研究)


1.化学物質による生物・環境負荷の総合評価法の開発に関する研究
−培養神経細胞における神経突起伸展を指標とした化学物質の毒性評価−


〔担当者〕
化学環境部 中杉修身
地球環境研究グループ 国本 学
     下線は研究代表者を示す

〔期 間〕平成9〜12年度(1997〜2000年度)

〔目 的〕化学物質による生物・環境への負荷を総合的かつ複合効果も含めて評価するために,簡易生物評価系を用いた評価手法を新たに確立することを目的とする。さらに,この評価手法を用いた環境汚染物質評価の諸問題を解決し,総合指標として環境管理するための考え方を提案する。

〔内 容〕簡易生物評価法としては,ヒトやほ乳動物,水生生物由来の培養細胞あるいは遺伝子組換え細胞などを活用し,毒性検出原理が異なる10数種類の生物評価法を探索・改良し,化学物質に対して最も鋭敏かつ信頼性の高い手法を確立する。さらに,我が国で環境汚染が憂慮されている化学物質の中から生物影響と環境暴露の観点で重要と思われる物質を250種類程度選定し,新たに確立した各評価手法に適用し,比較定量評価を行うことで,各評価手法の適用性と閏題点を横断的に解析する。これらの基礎研究結果を基に,複数種の物質が共存した場合あるいは紫外線や酸素などに暴露した場合,及び実際の環境水,底質,産業廃棄物溶出液等についても併せて検討することで,化学物質による生物・環境への複合的リスクを予知的に総合評価する手法を実用化を志向した機器の開発を含め達成する。本研究所では,このうち株化神経細胞を用いた評価法を担当した。

〔成 果〕株化神経細胞であるヒト神経芽細胞腫NB-1細胞は,培養下において自発的に神経突起を伸展するが,dibutyrylcAMPの共存によってその突起伸展は著しく促進される。この突起伸展に伴って,神経軸索に局在し,特に成長円錐(伸展する神経突起の先端部分のアメーバ様構造体)に濃縮されている細胞膜裏打ち蛋白質440kD ankyrinBの発現が亢進する。そこで,神経細胞に特異的な機能・現象であるこの神経突起伸展を指標として,本年度は20種顛の個別化学物質に加え,それらの混合物11種類,さらには環境試料(下水流入水及び下水処理放流水)濃縮物12種類の毒性評価を試みた。その結果,化学物質の混合物では,作用が相加的に現れるもの,相乗的に現れるものが認められ,下水試料では,流入水で検出された毒性の大部分が,下水処理過程で除かれていることが明らかになった。

〔発 表〕B-42,b-147,148,d-55


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