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研究成果物


2.14 国立機関公害防止等試験研究


5.最終処分場における微量汚染物質の長期的挙動とその制御方策に関する研究


〔担当者〕
廃棄物研究部 大迫政浩


〔期 間〕
平成12〜14年度(2000〜2002年度)


〔目 的〕
 最終処分場の安全性に対する住民不安から施設整備が進まない現状の中で,処分場に存在する微量汚染物質の長期的挙動の把握とその制御方策の確立が喫緊の課題として要請されている。そこで本研究では,ダイオキシン類などの疎水性有機汚染物質と重金属類の埋立層内における長期的挙動モデルを構築し,長期的な制御方策として,埋立搬入前の洗浄型促進エージング法の開発及びその効果を判定するための溶出試験ツールの開発を行い,その制御効果を長期的挙動モデルにより検証することを目的とする。初年度である本年度においては特に,(1)疎水性有機汚染物質(HOPs)の溶出特性に関する既往研究レビューと基礎実験 (2)焼却残渣からの無機性汚染物質の溶出特性に関するデータベース構築と溶出挙動解析 (3)焼却残渣の洗浄型促進エージング法に関する技術要件設定と基礎実験を行った。


〔内 容〕
(1)疎水性有機汚染物質の溶出特性に関する研究
 HOPsの溶出試験に関する様々な文献のレヴューを行った結果,溶出試験にかかわる一般的な条件因子以外にも,有機・無機質のような固体質によるHOPsの溶出特性,溶媒のマトリックスの組成,溶解性として見なす粒径範囲と固液分離法などの検討が必要であることがわかった。そこで,有機・無機質のマトリックスにおけるHOPsの溶出パターンなどについて基礎的な検討を行った結果,HOPsに汚染されている土壌で無機質と有機質が同じ割合で混合しているときは,時間の経過とともに最初には溶出可能な無機質に付着/吸着しているHOPsが多く溶出し,その後無機質に残ったHOPsと有機質に吸着/付着しているHOPsが溶出すると考えられた。
(2)無機性汚染物質の溶出特性に関する研究
 文献調査等により焼却残渣の成分分析結果をデータベース化して無機性汚染物質の溶出特性の解析を行った。特に鉛の溶出特性を解析した結果,(1)水酸化物酸化物は溶出液のpHを上昇させ,上昇したpHは鉛の溶出濃度を増加させた。(2)高いイオン強度下では鉛の溶出濃度が増加した。(3)鉛の含有量が高いと溶出濃度も高かった。(4)未燃炭素のような有機物質が多いと溶出濃度も増加した。しかし,(5)焼却残渣の成分中,鉄,ケイ素などの含有量が多いと鉛の溶出濃度は低かった。以上のことから,鉛の溶出に影響を与えた因子などの化学的形態を把握し,鉛の理論的溶出モデルを構築することの必要性を指摘した。
(3)焼却残渣の洗浄型促進エージング法に関する研究
 洗浄型促進エージング法とは,焼却施設内で発生する焼却残渣を排出ガス中の二酸化炭素を吹き込みながら撹拌強度を高めて易溶性汚染物質を洗い流し,同時に中和・炭酸化によって重金属類を固定化・安定化させるとともに,施設から供給される焼却熱を利用して洗浄効果の向上,エージングによる鉱物化の促進,排水の効率的処理を効果的に行うハイブリッド型システムである。そこで,ベンチスケール実験設備により基礎的な検討を行い,有用な知見を得ることができたが,システムの実現可能性に関して判断するまでには至っていない。


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