2.14 国立機関公害防止等試験研究
4.生物評価試験による浮遊粒子状物質の長期曝露モニタリングに関する研究
〔担当者〕
| 廃棄物研究部 |
: |
後藤純雄 |
| 地域環境研究グループ |
: |
田邊 潔 |
〔期 間〕
平成12〜16年度(2000〜2004年度)
〔目 的〕
人間活動に伴い様々な汚染物質がガス状または粒子状で環境空気中に排出されている。環境空気中の浮遊粒子状物質中には比較的分子量の高い物質が微量ずつ混在している。これらの中には発がん物質であると同時に,外因性内分泌撹乱物質として疑われているベンゾ[a]ピレンやダイオキシンも含まれ,かつ,呼吸器系に沈着しやすく人為起源の寄与の大きな微細粒子中に含まれているため,その長期曝露に伴う健康影響が懸念されている。したがって,これら物質の長期曝露の影響や,質的経年変化に関する知見の蓄積が対策を講ずる上で重要になってきている。また,浮遊粒子状物質の発生源や大気中での挙動が複雑であることから不明な点が多い状況にある。そこで本研究では,汚染そのものを総合的に,また比較的高感度にとらえ得る変異原性試験や細胞間連絡阻害試験等の生物評価試験法,および代表的化学物質の分析法等を併用し,浮遊粒子状物質の長期モニタリングに関する研究を行うことを目的としている。
〔内 容〕
長期間継続的に採取した浮遊粒子状物質を生物試験及び化学分析に供し,その結果から空気中発がん関連物質の発生要因や曝露要因を把握するとともに長期曝露評価に必要な基礎資料を得るために平成12年度から16年度まで以下の研究を行う。
(1)浮遊粒子状物質及びそれに含まれる有害物質による都市部大気汚染トレンド(20〜25年)を長期低温保存試料等を用いて明らかにする。
(2)生物評価試験(変異原性測定法など)を上記測定に適用し,汚染そのものの総合的評価を試みる。
(3)都市部浮遊粒子状物質を大量に採取し,それを標準比較試料として用いることにより生物評価試験法,高感度化学分析法の規格化や測定精度管理手法についても検討する。
(4)隔日サンプリング等,試料採取の基礎資料を作成するとともに,生物評価試験や当該化学物質分析に適した試料調製や試料保存法を作成する。
(5)ガス/粒子間の成分組成や浮遊粒子の粒径分布に及ぼす各種要因及び当該物質のリアルタイム測定法について発生源などを含めた検討を行う。
本年度は,環境空気中の浮遊粒子状物質の長期モニタリングや曝露評価に必要な基礎資料を得るため,以下の検討を行った。
1)ハイボリウムエアサンプラーにより約20年前から採取し超低温保存してきた浮遊粒子試料の一部を用いて,ダイオキシン類濃度等を測定し,経時変動等について予備的検討を行った。
2)マッシブボリームエアサンプラーを用いて浮遊粒子試料(粉体)を大量採取し,その混合物を生物評価試験および化学分析に供し,本試料の基礎的評価を行った。
3)アンダーセン型ロープレッシャーインパクター等を用いて屋外浮遊粒子を粒径ごとに分級採取すると共に,ポリウレタン樹脂を用いてガス状試料を採取し,それらのダイオキシン類を測定し,環境空気中の存在実態に関する基礎的検討を行った。
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