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研究成果物


2.12 ダイオキシン類対策高度化研究


2.ダイオキシン類の体内負荷量および生体影響評価に関する研究(初年度)


〔担当者〕
地域環境グループ 森田昌敏・米元純三・曽根秀子・高木博夫・兜 真徳
環境健康部 宮原裕一・青木康展・大迫誠一郎・石村隆太・西村典子・遠山千春
     下線は研究代表者を示す


〔期 間〕
平成12〜14年度(2000〜2002年度)


〔目 的〕
 ダイオキシン類のヒトの健康への影響,ことに生殖・発生への影響が懸念されている。ヒトがダイオキシン類にどの程度曝露されており,またそれによってどの程度影響が起きているかについてはほとんどわかっていないのが現状である。健康への影響を評価する適切なバイオマーカーが必要とされている。
 本研究では1)ダイオキシン類の曝露量,体内負荷量を評価し,2)生体影響指標(バイオマーカー)の検索・開発を行い,3)体内負荷量との関係を検討し,その中で感受性の決定要因を明らかにする。これらにより,ダイオキシン類の生体影響にかかわるリスク評価のための基礎資料を得ることを目的とする。


〔内 容〕
 ダイオキシン類の成人,母体,胎児における曝露量,体内負荷量と生体影響指標との関係を検討し,ダイオキシン類の生体影響,特に生殖・発生影響にかかわるリスクを評価する。
 以下の課題に関する研究を行う。
課題1 ダイオキシン類の曝露量,体内負荷量の評価に関する研究
 ヒトにおけるダイオキシン類の曝露量,体内負荷量を評価するために,血液,脂肪組織中のダイオキシン類濃度を測定する。また,生殖・発生影響の観点から胎盤,臍帯血についても測定する。

課題2 生体影響指標の適用可能性の検討および新規指標の検索・開発に関する研究
 ダイオキシン類の曝露によって鋭敏に動くと考えられる生体指標について,ヒトのサンプルでの測定法の確立を行う。収集したサンプルについて,上記の検討に基づき,生体指標の測定を行う。生体影響指標と曝露量,体内負荷量との関係からこれらの指標の適用可能性を検討する。また,ダイオキシン類の作用メカニズムに関する知見などに基づき新規指標の検索・開発を行う。

課題3 ダイオキシン類に対する感受性の決定要因に関する研究
 ダイオキシン類に対する感受性種差,ヒトにおける感受性差を決定している要因をAhレセプター,AhレセプターのパートナーであるARNTを中心に分子レベルで明らかにする。


〔成 果〕

課題1 ダイオキシン類の曝露量,体内負荷量の評価に関する研究
 大学の産婦人科学教室と協力して,インフォームドコンセントのもと,胎児の曝露を評価する目的で,羊水および胎脂を採取し,ダイオキシン類の測定を行った。ダイオキシン類(PCDD+PCDF)の濃度は,トータルTEQとして,羊水で中央値0.011pg/g-wet(0.002-0.066),胎脂で中央値14.085pg/g-fat(9.187-35.65)であった。羊水のレベルは成人の血清の1/4程度であり,ある程度,胎盤の障壁があることが示された。
課題2 生体影響指標の適用可能性の検討および新規指標の検索・開発に関する研究
薬物代謝酵素,CYP1A1,CYP1B1はAhレセプターを介したメカニズムにより,ダイオキシンや関連化合物により鋭敏に誘導される。TaqMan蛍光プローブを用いたリアルタイム定量的RT-PCRアッセイ法による血液中のCYP1A1,CYP1B1mRNAの定量法を確立した。血液からの1ngのトータルRNAで分析可能である。この方法を用いて,2つの地域の71名のボランティアについて血液中のCYP1A1,CYP1B1mRNAの測定を行った。これらのCYP遺伝子の発現は地域,個人間で差異があり,TCDDや他の環境汚染物質による曝露を一部,反映していると考えられた。血液サンプルでのCYP1A1,CYP1B1mRNA発現レベルのTaqMan蛍光プローブを用いた測定法は高感度で定量性があり,多数のサンプルの分析が必要な環境汚染モニター手法として有用であることが示された。

〔発 表〕B-122〜124,E-45,b-143,e-4,5


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