| 研究課題 |
31) バイオ・エコエンジニアリングを活用した富栄養化抑制型適正水環境改善技術の共同開発に関する研究(特別奨励研究) |
| 〔担当者〕 |
稲森悠平・水落元之 |
| 〔期 間〕 |
平成11年度(1999年度) |
| 〔目 的〕 |
タイ王国,中国は産業活動の活性化,人口増加により各種排水による水域の汚濁が顕在化してきている代表的な国であるといえる。さらに,これらの国の富栄養化湖沼での水源において,従来の水質汚濁のみではなく,WHOの飲料水質ガイドラインに位置づけられる強い毒性を示すミクロキスチンを含有するアオコの異常増殖がみられるようになってきており,その緊急対策が重要と考えられる。
それゆえ,水資源の保全のための有毒アオコの実態解明,対策の確立・強化はこれらの国の水環境を修復していく上で極めて重要な位置づけにある共通課題である。しかし,タイ王国および中国においては,国情に適した富栄養化対策は発生源対策・直接浄化対策ともに著しく遅れているのが現状であり,その対策技術の確立は緊急を要している。このような状況をかんがみ,本研究では微生物,水生植物などの有用生物の機能を最大限活用した生活排水等の小規模分散型の生物処理システムとしてのバイオエンジニアリングと自然生態系に工学の技術を導入した浄化システムとしてのエコエンジニアリングの組み合わせの最適化を図ることにより,亜熱帯地域および温帯地域における最適な水質改善システムの技術開発と,開発した技術を普及させる上で必要な制度づくりの支援化技術を確立することを目的として研究を推進することとしている。 |
| 〔内 容〕 |
本研究課題は5カ年の研究課題であるが,効率的に実行する上でのFSに位置付くものである。この予備的研究において
(1)水質改善の高度システム開発のネットワークの構築
(2)有毒微細藻類の質・量・毒性に関する評価・解析
(3)土壌浄化活用型浄化槽システムの重要性の評価・解析
(4)水耕栽培浄化システムの重要性の評価・解析
(5)ローテク技術としてのラグーン処理の適用法の評価・解析
(6)派生廃棄物のリサイクルシステムの重要性の解析を実施し,以下の成果を得た。
タイ王国,中国ともに大学や公的研究機関と共同研究を行える体制が検討され,バイオ・エコエンジニアリングを活用した富栄養化抑制型適正水環境改善技術を開発する上での基盤をかなりの程度整備することができた。また,タイ王国,中国ともにラン藻類の含有する有毒物質ミクロキスチンによる汚染が顕在化していることが明らかとなった。特に,中国の太湖,デンチ湖,アルハイ湖の集積域では毒性の強いミクロキスチン-LRの現存量が高く,それぞれ3,625,3,324,2,474μg/lと高濃度に検出されることがわかった。それと同時にタイ王国,中国にともに水耕性野菜が畑作性野菜より高価なことから水耕栽培浄化法において付加価値の高い植物の栽培が可能であり,食物生産と浄化が経済的に成立する可能性の高いことが示唆された。また,中国において汚濁負荷の原単位調査を行ったところ,日本式の浄化槽は都市部の下水道が普及していない部分では普及が可能であるが郊外においては経済性の面から現状においては最適とはいいがたい面もあるため,ラグーン等のローテク技術の最適化を含めたバイオ・エコエンジニアリングを活用した環境低負荷・資源循環型の処理システムの重要性が示唆された。これらの研究を踏まえ,さらに次年度以降の研究の重点化が図られた。 |
| 〔発 表〕 |
K- 6,B-18,19,b-21,27,43,44,70,73,78,98 |