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科学技術振興調整費による研究


6.国際共同研究(ワークショップ)


(1)IGBP/START地球環境研究能力構築に関する国際ワークショップ

〔担当者〕

地球環境研究センター 清水英幸
慶応大学 西岡秀三

〔期 間〕

 平成11年度(1999年度)

〔目 的〕
 START(地球変動の解析・研究・訓練システム:Global Change SysTem for Analysis, Research & Training)の役目は,IGBP(国際地球圏生物圏協同研究計画)/IHDP(地球変動の人間社会的側面に関する国際研究計画)/WCRP(世界気候研究計画)とリンクして,地球変動の地域的観点からの研究を推進するため,開発途上国・地域での科学者および研究機関のネットワークをつくりあげ,地球変動の地域的な原因と結果を分析評価し,地域の政策決定者や政府に関連情報を伝えるしくみを創り,また,これに関連する研究能力を構築することである。STARTは研究者側が組織するNGO活動であるが,研究面からはこれまでの研究成果を評価する時期にある。IGBPも研究成果を総ざらいし,次フェーズへ進みつつある。一方研究資金面では,IGFA(地球環境研究に関する資金提供者会議)は,米国・欧州の地球科学研究への予算が頭打ちになったことから,これからは研究成果を吟味し,どう政策に役立つかきびしく問う姿勢にある。今回のワークショップは以上のようなSTARTの役割と周辺状況を踏まえて今後どのように地球環境研究を展開するか,いかにして地域間研究ネットワークを強化し,途上国の能力構築を確かなものにしていくかを検討するためのものである。

〔内 容〕
 本ワークショップは,13th Meeting of the START Scientific Steering Committeeとして,平成11年10月26〜29日にかけて,Beijing International Convention Centerにおいて開催された。会議概要を以下に記す。(1)START全体の活動報告と討議:地域的インテグレーション研究,各地域センターの活動は活発化・拡大。公的資金の不足 (2)IGFAとの共同会合:地球環境研究の方向として,地域の能力構築のための制度づくり,持続的発展に結びついた研究,政策との関連の明確化が必要。新しいFunding Mechanismの構築の方向 (3)国際協力研究計画の進展:IGBP/WCRP/IHDPの最近の活動成果等報告。各国で総合的な国家地球変動研究計画 (4)地球環境研究地域ネットワーク活動報告:アジア地域のAPN,欧州・アフリカのENRICH,米州のIAIの地域研究ネットワークが成立。政府機関が中心 (5)START地域センターの状況:SARCS(東南アジア地域センター),SASCOM(南アジア地域センター),PanAfrica,STARTオセアニア,IAI(米州プログラム)の現状 (6)STARTが立案する研究の進行状況:米国の気候変動に対する脆弱性評価,CLIMAG(気候変動シナリオを地域農業を中心に適用する試み),東欧の気候対応地域インテグレーション研究,アフリカの気候変動対応行動計画のための統合評価,アジアの気候変動対応統合評価 (7)中国科学院大気科学研究所での研究:水資源の状況,土壌中の水分,エコシステムと大気の相互影響(Leaf model・NPP),地域気候モデルの利用 (8)次回以降の活動に向けた討論:分科会ごとに,1990〜2000年の活動計画,STARTの制度見直し,資源の確保の検討。
 今後の国際協力に関して以下のことが議論された。(1)地球環境研究における協力の必然性と日本の役割:地球公共財管理のための応分分担,途上国のCapacity Building・地球環境研究のキー,国境を越えた汚染の問題 (2)地球環境研究での国際協力の理念:自立分散ネットワーク型研究の推進,政策への寄与を念頭においた研究の推進,地域でのインテグレーションの必要性(3)具体的な研究支援システムの推進方法:ODA資金の導入,若手研究者の交流の促進,国単位で統一した地球環境研究支援ネットワークの形成。
 今回のワークショップは,STARTのみでなく,IGFAや他の地球環境研究プログラムの担当者が一堂に会して率直に問題を討議でき,地球環境研究の世界組織の一層の強化の方向が打ち出された。


(2)環境負荷を軽減するための消費形態に関する国際ワークショップ

〔担当者〕

社会環境システム部 青柳みどり

〔期 間〕

 平成11年度(1999年度)

〔目 的〕
 このワークショップは,これまで一般市民の環境保全行動や意識について国際比較調査を行ってきたGOES(包括的環境調査)に参加している各国の研究者およびそれ以外の国々で今後協力の可能性のある研究者が会しこれまでの研究成果を提供しあい,議論するために行われたものである。
 環境負荷を軽減するための消費形態を,実際に調査によって把握し,国際的に比較したものは非常に少ない。また,ある消費形態がどのような要因によって環境負荷の少ない形に変わりうるか,ということについても,いまだに定説となっているものは少ない。本ワークショップでは,各国の調査結果を持ち寄ることにより,これからの調査,分析の方向性を見いだそうとするものである。

〔内 容〕
 オランダ,ブラジル,ドイツ,日本,中国,アメリカ,カナダ,オーストラリアの社会調査機関・大学からの参加者が,最近の調査結果およびあらかじめ用意された比較のための分析結果をもちより,比較分析について議論した。本ワークショップでは,一般消費者への調査とともに各国の環境問題を含む意志決定層へのインタビュー調査の結果も報告された。
 オランダの発表では,オランダの環境政策の歴史,意志決定層の回答と一般消費者の回答の比較分析などが報告された。オランダでは意志決定層も一般消費者も個人としては経済成長よりも環境保全を優先させるべきだ,と考えている人が多いにもかかわらず,意志決定層は,一般消費者の多くが環境よりも経済成長を望んでいるのではないか,と回答し,基本的な環境保全に対する態度についての認識にずれがあることを示した。カナダの発表では,カナダの意志決定層は,地球温暖化問題を非常に大きな問題と考えていることなどが報告された。これは,オランダ,日本などにおいて一般消費者を含む全体の回答が大気汚染,水質汚濁などの地域での環境破壊を重大と回答したのと対照的であった。ブラジルからの報告は,ブラジルの先進的な環境施策で有名なミナスジェライス州での意志決定層のインタビューであったが,州政府,環境保護団体,産業界がそれぞれ相手のセクターが解決に力を持っていると回答し,いずれもが自分ではない誰かをもっとも多くあげたことが,ブラジルでの環境施策での複雑な構造を浮かび上がらせた。また,ドイツからは,ドイツの一般消費者の行動がドイツの環境政策の歩みとともに報告された。


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