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国立機関原子力試験研究費による研究(原子力利用研究)


5.トランスジェニックマウスを用いた環境発ガンにおける酸化的ストレスの関与の解明


〔担当者〕

環境健康部 遠山千春・佐藤雅彦

〔期 間〕

 平成11〜15年度(1999〜2003年度)

〔目 的〕
 一般環境中ではヒトは放射線などの物理的因子と多種類の有害化学物質に暴露されており,ヒトがんの原因として環境発ガンが問題となっている。これらの環境有害因子により誘発される腫瘍発生には個体差が認められていることから,人間集団における環境発ガンのリスク評価の際には,個々人の感受性要因を解明する必要がある。また,放射線や種々の有害化学物質による発がん過程には,生体内で発生する酸化的ストレスの関与が指摘されている。そこで,本研究では,酸化的ストレスに対する感受性をコントロールしたトランスジェニックマウスを用いて,放射線発ガンや化学発ガンにおける酸化的ストレスの関与を明確にすることにより,発ガン感受性要因としての酸化的ストレスの重要性を明らかにし,その影響評価のための基礎的知見を得ることを目的とした。

〔内 容〕
 メタロチオネイン(強力な抗酸化作用を有するタンパク質)の発現を抑えたノックアウトマウスを用いて,発ガンイニシエーターである7,12-ジメチルベンズ[a]アントラセン(DMBA)と,発ガンプロモーターである12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート(TPA)による二段階皮膚発がんを検討した。その結果,DMBA/TPA併用により誘発される皮膚での腫瘍の発生が,マウスにおける腫瘍の発生率や発生時期およびマウス1匹あたりの腫瘍の数の点において,メタロチオネインノックアウトマウスでは野生型マウスに比べて増強されることが見いだされた。しかも,その際に誘発された皮膚での腫瘍(パピローマ)において,ガン遺伝子であるras遺伝子の変異の有無を調べたところ,c-Ha-rasのcodon61のA182からTへの変異が認められ,メタロチオネインのDMBA/TPA二段階皮膚発ガン抑制作用には,c-Ha-ras遺伝子の点変異の抑制が関与していることが明らかとなった。以上の結果より,メタロチオネインは,DMBA/TPA二段階皮膚発ガンに対する重要な感受性要因であることが判明した。また,メタロチオネインは強力な抗酸化作用を有するタンパク質であることから,この発ガンのメカニズムには酸化的ストレスが深く関与していることが示唆された。
〔発 表〕E-13,e-23,26,33,36,39,50,51


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