| 20)積雲パラメタリゼーションの改良が気候モデルに与える効果に関する研究
(奨励研究A) |
| 〔担当者〕 |
野沢 徹 |
| 〔期 間〕 |
平成10年度(1998年度) |
| 〔目 的〕 |
人為起源物質の増加に伴う気候変動を高い信頼性で予測するためには,予測に用いる気候モデルの信頼性を向上させる必要がある。モデルに含まれる物理過程のなかでも,降水過程は気候変動を支配する最も重要な物理過程の一つである。降水過程に伴う潜熱の解放・吸収は,大気の熱力学的な構造を支配するだけでなく,大気中に波動を励起することにより,大気大循環の駆動源にも成り得る。本研究では,気候モデルにおける降水過程を担う積雲パラメタリゼーションの検証および改良を行い,モデルによる気候変動予測の信頼性を向上させることを目的とする。 |
| 〔内 容〕 |
大気大循環モデルに導入されているArakawa−Schubertの積雲パラメタリゼーションの診断テストを行い,モデルによる予測と客観解析データ・観測データとを比較・検討した結果,モデルによる降水量が過大評価となっている領域では,実際には対流圏中・上層における水蒸気量が少ないことがわかった。このような領域では,積雲が周囲の空気を取り込む効果(エントレインメント)がよく働き,背の高い積雲対流は発達しにくいことが予想されるため,対流圏中・上層の平均的な相対湿度に応じて積雲中の質量フラックスを調整するように変更を加えた。修正後の積雲パラメタリゼーションを導入した大気大循環モデルを用いて気候再現実験を行い,積雲パラメタリゼーションの改良に伴って再現された気候がどのように変化するかを調べた結果,特に夏季の東アジア域における降水量分布が改善されることがわかった。 |
| 〔発 表〕 |
f−69 |