| 14)スペシメンバンキングによる環境の時系列変化の保存並びに復元に関する研究(特別経常研究) |
| 〔担当者〕 |
柴田康行・田中 敦・米田 穣・森田昌敏*1・
田邊 潔*1・吉永 淳*1・堀口敏宏*1・向井人史*2
(*1地域環境研究グループ,*2地球環境研究グループ) |
| 〔期 間〕 |
平成7〜11年度(1995〜1999年度) |
| 〔目 的〕 |
人間活動によって環境中に放出される物質は膨大な数にのぼり,そのすべてを分析,監視し続けることは不可能である。また副生成物の混入や流通・処理過程での有害汚染物質の発生など,予見できないような汚染事例も増えている。こうした化学物質汚染の監視体制をより効果的なものにし,なるべく早期に適切な対応をとれるようにするための一つの手段として,モニタリングで集めた試料の一部を低温で長期保存し,新たな汚染がみつかった段階で過去にさかのぼった分析を行ってその歴史的経緯の把握や起源の早期発見を可能にするスペシメンバンキング(環境試料保存プログラム)が有効と考えられる。本研究では,特にバックグラウンド地域の監視と試料保存に着目しながら,分析試料の収集と保存,並びに保存性試験などの基礎研究を行う。 |
| 〔内 容〕 |
平成10年度は環境質を代表する試料(日本沿岸各地の二枚貝,世界の外洋のイカ,大陸からの影響をモニターする島根県隠岐の大気粉塵,東京湾の二枚貝や鳥など)の収集・保存と分析作業を継続した。また,前年度に引き続き,平成9年1月に起こったナホトカ号沈没事故に伴う福井県三国から能登半島北東部にかけての重油汚染実態調査と試料収集を継続した。内分泌撹乱物質研究の推進にあわせて,スペシメンバンクに保存されていた鳥類試料(ウミネコ)を用いて過去の汚染の時系列変化を調べた。保存性試験データのあるトリブチルスズとより安定性の高いトリフェニルスズ,及びそれぞれのジアルキル体について分析した結果,いずれも現在より80年代の汚染の方が甚だしく,90年前後を境に減少傾向が認められた。しかしながら,トリブチルスズとその分解産物であるジブチルスズの変動傾向は一致せず,ジブチルスズにトリブチルスズ以外の大きな寄与のあることが示唆された。 |
| 〔発 表〕 |
D−10,d−6 |