| 10)リターナブル容器導入による環境負荷削減効果の評価(奨励研究A) |
| 〔担当者〕 |
寺園 淳 |
| 〔期 間〕 |
平成10年度(1998年度) |
| 〔目 的〕 |
容器包装のワンウェイ化が進み,容器包装廃棄物が家庭系一般廃棄物の容積比約60%を占めるなかで,1997年4月より容器包装リサイクル法が施行された。しかしながら,同法は必ずしも循環型のリサイクルを前提としていないことや自治体の負担が大きいことなどの問題点が指摘されており,リターナブル容器の見直しや導入が求められている。一方で,リターナブル・ガラスびんは重さや価格及び返却の手間の点で不利であり,リターナブル・プラスチックボトルも内分泌撹乱化学物質の溶出が懸念されるなど,普及には課題も多い。
本研究は,リターナブル容器に対してLCA(ライフサイクルアセスメント)を実施することにより,競合する容器と比べて,どのような環境負荷削減効果があるかを示し,環境面から見た容器選択の判断材料を提供することを目的とする。
また,このような環境情報が購入時の容器選択に活かされるようにするために,2つの事例研究によって,容器の選択行動に与える要因の分析を行う。1つは牛乳やビールなどの商品を対象とした,一般の消費者による選択行動に関する事例であり,もう1つは学校給食用牛乳容器の使用実態に関するものである。 |
| 〔内 容〕 |
(1)リターナブルびんと競合容器に対してLCAを実施した結果,回収率と輸送距離において一定の条件を満たせば,リターナブルびんは競合容器に対して環境負荷が小さかった。廃棄物の質,水質汚濁や有害化学物質など既存の研究で評価されなかったものを加味しても,この結果は変わらないか,さらにリターナブルびんの評価は相対的に高まると考えられた。(2)一般の消費者が飲料容器の選択を行う際に,「価格」「利便性(重量や回収場所)」「環境(環境情報の提示)」の中でどの因子の寄与が大きいかを知るために,コンジョイント分析を行った。その結果,因子別の寄与率は価格が最も大きく,重量(容器の種類)や回収場所が続き,環境情報の提示については小さかった。また,びんの軽量化の効果や,回収場所に対する抵抗感のような,因子内の各レベルの効用についても定量的数値を得ることができた。得られた寄与率や効用などの情報を用いることによって,リターナブルびんに関してどの因子を優先的に向上させるべきかなど,必要な施策を検討することができる。(3)牛乳消費量の大きい学校給食に関して,自治体ごとに牛乳容器が選択される背景を知るために全国の市
教委に対して牛乳容器の使用実態に関するアンケート調査を行った。現状では紙パックを使用する市が多いが,市に容器の決定権がある場合はガラスびんも同数以上使用されていることがわかった。取扱いの利便性を重視する市では紙パックを使用しているが,使用済みの容器の処理はメーカーに依存しており,ごみ問題の逼迫度に応じてガラスびんの利点が再認識されることが推察された。 |