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地方公共団体公害研究機関と国立環境研究所との共同研究
| (1)河川における農薬流出量の定量評価の研究 |
| 〔担当者〕 |
水土壌圏環境部:井上隆信
北海道環境科学研究センター:沼辺明博
長野県衛生公害研究所:佐々木一敏
福岡県保健環境研究所:永淵 修 |
| 〔内 容〕 |
前年度に引き続き,各研究機関で調査を実施するとともに,散布農薬の河川への流出経路・流出率について検討を行った。水田散布農薬は,不完全な水管理や降雨に伴う流出等によって河川に流出しやすく,流出率が20%程度になる農薬もあった。樹園地散布農薬は,樹木・草地・土壌等に付着・吸着したものや,大気中に蒸散したものが,降雨によって洗い流されて河川に流出するため,流出率は水田農薬と比べて低く最大で2%程度であった。 |
| 〔発 表〕 |
K−14,24〜30, g−4 |
| (2)湖沼のN,P,Si含量及びその元素比と植物プランクトン組成との関係に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:高村典子
北海道環境研究センター:三上英敏・石川 靖・五十嵐聖貴
青森県環境保健センター:三上 一
福井県環境科学センター:片谷千恵子
鹿児島県環境センター:上野剛司 |
| 〔内 容〕 |
湖沼環境は,湖沼の形状や集水域の環境により大きく異なり地域性がある。人々の生活や価値観も異なる。そのため保全のあり方も湖沼により違ってくる。湖沼での公共用水域の測定(モニタリング)が始まって26年が経過しており,どの湖沼も水質データが蓄積されてきている。そこで,こうしたデータをおのおのの湖沼の保全に生かすべく,各担当湖沼において長期にわたる湖沼水質の変遷を調べ,湖沼の特徴や保全について資料の作成を行った(来年度出版予定である)。 |
| (3)リモートセンシングによる自然環境モニタリング手法の研究 |
| 〔担当者〕 |
社会環境システム部:田村正行・清水 明・山形与志樹
北海道環境科学研究センター:金子正美 |
| 〔内 容〕 |
本研究では,衛星画像データとGISデータを組み合わせて,北海道の自然環境を計測,評価する手法の開発を行う。本年度は,NOAA/AVHRRデータの季節変化パターンを利用した植生分類手法の開発に着手した。また,衛星画像と地理情報のオーバーレイ解析により,環境の経年変化の要因と背景を探索するとともに,自然環境を評価する手法の作成を行った。 |
| 〔発 表〕 |
c−19 |
| (4)ダイオキシン類の分析法に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
化学環境部:伊藤裕康・山本貴士・中杉修身
地域環境研究グループ:森田昌敏
重点研究支援協力員:橋本俊次
新潟県保健環境科学研究所:村山 等・種岡 裕
千葉県廃棄物情報技術センター:半野勝正
茨城県公害技術センター:宮崎雅弘
宮城県保健環境センター:鈴木 滋・中村朋之
東京都環境科学研究所:佐々木裕子
岐阜県保健環境研究所:村瀬秀也
長崎県衛生公害研究所:植野康成
千葉県環境研究所:内藤季和
愛知県環境調査センター:角脇 怜
富山県環境科学センター:近藤隆之
東京都立衛生研究所:中川順一・堀井昭三 |
| 〔内 容〕 |
環境試料中のダイオキシン類(ポリクロロジベンゾ−p−ジオキシン類(PCDDs)とポリクロロジベンゾフラン類(PCDFs))の分析法に関する研究を本研究所において行った。試料は本研究所で作成した環境標準試料NIES
CRM No.19「フライアッシュ粉末」を用い,抽出,カラムクロマト等前処理,高分解能GC/MSによる測定,データの解析,分析値の精度管理等を行った。また,環境試料の分析法に関しては,ハイボリュウムサンプラー及びミッドボリュウムサンプラーによる数地点の大気および実験室内のサンプリング,種々の地点の土壌試料,底質試料,水生生物等のサンプリングをし,その検討を行った。各試料の処理についても,高速溶媒抽出法等種々の抽出法の検討,対象試料の違いによる前処理法の検討,高分解能GC/MSによる測定の検討等を行った。
環境標準試料フライアッシュ粉末の分析においては,試料の処理によっては,回収率の良否,妨害成分により分析値の精度が大きく変化することが知られた。 環境大気の分析では,ハイボリュウムサンプラーとミッドボリュウムサンプラーによる顕著な差は,ほとんど見られないが,現在使用されている公定法等の分析法の改善につながるであろう有意なことが示唆された。また,四塩素ダイオキシン類等の低塩素類は,気散現象が見られ,試料の保存方法の重要性が見いだされ,分析法の試料取り扱いの注意事項となると考えられた。
土壌試料の分析では,土壌質の違いからサンプリング法の良否による濃度分布,処理法の検討をし,焼却由来や農薬等からのダイオキシン類のパターンが見られ,汚染の多様性と公定法の問題点が示唆された。
底質試料の分析では,種々の試料と処理法を検討した。土壌と同様な結果であったが,特出すべき事項は,含有イオウの処理の有無による分析値に与える影響がみられた。アルカリ処理による抽出法の有意性が顕著となり,今後の分析法の改善の知見が得られた。
水生生物の分析では,環境モニタリングの指標生物としての可能性を考慮し,ヒゲナガカワトビケラのサンプリングをし,その処理法の検討を行った。2,3,7,8−体のダイオキシン類同属体は微量であったが,1,3,6,8−,1,3,7,9−TCDDが特異的に多量に検出された。これは河川が農薬類等化学物質に汚染されていることが示唆され,環境モニタリングの指標生物として有意な結果が得られたと思われる。
環境中ダイオキシン類の分析法は,対象試料の違いによる処理法の微妙な変更があり,分析値の精度に大きく影響されるため,二重測定等の共同研究の必要性がある。また,環境モニタリングにおいても種々の問題点等があり,今後の研究の重要性が示唆された。 |
| (5)外因性内分泌撹乱化学物質の環境動態と生物影響に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:森田昌敏・堀口敏宏
宮城県保健環境センター:佐久間隆 |
| 〔内 容〕 |
宮城県内の4地点(志津川町荒島及び津ノ宮漁港,牡鹿町泊浜,石巻市新山)で1998年6月に採集されたイボニシを試料としてインポセックス症状の観察と体内有機スズ含有量の測定を行った。インポセックス出現率は全地点で100%であり,相対ペニス長指数は13.2〜51.8,輸精管順位は4.26〜4.87であった。また体内トリブチルスズ濃度及びトリフェニルスズ濃度はそれぞれ<5〜23.4ng/g湿重及び<5〜29.8ng/g湿重であった。 |
| 〔発 表〕 |
B−126,129, 135 |
(6)(1)酸性降下物に含まれるリン酸の量とその季節変化
(2)酸性降下物に含まれる微量成分(セレン,テルル等)の測定法の検討と応用 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:佐竹研一
福島県衛生公害研究所:佐藤聡美・赤城理恵 |
| 〔内 容〕 |
(1)降水に含まれるリン酸イオンは窒素化合物やカリウム等とともに植物の生長に欠かせない重要な化合物である。しかし,従来,大気のモニタリングでは降水中のリン酸化合物の量が微量で測定が困難である所から測定項目から覗かれることが多かった。本共同研究では本年度はこれまでに得られた分析値を整理しまとめ,大気中のリン酸量の濃度とその変動について検討を行った。
(2)ICP−MSを用いた環境試料中の微量成分(セレン,テルル等)の分析法に関する基礎的検討を行った。 |
| (7)新潟県六日町地域の地盤の圧密特性と消雪用地下水の揚水による地盤沈下 |
| 〔担当者〕 |
水土壌圏環境部:陶野郁雄
新潟県保健環境科学研究所:関谷一義 |
| 〔内 容〕 |
一昨年度六日町において,ボーリング孔を利用した地盤沈下観測システムを設けた。前年度後半には,すぐ近くに新潟県が設置した地盤沈下観測井があるので,地下水位の変動を計測するのを止めて,この内に鉄パイプを挿入し,この抜け上がり量とアラミド繊維を用いた方法による沈下量の計測を比較できるようにした。昨年の2月から8月にかけての,地下水位上昇期における変位量の比較をしたところ1日ごとの変位量はよく一致し,高い相関性を示した。半年間の総変位量も計測器の測定誤差範囲内にあった。また,砂質土の圧密試験を実施したところ,10秒以内に1次圧密が終了し,全圧密量に対する2次圧密量の割合が高いことがわかった。 |
| (8)河川水中における農薬類の存在と生態影響評価 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:畠山成久
新潟県保健環境科学研究所:茨木 剛・小熊千佳子・川田邦明・坂井正昭 |
| 〔内 容〕 |
水田地帯を流下する信濃川と新川(いずれも新潟県)の下流定点において4月から9月まで週1回の採水をし,農薬類の詳細な分析を実施した(新潟県)。また,同じ水サンプルを用いて,セレナストルム(緑藻)の生長試験,ヌカエビ及びヨコエビの14日試験(死亡率)を実施し(本研究所),農薬類の汚染が水生生物へ及ぼす影響とその原因物質を検討した。両河川とも5月中旬をピークとして,数種除草剤によりセレナストルムの生長が阻害された。また,ヌカエビの死亡率も殺虫剤散布期に数回100%に達し,大河川の下流部においても,感受性の高い生物にとっては致死的な影響を及ぼすことを明らかにした。ヌカエビでは,しばしば高い死亡率が観察されたが,ヨコエビでは,高い死亡率は調査期間中1回だけ観察された。ヌカエビで最も高い死亡率が起こったときの河川水(新川,8月13日)では,フェニトロチオン(1.4ppb),フサライド(4.3ppb),イソプラチオラン(1.4ppb)など,空中散布に用いられた農薬が検出された。 |
| (9)廃棄物から発生する揮発性化合物類の同定と定量 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:安原昭夫
新潟県保健環境科学研究所:田辺顕子 |
| 〔内 容〕 |
廃棄物から大気系に放出される有機化合物を把握するために,細断した廃棄物をステンレスパイプに充てんし,加熱して発生した揮発性成分をGC/MSで分析した。プラスチック関連製品20種について分析した結果,フタル酸エステル類,芳香族炭化水素類及びn−アルカン類,ブチルヒドロキシトルエン(BHT)など24化合物を検出した。もとのプラスチック製品の化学組成と検出された化合物の間にはかなり高い相関が見られた。 |
| (10)有用生物と資源を活用した汚濁水域の水質浄化・リサイクル・修復エコシステムの開発 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:稲森悠平
東京都環境科学研究所:木村賢史 |
| 〔内 容〕 |
下水処理場から発生する余剰汚泥を焼結セラミックス加工した汚泥レンガを浄化接触材として活用するための評価を行った。その結果,内湾等の水域に敷設した自然石やコンクリート等と比較して貝類の付着能に優れ,高次生態系の構築効果とともに自浄作用の強化にも役立つことが明らかとなった。 |
| 〔発 表〕 |
b−81,89 |
| (11)有用生物と資源を活用した汚濁水域の水質浄化・リサイクル・修復エコシステムの開発 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:稲森悠平
岡山県環境保健センター:山本 淳 |
| 〔内 容〕 |
湖沼水質保全特別措置法の指定湖沼となっている児島湖の水環境修復手法として,嫌気好気循環プロセスにアルミニウム電解法をハイブリッド化した高度合併処理浄化槽の開発を行った。その結果,リン除去に有効とされる約2.7〜2.9mVの電圧に対して,100mAでリン除去率が50%以上となり,長期的かつ安定的にリンの除去を行う上では接触面積の確保と極性変位による生物膜付着制御が有効なことがわかった。 |
| 〔発 表〕 |
b−41,45, 69, 97 |
| (12)有用生物と資源を活用した汚濁水域の水質浄化・リサイクル・修復エコシステムの開発 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:稲森悠平
福井県環境科学センター:松崎雅之 |
| 〔内 容〕 |
富栄養化湖沼でアオコの発生する三方湖と,発生のみられない北潟湖の現象解明を行うことを目的に,水質およびプランクトン調査を行った。その結果,三方湖と比較して,動・植物プランクトンが豊富で優占種も多種存在する北潟湖では,とくに輪虫類の存在の有無がアオコの発生抑制に関与しており,このことより塩素イオン濃度に左右されることが明らかとなった。 |
| 〔発 表〕 |
b−24,25, 27, 99 |
| (13)自動車からの大気汚染物質発生量推定と大気環境質に及ぼす影響評価に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:若松伸司・田邊 潔・森口祐一
東京都環境科学研究所:泉川碩雄 |
| 〔内 容〕 |
実走行状態の自動車からの大気汚染発生量を推定するためのトンネル調査を共同で実施した。得られたデータを国内外の台上試験によるエミッションファクターと比較評価し,走行状態や車種構成の違いによる特徴を把握した。これとともに本研究所で試作した有害化学物質成分連続自動分析装置の実運転を東京都において実施し,環境データを把握した。 |
| 〔発 表〕 |
B−41,b−119〜121, 304, 305 |
| (14)環境中での農薬の分解消失に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
水土壌圏環境部:井上隆信
神奈川県環境科学センター:伏脇裕一 |
| 〔内 容〕 |
環境中においては,微量化学物質が通常の分析手法における検出限界以下においても生態系へ影響を与えている可能性もある。このため,生態系影響を評価するための高感度試験法として前年度に引き続き培養細胞試験法を河川水へ適用するとともに,ミジンコに対する毒性試験との比較を行った。農業排水路では,培養藻類の増殖阻害率とミジンコの死亡率がともに殺菌剤や殺虫剤が散布されている時期に高くなり,相関関係が見られた。 |
| 〔発 表〕 |
K−24,31 |
| (15)人工衛星データによる湖沼および湾のクロロフィルa濃度の推定手法に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
社会環境システム部:田村正行・清水 明・山形与志樹
横浜市環境科学研究所:水尾寛己 |
| 〔内 容〕 |
本研究では,日本の湖沼や湾でのクロロフィルa濃度を人工衛星データから推定する手法について検討する。本年度は,東京湾においてLANDSAT/TMデータと,衛星通過に同期して取得した水温,水質,透明度,クロロフィルa濃度との関係を統計的手法を用いて解析した。 |
| (17)東アジアの環境酸性化物質の物質収支解明のための大気・土壌総合化モデルと国際共同観測に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
地球環境研究グループ:村野健太郎
地球環境研究センター:畠山史郎
長野県衛生公害研究所:河原純一
奈良県衛生研究所:松本光弘
福岡県保健環境研究所:宇都宮彬
長崎県衛生公害研究所:釜谷 剛
鹿児島県環境センター:木山祐三郎
沖縄県衛生環境研究所:金城義勝 |
| 〔内 容〕 |
東アジアの環境酸性化物質の物質収支解明のための大気・土壌総合化モデルと国際共同観測に関する研究の一環として,地上観測を実施した。オゾン,二酸化イオウ,エアロゾル中のイオン種の測定を行った。また,乾性沈着量の測定のために,1〜2週間の捕集による大気汚染物質濃度の測定を行い,大気中のガス,粒子状成分の分布を明らかにし,乾性沈着量の算定を行った。 |
| (18)山岳地域におけるハロゲン化メチルの測定に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
化学環境部:横内陽子
長野県衛生公害研究所:薩摩林光 |
| 〔内 容〕 |
大気中のハロゲン化メチル(塩化メチル,臭化メチル,ヨウ化メチル)の分布・発生源に関するこれまでの観測研究はほとんどが海洋上あるいは沿岸域で実施されたものであり,内陸のデータは乏しい。そこで,1998年夏から長野県八方において大気の継続サンプリング(月2回)を実施して,ハロゲン化メチル濃度の測定を開始した。塩化メチルの平均濃度は600pptで外洋上の平均値550pptを上回っている。今後さらにデータを集積して,山岳地域における各ハロゲン化メチルの変動特性を解析する。 |
| (19)水域におけるトリハロメタン前駆物質の挙動に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:今井章雄
長野県衛生公害研究所:小沢秀明 |
| 〔内 容〕 |
水道水源となっている河川等の水域において水中のトリハロメタン等生成前駆物質の挙動を把握することは重要である。長野県千曲川中流域においてトリハロメタン生成能を中心に水質調査を行った。特に臭素化トリハロメタンの生成能の変動に注目した。結果,臭素イオン/溶存有機物比が臭素化トリハロメタンの生成の大きな因子であることが明らかとなった。 |
| (20)廃棄物埋立処分に起因する有害物質による環境影響評価に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
化学環境部:白石寛明・白石不二雄
長野県衛生公害研究所:笹井春雄・川又秀一・佐藤文子 |
| 〔内 容〕 |
埋立処分場から発生する有害物質の種類及び濃度,放出量を測定し,有害物質の処分場内での挙動を解析した。また,一般及び産業廃棄物処分場からの浸出水および処理水を季節的に採取し,微生物によるバイオアッセイ手法を用いて,急性毒性及び遺伝毒性のモニタリングを行ったところ,夏季の浸出水中には比較的強い遺伝毒性作用があることが示された。 |
| 〔発 表〕 |
d−18 |
| (21)衛星データを用いた植生分類における地形効果補正の有効性の検証 |
| 〔担当者〕 |
社会環境システム部:田村正行
長野県自然保護研究所:前河正昭 |
| 〔内 容〕 |
本研究は,長野県の各地の植生図をトレーニングデータとして用いて,植生分類における地形効果補正の有効性を検証することを目的とする。本年度は,長野県のLANDSAT/TMデータを取得するとともに,穂高町などで植生図作成のための調査を開始した。また,地理情報データとして,長野県全域の50mメッシュ標高図を整備し,ディジタル標高モデル作成の準備を行った。 |
| (22)微生物を利用した土壌汚染物質の浄化処理 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:矢木修身
名古屋市環境科学研究所:宇佐美義郎・榊原 靖・朝日教智・成瀬洋児・渡辺正雄・松井義雄 |
| 〔内 容〕 |
フタル酸エステル及びテトラクロロエチレン分解菌の検索を行った。テトラクロロエチレン汚染土壌集積培養液は,水飽和テトラクロロエチレン溶液を分解できた。フタル酸エステル分解菌の大量培養法を行い,フタル酸エステル汚染土壌への添加効果を調べた。分解菌の高濃度の添加により浄化効果が確認された。 |
| (23)地質要因のヒ素溶出に及ぼす影響解明 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:西川雅高
高槻市環境科学センター:鞍谷保之 |
| 〔内 容〕 |
高槻市周辺の地下水では,環境基準を上回るヒ素の溶出が認められる場合があった。その要因解析を追求した結果,地下水面の岩盤中に含まれるヒ素の溶出が原因とわかった。自然由来のヒ素汚染について,その溶出機構を解明するために検討を行った。 |
| (24)騒音苦情と土地利用の相関などに関する解析 |
| 〔担当者〕 |
社会環境システム部:大井 紘
大阪府公害監視センター:下元健二 |
| 〔内 容〕 |
大阪府の騒音公害苦情の発生件数を,人口密度に対する単位人口当たりの苦情発生件数の関係において検討した。市町村単位で集計するとばらつきが著しく,何ら傾向が認められないが,500メートルメッシュでの集計において,苦情発生件数は人口密度とは関係なくほぼ一定ないしは微減することを明示した。また,単位人口当たりの苦情発生件数の差違が,住宅床面積率や商工業床面積率で表される地域特性で説明できた。 |
| 〔発 表〕 |
c−3 |
| (25)有害化学物質による環境負荷の定量化とその影響の評価手法の検討 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:森口祐一・田邊 潔
大阪府公害監視センター:服部幸和・鎌田暁義 |
| 〔内 容〕 |
本共同研究は,環境中濃度の実測や数値モデルによる予測を用いて,有害化学物質に係る地域レベルの環境リスクの評価を試みるものである。本年度は,VOC(揮発性有機化合物)・有害大気汚染物質に関する研究会を筑波において開催し,情報交換を行った。また,大阪府下における有害大気汚染物質の定期測定結果をもとに,物質群ごとの主要発生源を考慮しながら,その濃度分布の特徴を把握し,発がんリスクの地理的分布を試算した。 |
| (26)環境有害化学物質としての界面活性剤の河川環境変化への影響 |
| 〔担当者〕 |
水土壌圏環境部:井上隆信
兵庫県立公害研究所:古武家善成 |
| 〔内 容〕 |
JISに公定法として示されているPOE型非イオン系界面活性剤の分析法であるCTAS法を改良した結果,5〜10倍の感度増加が得られた。この改良法を用いて兵庫県内の河川水中における非イオン系界面活性剤の濃度分布を調査したところ,CTAS濃度は0.1mg/lオーダーまでであり,MBAS濃度と比較して中〜低濃度に位置づけられた。CTAS/MBAS比は全体として0.2程度で,1980年代前半における比率に比べ高く,近年の非イオン系活性剤生産量の急激な増加の影響が示唆された。 |
| 〔発 表〕 |
K−24,32 |
| (27)山林域における水質形成と汚濁負荷流出過程に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
水土壌圏環境部:井上隆信
兵庫県立公害研究所:駒井幸雄 |
| 〔内 容〕 |
人為的汚染の影響の少ない近接する3つの山林小集水域を流れる渓流河川において調査を実施した。また,このうちの1地点で水位,pH,ECの自動観測装置を取り付けるとともに,降雨に伴う流量変化時に採水を行うための自動採水器も設置した。流量安定時の主要な水質成分の濃度変化は少なく安定していた。降雨時には,濃度の減少する成分が多かったが,硝酸態窒素等,逆に濃度の上昇が見られる成分もあった。 |
| 〔発 表〕 |
K−24,33, 34, g−9, 10 |
| (28)兵庫県南部地震に起因する栄養塩類の突発的負荷変動が大阪湾の生態系に及ぼす影響 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:木幡邦男
兵庫県立公害研究所:古城方和 |
| 〔内 容〕 |
兵庫県南部地震により流入汚濁負荷が増加して大阪湾水質の悪化が懸念された。そこで,突発的な栄養塩負荷の変動と,それにより引き起こされる生態系の変動を調査した。大阪湾の一測点では,溶存酸素とリン酸態リン濃度の鉛直分布に見られる季節変化に,底泥から水質への影響が認められた。このことは,夏季に大阪湾,播磨灘で採泥して求めた酸素消費速度と底泥からの栄養塩の溶出量を測定した結果,確認された。 |
| (29)藻類の異常発生機構に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:矢木修身
鳥取県衛生研究所:南條吉之 |
| 〔内 容〕 |
富栄養化の進行した湖山池における水の華の発生要因を明らかにするため,湖山池より分離したMicrocystisを用いて,湖水の藻類増殖制限物質と錯化容量について検討を加えた。ほとんどの時期において制限物質はEDTAのみか,EDTA,リン,窒素が同時に制限物質になっていた。錯化容量と藻類増殖の潜在能力とで高い相関関係が認められた。 |
| 〔発 表〕 |
K−24,33, 34, g−9, 10 |
| (30)難分解性化合物分解菌の検索及び特性に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
水土壌圏環境部:内山裕夫
岡山県環境保健センター:伊東清美 |
| 〔内 容〕 |
汚染土壌の集積培養により得られたテトラクロロエチレン分解混合培養微生物系を安定に継代培養するため,必要とされる因子の検討を行った。分解能の維持は高温滅菌土壌およびゼオライトの添加により保たれ,土壌の種類とは無関係で,酸処理で消失することから,土壌中の微量金属または細菌の住処となりうる土壌の微細表面構造であると推測された。 |
| 〔発 表〕 |
G−17,18 |
| (31)汚濁水域の地域有用資源を活用した水質浄化・リサイクル・修復システムの開発 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:稲森悠平
広島県保健環境センター:橋本敏子 |
| 〔内 容〕 |
生活排水の流入により汚濁した水路・池沼の汚濁負荷削減効果と同時に水辺環境修復効果を合わせ持つ水生植物植栽直接浄化法の検討を行った。その結果,栄養塩吸収能力に優れるシュロガヤツリを植栽する上で地域有用資源のカキ殻を加工したセラミックス担体を充てんすることで,飛躍的なリンおよび窒素の吸着がもたらされるとともに,シュロガヤツリの生長にも有効となりうることが明らかとなった。 |
| 〔発 表〕 |
b−89 |
| (32)酸性汚染物質による環境汚染に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
地球環境研究グループ:佐竹研一
福岡県保健環境研究所:永淵 修 |
| 〔内 容〕 |
本研究では特に北関東山岳地域に分布する二つの湖沼,赤城小沼,赤城大沼について湖底堆積物を採取し,炭素粒子を含む環境汚染物質の時系列変化の調査を行った。本年度は昨年の赤城小沼に引き続き赤城大沼についての炭素粒子蓄積時系列変化を行った。 |
| (33)リモートセンシング情報の特徴抽出による環境モニタリング |
| 〔担当者〕 |
社会環境システム部:田村正行
福岡県保健環境研究所:大久保彰人 |
| 〔内 容〕 |
本研究は,複合センサーの利用及び画像解析手法の面から,環境モニタリング情報のための特徴抽出を試みるものである。本年度は,衛星データによる広域土壌水分分布の推定手法について,検討を行った。 |
| (34)ヒ素等有害金属の地下水汚染機構の解明及びその浄化に関する研究 |
| 〔担当者〕 |
地域環境研究グループ:西川雅高
福岡県保健環境研究所:近藤紘之 |
| 〔内 容〕 |
福岡県では一部地域の地下水中にヒ素が高濃度で含まれていることがわかった。その主たる原因は,堆積層からのヒ素の自然溶出が原因であった。ヒ素の形態は,無機態三価と五価がほとんどであった。その低減化技術の検討を行い,凝集沈殿法,吸着剤処理法,膜ろ過法によって環境基準以下に浄化できることがわかった。 |
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