グローバルナビゲーション
(1)リスク評価のためのダイオキシンによる内分泌撹乱作用の解明
〔期 間〕 (2)微生物を活用する汚染土壌修復の基盤研究
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| 〔代表者〕 | ||
| 地域環境研究グループ | : | 矢木修身 |
| 〔分担者〕 | ||
| 地域環境研究グループ | : | 岩崎一弘・兜 眞徳・森田昌敏 |
| 水土壌圏環境部 | : | 内山裕夫・冨岡典子・ 向井 哲・服部浩之 |
〔期 間〕
平成8〜13年度(1996〜2001年度)
〔目 的〕
世界各地でトリクロロエチレン(TCE),テトラクロロエチレン(PCE)およびPCB等の有機塩素化合物や水銀,6価クロム等の重金属による土壌・地下水汚染が顕在化し大きな問題となっている。これらの汚染の浄化に,より安価でかつ無害化処理技術である微生物を活用して汚染を修復するバイオレメディエーション技術の開発が期待されている。本研究では,有機塩素化合物や重金属の中で問題となっているトリクロロエチレン,PCBや水銀等で汚染した土壌・地下水の修復をケーススタディとして取り上げ,バイオレメディエーション技術の実用化に際しブレークスルーすべき,(1)分解能強化微生物の開発 (2)土壌中における微生物の挙動解析 (3)微生物センサー機能を活用する有害物質モニタリング手法の開発 (4)分子生態学的手法を用いる生態影響評価システムの開発 (5)大型土壌・地下水シミュレータおよび現場における修復技術の適応性の評価,の5課題に関する基盤研究を実施する。
〔内 容〕
(1)分解能強化微生物の開発
汚染物質分解菌の探索・分離を行い,次いで分解酵素遺伝子の単離,機能解析を行い,これらの結果をもとに,遺伝子操作等により分解能強化微生物の開発を行う。汚染物質として,TCE,PCE,1,1,1−トリクロロエタン,PCB,水銀等に着目する。
(2)土壌中における微生物の挙動解析
土壌中の微生物DNAを直接抽出する方法を開発する。次いで,特異的なプライマーを用いて増幅,解析するPCR−MPN法による微生物の迅速計数法を開発し,土壌中での微生物の挙動解析を行う。
(3)微生物センサー機能を活用する有害物質モニタリング手法の開発
運動性を有する微生物は外界からの化学物質等の刺激に応答して,その物質に集積したり,忌避したりする性質を有することが明らかにされつつある。この運動性に着目し様々な細菌を選抜し,画像処理による迅速高感度毒性試験法を開発する。
(4)分子生態学的手法を用いる生態影響評システムの開発
生態系への影響評価方法として微生物生態系に着目し,特に,エネルギー代謝,窒素代謝に関する微生物相等に着目し,これらの微生物の種類と量を,培養法およびDNA法を活用して計数し,土壌生態系への影響を評価する。
(5)土壌・地下水シミュレーターにおける修復技術の適応性の評価
フラスコ・カラムレベルの基礎データを踏まえて,シミュレータを用いて,汚染物質,浄化微生物の消長を明らかにするとともに,汚染現場でのバイオレメディエーションの有効性と安全性を評価する手法を開発する。
〔備 考〕
| 共同研究グループ | : | 九州大学農学部・広島大学工学部・ 国立水俣病総合研究センター・ 株式会社荏原製作所 |
〔成 果〕
(1)分解能強化微生物の開発
1)トリクロロエチレン分解菌の分子育種:ビフェニル資化菌Pseudomonas
pseudoalcaligenes KF707株はPCBを分解できるが,分解能は,ビフェニルジオキシゲナーゼに由来し,本酵素は鉄・硫黄タンパク(bphA1,
bphA2)とフェレドキシン(bphA3)とフェレドキシン還元酵素(bphA4)の4つのサブユニットから構成されていた。一方,トルエン資化性菌のPseudomonas
putida F1株のトルエンジオキシゲナーゼは,todC1,todC2,
todB, todAから構成されている。この両酵素のサブユニット遺伝子を相互に置換して種々のハイブリッドを構築した。この遺伝子をKF707株の染色体に導入したKF70−D3株はビフェニル資化能を保持したまま,10ppmTCEを6時間で完全分解した。遺伝子をハイブリッドすることにより,両者にない新たな形質の発現が確認された。
2)水銀化合物分解菌の分離・同定
水俣湾海水,および水銀汚染のない対照地点等より計113株の水銀耐性細菌を分離した。水銀耐性の高い細菌を水俣湾35株,対照地点から10株の計45株を選び,水銀化合物に対する耐性を検討した。塩化第二水銀,塩化メチル水銀,塩化エチル水銀,酢酸フェニール水銀,パラクロロ安息香酸水銀,およびフルオレッセイン酢酸水銀を分解できる微生物が多数生息していることが判明した。ほとんどの細菌はグラム陰性の桿菌であった。次に,これら45株について各種のNaCl濃度およびpHにおける発育および塩化第二水銀の揮発化反応について検討した。いずれの細菌も,増殖至適NaCl濃度および至適pHで最も高い水銀還元能を示した。
(2)土壌中における微生物の挙動解析
土壌に添加した浄化微生物の生残,増殖に及ぼす土壌の性状および環境要因の影響を明らかにするため,P.putidaの土壌中での増殖に及ぼすグルコース,酵母エキス,稲ワラ及び汚泥等の各種有機物,さらに消石灰を添加しpHと水分の影響さらに菌の局在性について調べた。P.putidaは易分解性の有機態窒素の多い有機物を多く含み,pHが高く,やや湿った水分状態が最も生残に適していることが判明した。
(3)微生物センサー機能を活用する有害物質のモニタ リング手法の開発
多くの細菌にはベン毛があり,その基部にあるモーターを回転させて化学物質の濃度勾配を感知して,誘引物質に集積したり忌避物質から逃避したりする。そこで有害物質による回転運動の阻害を細胞運動の停止により検知する手法の開発を試みた。
(4)分子生態学的手法を用いる生態系影響評価システムの開発
バイオレメディエーションを実施した場合の生態系に与える影響を,微生物群集を解析するポピュレーションダイナミクスを活用した評価手法の開発を試みた。培養法による各種の土壌微生物の計数法について,より簡便で再現性のある方法の検討を行った。好気性一般従属栄養細菌,大腸菌群,タンパク質分解細菌,糸状菌,放線菌,フェノール資化性菌,メタノール資化性細菌,亜硝酸酸化細菌,アンモニア酸化細菌,メタン資化性細菌の計数法を改良した。これらの方法を用いてTCE汚染の土壌微生物数に与える影響評価を行った。好気性一般従属栄養細菌,タンパク質分解細菌,放線菌はTCEに対し影響を受けにくく,糸状菌,フェノール資化性菌,メタノール資化性菌,亜硝酸化細菌,アンモニア酸化細菌はより影響を受けやすい性質を有していた。重油の微生物生態系への影響を調べるため,ナホトカ号流出重油で汚染した三国サンセットビーチにおける微生物多様性を調べた。事故直後から重油を餌として微生物数が増加し,多様性が高くなったことから,重油により活発な生態系が作り出されたと考えられた。
(5)土壌・地下水シュミレーターおよび現場における修復技術の適応性の評価
1)バイオリアクターによる水銀除去
通気装置と撹拌・振盪装置を組み合わせた水銀除去バイオリアクターを設計し,腸内細菌のプラスミドNRI由来の水銀還元酵素遺伝子群(merオペロン)を組み込んだ組換え微生物を用いて水銀除去を行った。40ppmの塩化第二水銀を24時間で蒸留水から完全に除去できることが認められた。次いで,環境水中からの水銀除去能の評価を行い,土着の生物との相互作用あるいは懸濁物質への水銀吸着により除去が妨害されることが示された。さらに,土壌スラリー中からの水銀除去条件を検討し,チオールおよび塩化ナトリウムの添加が,土壌粒子に吸着した水銀の遊離に効果があることが認められ,添加した水銀の約70%が除去され,微生物による水銀汚染の浄化の可能性が示された。
2)M株を用いるバイオオーグメンテーション
M株を用いるバイオオーグメンテーションを実施する場合を想定して,土壌にM株菌体を添加し,土壌中でのM株の生残性・増殖性について検討を行った。土壌中濃度が107cells/g湿土となるように加え,気相のメタンガス濃度が3%となるようにし,28℃にて静置培養した。13日間培養を行うことにより生菌数は2.8×108cells/g湿土まで増加した。M株は土壌中で増殖が可能であった。
〔発 表〕B−169, b−110,114, 271, 272, 274,
275
| 〔代表者〕 | ||
| 地球環境研究グループ | : | 野尻幸宏 |
| 〔分担者〕 | ||
| 地球環境研究グループ | : | 向井人史 |
| 化学環境部 | : | 横内陽子 |
〔期 間〕
平成9〜14年度(1997〜2002年度)
〔目 的〕
本研究は,国際共同研究であるJGOFS(Joint Global Ocean
Flux Study)の枠組みの中で,北西太平洋高緯度海域の定点時系列観測を行う。高緯度海域の特徴である季節的な水温変化,混合層深度変化によってもたらされる海洋構造の変化を理解した上で,物質循環の季節変化の全体把握を行う。特に海域のCO2の交換(吸収・放出)にかかわる生物生産の規定要因を解明するために,炭酸系の精密観測,生物生産量と関連因子の解明に重点を置く。既存時系列観測である定期貨物船観測,衛星観測で得られる表面水情報と,このとき系列観測で得られる鉛直プロファイルの情報を総合解析することによって,季節的に変動する現象を正確に把握することができる。北太平洋では,亜寒帯のアラスカ湾(ステーションP,カナダ)と亜熱帯のハワイ(HOT,米国)の2点で時系列物質循環観測が継続されているが,我が国では外洋定点での時系列観測が行われていなかった。本研究課題によって,北緯44°,東経155°に定めた亜寒帯北西太平洋定点(KNOT:Kyodo
North pacific Ocean Time series)で観測を開始する。観測によって海洋物質循環の東西太平洋比較,亜寒帯・亜熱帯比較を行い,太平洋全域の物質循環理解を助ける結果を得ることを目的とする。
〔内 容〕
北西太平洋亜寒帯域では,CO2の吸収・放出に大きな季節変化があり,3月にはCO2分圧の最大値がみられCO2放出域として作用する。春の植物生産で無機炭酸が固定されCO2分圧は低下し吸収域に変わる。秋に最低値となった後,混合層深度が増し,無機炭酸の回帰で冬季のCO2分圧上昇が起こる。栄養塩類も,同様な季節変化を示す。これは,本研究所とカナダ海洋科学研究所の共同プロジェクトによる貨物船観測で確かめられた。東部太平洋ではCO2分圧,栄養塩類の季節振幅が比較的小さく,西部太平洋の生物生産性の高さを示している。この機構の解明には,表層に限られる商船による観測では不十分で,海洋の鉛直構造と関連物質の分布を計測することができる。研究船の観測が必要である。特に一定点での季節変化の観測は,その支配要因の解明のための重要な手法である。
本研究では,国内研究機関所属研究船の北西太平洋高緯度海域航海の中で,一定点で質の揃った化学・生物観測を行い,時系列的にデータを集めて解析する。前年度に構築した観測体制,観測機器を利用し,1998年6月からその本格的観測を開始した。
〔成 果〕
(1)定点時系列観測
北海道大学練習船「北星丸」により6月4日,26日,7月21日,8月13日,東海大学実習観測船「望星丸」により10月8日,14日,海洋科学技術センター観測船「みらい」により11月7日,12月11日の8回の本格観測を行った。短い場合1昼夜,長い場合は4日の定点保持を行い,その間表層から深層までの採水,漂流系での沈降粒子回収,漂流系での培養による1次生産測定,係留系設置回収,プランクトン試料採取,光学特性測定など,多くの項目の観測を行った。このうち,炭酸系(全炭酸,アルカリ度,CO2分圧),栄養塩,溶存酸素は,本プロジェクト担当者で厳密に精度管理した船上測定を行った。また,1次生産も統一された方法で本プロジェクト担当者が観測した。また,その他の観測船航海での定点来訪観測があり,データ交換を行った。
(2)炭酸系の観測
KNOT定点では,表層の全炭酸に,6月4日から8月13日の70日間4回の観測で,97μmol/kgの全炭酸の減少が見られたのに対し,アルカリ度は一定であった。ただし,6月26日は全炭酸がアルカリ度とも,経時変化トレンドの中では,低めの値であった。この6月26日の観測は,塩分・水温の検討から,亜寒帯前線が北に移動して亜熱帯系の海水に表層がおおわれたと考えた。KNOT定点は,通常亜寒帯系の表層水が支配的であるので,6月26日は時系列考察から外す方がよいと思われる。一方,10〜12月の観測では,全炭酸が増加を示し,12月11日の観測では,ほぼ6月4日の値まで回復した。
以上のことから次のことが考察された。6月から8月にかけては,表層海水での生物生産による炭素固定で,全炭酸が低下した。大気とのガス交換,水平的混合の効果が小さいという仮定をおくと,炭素固定量は183mgC/m2/dayとなる。一方,秋は鉛直混合の効果で亜表層海水から二酸化炭素が回帰する。
また,各観測船において,表層二酸化炭素分圧を測定した。6月から11月までは330〜350μatmでほぼ一定であったが,12月の観測では360〜70μatmまで上昇した。
(3)生物生産の観測
8回の観測のうち6回について,13C法による1次生産観測を行った。6月から8月は190〜290mgC/m2/dayであり,10月から12月は160〜110mgC/m2/dayに低下した。夏季の値は,炭酸から導かれる炭素固定とほぼ整合的であった。しかしながら,この1次生産は北太平洋の他の海域で従来から測定されてきた値より,低いものであった。この原因として,1次生産の測定開始が
6月26日からであり,春のブルーム期を捕らえられなかったことが考えられる。KNOT点でのクロロフィル量は,0.4〜0.5μg/lであったが,1次生産を測定できなかった6月4日に1.5μg/l存在した。
また,10月の望星丸航海では,期間中に表面海水の冷却と混合層が深くなるさまが観測された。亜表層からの栄養塩の回帰とその後に続く秋のブルームに相当する植物量の増加も見られた。この減少には,全炭酸と栄養塩の急激な低下も伴っていて,秋にも一時的に生物生産が高まることがわかった。
全炭酸,アルカリ度,二酸化炭素分圧のデータを総合し,KNOTステーションでの二酸化炭素収支と生物生産は,次のような季節性を考察した。最大の生物生産は5月から6月のブルーム期に起こる。6月下旬以降の生物生産は比較的小さくなるが,海域としては二酸化炭素吸収に働き続ける。一方,10月以降は,海水の冷却とともに鉛直混合するが,このときにブルームを伴うことがある。
1999年の観測時系列は,5月から8月にかけて,より密な時間間隔で行うことが予定されているので,この考察の確からしさを明らかにすることができる。
| 〔代表者〕 | ||
| 地域環境研究グループ | : | 稲森悠平 |
| 〔分担者〕 | ||
| 地域環境研究グループ | : | 水落元之・松重一夫 |
〔期 間〕
平成10年度(1998年度)
〔目 的〕
中国における湖沼のなかでも特に太湖流域は,経済発展速度が全国一であり,また農工業総生産高も全国の1/6〜1/7を占めており,ここ十数年の間,経済の急速な発展に伴い,生活排水等の未処理放流により,富栄養化が著しく進行し,飲料水源の確保もできない位の深刻な社会問題に発展してきている。このままの状況を放置することは極めて危険であり,とくに有毒微細藻類の産生する有毒物質ミクロキスチンの顕在化が懸念されていることから,環境衛生上一刻の猶予も許されない状況にある。また,平成9年11月の第2回日中環境フォーラムにおいて,中国太湖流域は科学研究を含む汚濁防止対策を強化する必要性があるとの日中双方の合意を得るに至っている。本研究ではこのような背景を鑑み,中国国家環境科学研究院をカウンターパートとして太湖をはじめとする富栄養化湖沼の有毒物質の実態調査,富栄養化の原因物質としての窒素,リンの効果的除去法としての水生植物や水耕栽培植物を活用した浄化手法を開発することにより安全な水資源の確保と健全な生態系の創造を可能とするための共同研究を実施する。
〔内 容〕
有毒微細藻類の実態調査および毒性物質の現存量評価を太湖,デンチ湖,アルハイ湖の3湖沼で行ったところ,3湖沼とも毒性物質ミクロキスチンを産生するMicrocystis
aeruginosaが観察され,とくに太湖とデンチ湖では本種が優占種となっており,湖面は緑色を呈していた。その他の有毒微細藻類としては,太湖およびデンチ湖でMicrocystis
viridis,アルハイ湖でAnabaena flos−aquae,Aphanizomenon
flos−aquaeなどが観察され,計4種類の有毒微細藻類が確認された。これら藻類の産生する毒性物質の分析によると,全水域で有毒物質ミクロキスチンが検出され,とくに無錫市のある太湖北部,昆明市に近い草海およびデンチ湖北部ではWHOが飲料水質ガイドラインに位置づけているミクロキスチンLRの現存量が高く,それぞれ3,625μg/l,3,324μg/l,2,474μg/lと高い濃度が検出され,WHOが定めるミクロキスチンLRの基準値が1μg/lであることを考えると,これらの値は極めて高濃度であることから緊急な有毒微細藻類増殖抑制化対策が必要であることが裏付けられた。
なお,富栄養化湖沼で,窒素・リン除去能を有する有用な水生植物の探索を行ったところ,沈水植物のササバモが,大量のアオコの発生している水域で繁茂していることが明らかとなった。また,本種をはじめとする沈水植物は,ミジンコなどの動物プランクトンやツリガネムシなどの付着性微小動物の現存量を高めており,湖水の透明度を高めるうえで大きな役割を担っていることも明らかとなった。
さらに,水生植物としてのヨシやガマ等に替わる有価物としての回収可能な水耕栽培植物を探索したところ,クウシンサイが浄化能に優れ,かつ有価物としての価値が高いことが明らかとなった。また,水耕生物ろ過法を用いた浄化システムは栄養塩類の除去速度が湿地による浄化方式などに比べて高いことも明らかとなった。
〔発 表〕
K−10,11, B−26, b−21, 24〜27, 64, 65,
85, 92, 99
| 〔代表者〕 | ||
| 名古屋大学 | : | 福井康雄 |
| 〔分担者〕 | ||
| 大気圏環境部 | : | 中根英昭・長浜智生* |
| 地球環境研究グループ | 秋吉英治 | |
| (*科学技術特別研究員) |
〔期 間〕
平成9〜14年度(1997〜2002年度)
〔目 的〕
オゾン層破壊の原因を明らかにするためには,オゾン及びオゾン層破壊の証拠物質であるClOの高度分布を測定することが必要である。ミリ波分光計はオゾンとClOの両分子を測ることのできる装置である。本研究は,200GHz帯のミリ波分光計を開発し,これを南米チリに設置して観測を行うとともに,観測データを用いて,南極オゾンホールとの関係等,オゾン及びオゾン層破壊物質の動態解明とモデル化を行うことを目的とする。
〔内 容〕
本研究は次の3つのサブテーマから構成されている。
(1)大気微量分子高度分布測定システムの開発
(2)エアロゾル変動の解析とモデル化
(3)オゾン・ClO変動の解析とモデル化
本研究所が担当しているサブテーマ(3)では,3次元気象データ上で走る流跡線上ではしる光化学モデルを改良し,液体極域成層圏雲を介した不均一反応を組み込み,従来のモデルとの比較を行った。
〔発 表〕f−66
| 〔代表者〕 | ||
| 筑波大学 | : | 前川孝昭 |
| 〔分担者〕 | ||
| 地域環境研究グループ | : | 稲森悠平 |
〔期 間〕
平成8〜12年度(1996〜2000年度)
〔目 的〕
水環境修復に貢献する微生物としては,有用な機能を持つ細菌,菌類,原生動物,微小後生動物が重要な位置付けにある。これらの有用微生物は,生物・物理・化学的因子との相互作用系の中で,汚濁物質の分解,水の透明化,バイオマスの減量化,窒素・リンの除去等に関与している。水環境修復を効率よく行うためには,有用微生物,とくに有用微小後生動物をバイオリアクターに高密度に定着させることが有効と考えられている。しかし,実際のバイオリアクター中で,微小後生動物は細菌や原生動物と比較し,比増殖速度がかなり低いためにその密度を高めることが困難となる場合が多い。このため,生物・物理・化学的因子の制御による微生物細胞の活性化・機能強化の重要な一環として,有用微生物の大量培養および長期的保存を行い,排水処理等の浄化プロセスに定着化させる手法を開発する必要がある。そこで本研究では,微小後生動物に着目し,大型培養槽を用いた大量培養を行うことを目的とし,低コストかつ増殖に有利である培地の選択,および乾燥,凍結による長期保存法について検討を行った。
〔内 容〕
供試培地としてクロレラ,粉末酵母,油脂酵母,洗米排水を用いてスクリーニング試験を行ったところ,油脂酵母,洗米排水を用いた系において高い増殖がみられた。しかし,油脂酵母を用いた場合,収縮した個体が多く,個体数密度は高まるものの,活性は低いものと考えられた。一方,洗米排水を用いた場合,個体数密度が高まった状態でもほぼすべての個体が遊泳または繊毛環を動かし活発に捕食活動をしていることから,培地として用いるには洗米排水または米関連物質を培地として用いることが適当であることがわかった。そこで米関連物質として上新粉,破砕米,米糠を培地として培養し,モデル式を用いることによって最大個体数(環境収容力)および増殖速度(内的自然増加率)より評価を行った。その結果,単位培地あたりの輪虫類増加量は上新粉,破砕米,米糠でそれぞれ0.84,1.55,1.71N/mgであった。また,内的自然増加率についてみると上新粉,破砕米,米糠でそれぞれ0.52,0.65,0.84/dayであったことから輪虫類の大量培養のための培地としては米糠を用いることが適正であると考えられた。さらに大量培養された輪虫類の凍結または乾
燥による長期保存に着目し,凍結法は輪虫類の培養液に凍結保護物質としてDMSOまたはグリセロールを濃度を変えて用い,−1℃/minで−30℃まで冷却後,液体窒素中で−196℃まで冷却を行う方法と,−20および−80℃のディープフリーザーを用いた簡易方法について,また,乾燥法は輪虫類の培養液を米のもみ殻,小麦ふすま,米糠を保持担体として30℃のデシケーター内で乾燥を行った。その結果,凍結法では最大で80%,乾燥法では50%の再生率が得られたが,費用,保存後の管理の面から乾燥保存法を用いることが実用的であるものと考えられた。
〔発 表〕
B−26,b−53〜55, 93, 94
@個別充電方式との比較評価
| 〔担当者〕 | ||
| 地域環境研究グループ | : | 近藤美則 |
| NEDO | : | 河上清源 |
〔期 間〕
平成9〜10年度(1997〜1998年度)
〔目 的〕
地球温暖化に代表される地球環境および自動車排気ガスによる大気汚染等の地域環境の改善には,電気自動車が非常に有効であり,そのための研究・開発が官・民を問わず進められている。ところが,電気自動車に搭載した組電池間のアンバランスにより,実際の利用時における動力性能が公称能力をはるかに下回ることが明らかになってきている。組電池としての性能と寿命を向上させる手法として,単電池(12Vモジュール)ごとに管理用の測定モジュールや小型充電器を装着するシステムが提案され,最近の電気自動車に多く採用されているが,高電圧化する最新の電気自動車においてはシステムが複雑となり故障の原因や設置場所の点で問題がある。また,電池状態を常に均等に保つには,単電池ごとに電池状態を管理するのではなく,単電池のセルごとに管理をするのが理想である。
本研究では,(1)実用型のセル単位での監視が可能なセル監視式電池管理システムの開発 (2)セル監視式管理システムの量産電池への組み込み時の技術基準の抽出 (3)車両用組電池にセル監視式電池管理システムを採用した際の運用基準の確立によって組電池内に生じるアンバランスを解消し,電気自動車用電池の利用効率を大幅に向上させる技術を確立する。同時に,電気自動車の使い勝手を大きく左右する電池の残存容量表示計の信頼性向上をはかる。これらを通して,実用時の組電池の性能を電池単体の公称能力に近づけることを目的とする。本研究所の分担は上記の(3)である。
〔内 容〕
個別充電方式による電池管理方法を採用した小型高性能電気自動車エコビークルの電池及び管理システム部分を,セル監視式電池管理システムを組み込んだ電池およびその管理システムに置換した状態でエコビークルの試用試験,シャシダイナモメータ上での都市内走行模擬試験を行い,個別充電方式およびセル監視式の電池管理システムの比較評価ならびにセル監視式電池管理システムの運用基準を求める。本年度は前年度製作したセル監視式システムと個別充電方式による充電試験を行い,充電方式の違いによる電池電圧の特性を検討した。セル監視式のシリーズ充電としては,定電流・定電圧による普通充電および急速充電を行うとともに,回復充電による効果の検討も行った。以下に研究成果を示す。
1)普通充電によるシリーズ充電においては,セル電圧を監視することで過充電を抑制でき,さらに充電終期の均等充電によりほぼ完璧な充電ができた。
2)急速充電は,回復充電との組み合わせにより,短時間で効果的な充電ができた。
3)放電試験においては,放電末期までモジュール電圧のアンバランスが少なく,モジュールのセル電圧も安定状態であった。
4)個別充電方式においては,個々の充電器や周囲の計測器からのノイズによる誤動作によりモジュールごとにアンバランスが生じた。その結果,放電末期に充電不足の電池が過放電状態となり,セル電圧にアンバランスが生じた。
5)個別充電方式による結果は,個別充電方式の欠陥ではなく,セル監視式との比較のために電池を収納空間から取り出して行った実験環境によると考えられる。一方,同条件下でもセル監視式では安定した充電ができた。
6)すなわち,シリーズ充電方式においても,各モジュール内のセル電圧・温度を監視することにより十分実用的なシステムが可能なことが明らかとなった。
(備考)
通商産業省工業技術院機械技術研究所エネルギー部エネルギー利用技術研究室長清水健一氏提案の研究課題の分担課題であり,日本電池(株)よりNEDOへ出向,そのNEDOから研究所へ派遣されている河上清源氏との共同研究である。
〔発 表〕b−142〜147
| 〔代表者〕 | ||
| 東北大学 | : | 須藤隆一 |
| 〔分担者〕 | ||
| 地域環境研究グループ | : | 稲森悠平・水落元之 |
| 生物圏環境部 | : | 渡邉 信 |
| 化学環境部 | : | 彼谷邦光 |
| 水土壌圏環境部 | : | 徐 開欽 |
〔期 間〕
平成9〜14年度(1997〜2002年度)
〔目 的〕
人間活動に由来する生活排水などに含有されて湖に排出される窒素,リンによって,霞ヶ浦をはじめとする貴重な水資源である湖沼の富栄養化が進行している。この抜本的な対策として,BOD10mg/l以下,SS
10mg/l以下,T−N10mg/l以下,T−P0.5mg/l以下の処理能力を有する高度合併処理浄化槽の開発と普及および汚濁河川・水路の物理化学的手法と生態工学手法を活用したハイブリッド型直接的浄化技術の確立を目的として研究を推進することとしている。
〔内 容〕
多孔質セラミックス担体を充填した嫌気−好気生物膜法およびジルコニウムを素材とする吸着剤を用いた吸着脱リン法が汚濁河川・水路水の高度処理およびリンの資源回収が可能であることから,循環型社会の構築に効果的であることがわかった。また,水生植物栽培水路を使った浄化において,成長速度の高いオオフサモの浄化能力が最も高く,このような水生植物の活用をシステム化することの重要性が明らかとなった。
〔発 表〕B−25,G−1〜3, b−31, 33, 38, 39,
49, 50, 53, 55, 56, 61, 67, 72, 84, 91, g−1
| 〔代表者〕 | ||
| 生物圏環境部 | : | 大政謙次 |
| 〔分担者〕 | ||
| 生物圏環境部 | : | 戸部和夫 |
| 地球環境研究センター | : | 清水英幸 |
〔期 間〕
平成7〜10年度(1995〜1998年度)
〔目 的〕
都市大気中には様々な有機汚染物質が放出されており,これらの物質の長期暴露による人間の健康や生態系への影響が懸念されている。一方,植物は,葉面の気孔を通じて多くの大気汚染物質を吸収することが知られているが,大気中の有機汚染物質を吸収するか否かについては明らかにされていない。そこで,植物にいくつかの有機汚染物質を暴露し,植物葉によるこれらの物質の浄化能を検討する。
〔内 容〕
7種類の有機汚染物質をポプラおよびサザンカに暴露し,植物葉によるこれらの物質の吸収を調べた。その結果,植物葉は,メチルエチルケトンおよびアクロレインの2物質に対し,気孔を介しての吸収を示したが,ベンゼンやアセトンなどの他の5物質に対しては吸収を示さなかった。植物葉による有機汚染物質の吸収の可否は,葉内でのこれらの物質の代謝の可否に関連性があることが推察された。
〔発 表〕H−7
| 〔代表者〕 | ||
| 地球環境研究センター | : | 一ノ瀬俊明 |
〔期 間〕
平成8〜12年度(1996〜2000年)
〔目 的〕
都市の人工排熱を通じ,人間活動が都市の熱環境に与えるインパクトを正確に評価し,都市構造及び人間活動の制御がどの程度こうしたインパクトを軽減しうるのかを定量的に明らかにするため,地表面境界条件の重要な要素である都市人工排熱や土地利用・地表面物性の詳細なデータを作成し,ヒートアイランドや大気汚染現象の数値シミュレーションに反映させる。
〔内 容〕
バンコクにおいて,市内各地に展開させた自動気象観測網データの分析を進めるとともに,タワーゾンデによるヒートアイランド鉛直構造の観測を行った。バンコクの都心に位置するチュラロンコン大学スタジアム,郊外のアジア工科大学院グラウンド等数地点での気温と湿度の鉛直観測を通じ,都市上空で大気が加熱され,風下に熱が輸送される様子が明らかにされた。
| 〔代表者〕 | ||
| 学習院大学 | : | 岩田規久男 |
| 〔分担者〕 | ||
| 社会環境システム部 | : | 日引 聡 |
〔期 間〕
平成9〜14年度(1997〜2002年度)
〔目 的〕
本研究では,時系列データを用いて,輸送需要に関する計量経済モデルを構築し,以下の点について分析することを目的としている。
@貨物輸送における輸送分担率変化の要因分析
A輸送モード間の代替弾力性の推計
B炭素税の導入による,自動車から鉄道,または海運へのモーダルシフトの効果及び輸送部門からの二酸化炭素排出量削減効果の推計
〔内 容〕
貨物輸送サービス需要に関する従来研究のレビューに基づいて,新たな理論モデルを構築し,すでに収集したデータを用いて,モデル式のパラメータを推計し,計量モデルを構築した。さらに,このモデルを用いて,炭素税を導入したときの,モーダルシフトの効果及び貨物輸送部門からの二酸化炭素排出量削減効果を推計した。
| 〔代表者〕 | ||
| 自然医科大学 | : | 香山不二雄 |
| 〔分担者〕 | ||
| 地域環境研究グループ | : | 平野靖史郎 |
〔期 間〕
平成10〜14年度(1998〜2002年度)
〔目 的〕
現代文明社会を支えている人工の化学物質の中には,生物の内分泌系を撹乱することにより生殖,内分泌,免疫,神経系に重大な悪影響を与える化学物質があることが明らかとなってきた。ほ乳類以外の野生生物では,因果関係が明らかな例がいくつか報告されているが,まだ人では内分泌撹乱化学物質の健康影響は明らかになっていない。内分泌撹乱化学物質の人の健康および生態系へのリスク評価を行うことは現時点の急務である。本研究では,内分泌撹乱化学物質の影響評価に,影響を与える植物エストロジェン(phytoestrogen)と人工の内分泌撹乱物質との相互作用をin
vitro,in vivoの系を用いて評価する。in vitro検査では乳がん細胞株MCF−7またはリンパ球系細胞,骨組織由来細胞を用いて,植物エストロジェンおよび人工内分泌撹乱化学物質の影響の差および相互作用について,さらにその作用機序に関する研究を行う。in
vivoの系では,胎児期の両物質群の暴露が免疫系の発育や骨代謝バランスにどのような影響を起こすのか検討を行う。
〔内 容〕
in vitroの系である酵母に人エストロジェン・レセプターを組み込んだ評価系と,乳がん細胞株MCF−7細胞の評価系とを比較検討した結果,MCF−7細胞のアッセイ系の方が感度がよいことが明らかとなった。この実験研究においてゲネスティンなどの種々の植物エストロジェンも評価したところ,かなり高いエストロジェン作用をもつ物質の存在が明らかとなってきた。また,骨芽細胞を用いてエストロジェンに対する細胞の増殖能を測定した。さらに,骨芽細胞の増殖時において,グリセロホスフェート存在下,カルシウムや亜鉛の取り込みが上昇することを明らかにした。
| 〔代表者〕 | ||
| 九州大学 | : | 鵜野伊津志 |
| 〔分担者〕 | ||
| 大気圏環境部 | : | 江守正多・菅田誠治 |
〔期 間〕
平成10〜13年度(1998〜2001年度)
〔目 的〕
東アジア地域の大気環境予測は,土地利用の改変や植生変化に伴う地域気候変化のほかに,中国等の発展途上国の急速な経済発展による汚染物質排出量の増大に伴う越境大気汚染(酸性雨)の影響の重要性が指摘されている。そのため,我が国を含めた地域の詳細な大気環境予測・評価のための研究開発が必要であり,大気中微量成分の空間分布・時間変化を示す「化学天気予報図」等を作成することが重要である。本研究では地域気候・気象モデルによる東アジア域の気候・気象変動解析と対流圏物質輸送モデリングを高速ネットワークを用いて複数の機関が密接にデータ交換しつつ並列に進め,その結果をもとに「化学天気予報図」の作成と可視化を行うことを目的とする。
〔内 容〕
地域気象モデリングシステムCSU−RAMSを基にして,地域気象モデルを高速で実行するための並列計算の最適な手法を検討した。また,上記モデルを実際に並列計算機上で実行し,実行速度のテストを行った。地域気象モデルの最適並列化により,高精度の気象モデルを長期間実行することが可能になり,大気環境予測の高精度化,気候の時間スケールでの大気環境変動の解析へとつながることが期待される。
また,地域気象モデルと物質輸送モデルの間のネットワークデータ転送の効率化を目的として,データ処理・可視化ツールの共通化などの手法の検討を行った。高速ネットワークシステムの利用効率化により,気象・気候変動解析と対流圏物質循環モデリングを複数の機関で分散して効率的に実行する手法が確立されることが期待される。
〔発 表〕f−11
| 〔代表者〕 | ||
| 東京理科大学 | : | 高木幹雄 |
| 〔分担者〕 | ||
| 社会環境システム部 | : | 田村正行 |
〔期 間〕
平成10〜13年度(1998〜2001年度)
〔目 的〕
本研究では,NOAA衛星とGMS衛星の受信局を高速ネットワークで結ぶことにより,AVHRR及びVISSRデータをサイバースペース上に集積し,陸域,海域,大気域の科学的なデータセットを作成することを目的とする。AVHRRデータからは,最新の物理量推定アルゴリズムを用いた高速大容量データ処理を行い,毎日の植生指数分布図と海面水温分布図を空間分解能1kmで作成する。また,VISSRデータにより1時間ごとの雲分布図を作成し,AVHRR解析結果と組み合わせることにより,アジア地域における環境の長期広域変動を予測する。
〔内 容〕
本研究所と東京大学生産技術研究所およびタイ国アジア工科大学をネットワークで結び相互にNOAA衛星データを交換することのできる体制を整備した。NOAA衛星のAVHRRデータに放射補正および幾何補正処理を施し,さらに雲除去処理を行った上で植生指数分布図を作成するアルゴリズムを開発した。また,地形補正および大気補正処理を行うことにより,さらに高精度に植生指数を計算する手法について検討を行った。
〔発 表〕C−21
| 〔代表者〕 | ||
| 北海道大学 | : | 福田正己 |
| 〔分担者〕 | ||
| 地球環境研究センター | : | 井上 元 |
〔期 間〕
平成10〜15年度(1998〜2003年度)
〔目 的〕
シベリアの永久凍土は夏季には融解するので南部においては森林,北極域では潅木の混じった草地が存在する。森林は日光が地面に直達するのを妨げ凍土の融解を防いでおり,凍土は融解で生じた水や降雨の地下浸透を妨げ,少ない雨量でも植物に水分を供給する。この森林が火災で焼失した場合,永久凍土の融解が進行し森林と凍土の共生関係が崩壊し,また,火災に伴う二酸化炭素,炭化水素,一酸化炭素の放出は大気環境に大きなインパクトを与える。これらのプロセスを明らかにするフィールド研究を行う。
〔内 容〕
平成10年度は火災時の大気微量成分の放出量を測定する目的で,観測用の模型飛行機システムの改良試験を行った。森林火災時の大気微量成分の発生を定量的に測定するには,航空機などを利用してプルームの断面の濃度分布と,その風速分布を測定する必要がある。火災による熱対流は直ぐに消散し,プルームを輸送するのは一般の水平風であり,気象ゾンデで観測できる。一般の有人飛行は危険を伴うので,ここではGPSを利用した無人飛行を目的とした観測方式を開発することとした。また,多数の測定機器を搭載するためには無人模型飛行機のペイロードを増やすための改造を必要とするので,ペイロードの増加に対する無人模型飛行機の飛行性能を調査した。
既存のGPS制御自動飛行が可能なハングライダー型の模型飛行機“カイトプレーン”を購入し,ペイロードを増やすための改造を行った。従来のエンジンは排気量50mLで有るところを,新たに75mLのエンジンとした。また,翼の後退角を大きくし翼の面積を増加させ,ペイロード3.5kgで高度3,000mまで到達させることができた。またGPSによるナビゲーションシステムで精度30mで事前に入力した地点を通過して帰還できることが証明された。
| 〔代表者〕 | ||
| 通産省工業技術院機械技術研究所 | : | 恩田昌彦 |
| 〔分担者〕 | ||
| 地球環境研究センタ | : | 井上 元 |
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