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海洋開発および地球科学技術調査研究促進費による研究


1 地球科学技術特定調査研究


(1)地球温暖化の原因物質の全球的挙動とその影響等に関する観測研究

 (1)エアロゾルの大気中濃度・組成の変動に関する観測的研究−陸上からの観測的研究

〔担当者〕

大気圏環境部 杉本伸夫・松井一郎

〔期 間〕
平成2〜11年度(1990〜1999年度)

〔目 的〕
気候モデルへの入力や検証用データとして利用するためのエアロゾルの分布モデルを構築することを目的として,地上設置レーザーレーダー(ライダー)による対流圏および成層圏のエアロゾルの長期的な観測を実施する。

〔内 容〕
小型レーザーレーダー等により対流圏エアロゾルの観測を継続し,エアロゾルの消散係数の鉛直プロファイルの時間変化を観測した。また,高スペクトル分解レーザーレーダーを用いてエアロゾルの光学パラメータ(消散係数および消散係数対後方散乱係数比)を定量的に測定した。これらのデータを用いてつくば上空のエアロゾル分布の気候学的解析を行った。一方,地球的規模のエアロゾルの分布を把握するために海洋地球研究船「みらい」を用いた観測を約40日間にわたって実施した。また,インドネシアにおけるレーザーレーダー観測データを用いた解析を行った。
〔発 表〕F−21〜24,27, 48, 49, f−30, 31, 33, 34,39〜41, 102, 103, 105〜108


(2)エルニーニョ南方振動の機構解明とその影響に関する研究

(1)ENSOに伴う熱帯対流活動の変化に関する研究

〔担当者〕

大気圏環境部 高薮 縁・江守正多・
野沢 徹・神沢 博

〔期 間〕
平成6〜10年度(1994〜1998年度)

〔目 的〕
熱帯対流活動の大規模(数千km)組織化の特徴がエルニーニョ南方振動(ENSO)に伴いどのように変化するかを明らかにする。さらにこのような対流雲擾乱の特徴の変化が大規模大気−海洋相互作用に,どのようなフィードバックをもたらすかを調べる。
 熱帯海洋上の雲・降水量の平均的分布の大部分は,組織化した移動性の対流活動によることがGATE研究や太平洋上の偏東風波動研究等によって知られている。しかし,ENSOに代表されるような長周期の自然変動と移動性擾乱との相互関係については,未だ明らかになっていない。
 ここでは,蓄積された衛星データを利用して移動性の雲−大気擾乱を総合的・統計的に解析し,気候値およびENSOに伴う変化を解明する。また,TOGA−COAREのような総合的観測デ−タおよび数値モデルを利用し,移動性擾乱とENSOとの相互関係について知見を得ることを目指す。

〔内 容〕
今世紀最大規模であった1997〜98年のエルニーニョの急速な終息が1998年5月に赤道域を東進した地球規模スケールの移動性熱帯降水システム(Madden−Julian振動:MJO)によってもたらされたことを示した。解析には熱帯降雨観測衛星(TRMM)のマイクロ波放射計による海面水温分布データ,スペシャルセンサーマイクロ波放射計(SSM/I)による降雨データ,ECMWF(欧州中期気象予報センター)客観解析解析データを用いた。MJOの降水域は通常,インド洋〜中西部太平洋でのみ観測されるが,この研究で,1998年5月のほぼ1ヵ月には赤道全域を一周したことを発見した。コンポジット解析の結果,このMJOシステムは,全球の東西波長1(40,000km)の力学構造を持ち,対流圏下層でKelvin波と呼ばれる東西風にのみ現れる擾乱構造を持っていことがわかった。この東西風擾乱と平均風との重ね合わせにより,降水域の東側において東風が強められ,赤道湧昇を加速したため,エルニーニョの急速な終了がもたらされたことが示された。過去の研究で,エルニーニョの発生については,MJOに伴う西風バーストが引き金になるとい う例が示されていたが,エルニーニョ終了についてのMJOシステムの効果を具体的に示したのは本研究が初めてである。
〔発 表〕f−48, 52〜55


2 地球環境遠隔探査技術等の研究


(1)月掩蔽法大気周縁分光計に関する研究

〔担当者〕

地球環境研究グループ 鈴木 睦・笹野泰弘・中島英彰
地球環境研究センター 横田達也
大気圏環境部 神沢 博

〔期 間〕
平成8〜10年度(1996〜1998年度)

〔目 的〕
環境庁の衛星センサー,ILAS・ILAS−II は太陽掩蔽方式大気周縁分光計であり,赤外分光器として極めて小型ながらも,高い観測精度・鉛直分解能,幅広い観測対象を特徴とする。しかし観測原理上,観測地理領域が衛星軌道により制約され,ADEOSからは極域に特化した観測しか行えない。掩蔽法観測では,月・恒星等も光源とすることが可能であり,近赤外域での月掩蔽法により,ILASでは観測できない極夜の内部領域や全球的観測が可能になると考えられる。そのための観測原理の検討から,実際的な装置の試作と,地上試験による実証を行う。

〔内 容〕
本研究課題最終年度となる本年度は,小型FTIR(BOMEM社MB160)とペルチエ素子冷却InGaAs検出器を用い,太陽光の月表面および地球大気による散乱光を光源とした温室効果気体の地上観測を実施した。その結果,CO2,H2O,CH4の吸収スペクトルが1.5〜1.9μm波長域で測定可能であることを確認した。このことにより,人工衛星軌道からの周縁散乱光を利用することで,温室効果気体のグローバル観測が可能となることを実証した。
 また,単一散乱を仮定したフォーワードモデルを作成し,リトリーバルのシミュレーションを行った。その結果,月光を光源に用いたときに想定される観測可能化学種などの検討を行った。また,実際に搭載する衛星の軌道についても検討を行った。
〔発 表〕A−37, 47, 48, a−49

 


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