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研究者に聞く!!

写真:中根英昭/審議役(アジア等国際連携担当)

中根英昭/審議役(アジア等国際連携担当)

国立環境研究所では、これまでアジアを対象にした数多くの研究を行ってきました。1990年頃に始められたアジア環境研究では、持続可能な社会を実現するためのさまざまな研究が行われてきました。特に、2006〜2010年度の中期計画では、「アジア自然共生研究プログラム」が推進され、多くの成果をあげました。今回は、国立環境研究所審議役の中根英昭さんに、アジア環境研究の過去、現在、今後の方向性についてお話をうかがいました。

アジアをフィールドに持続可能な社会を研究する

1: オゾン層の研究から始まった海外の研究者との交流

Q: まず、これまでの研究歴についてお話ください。

中根:高校の時の物理や化学の授業で、世の中でばらばらに起こっていることも深くとらえるとみなつながっていて、統一的に説明ができることに深く感銘し、大学では物理化学を専攻して、レーザーを使って研究をしていました。そのこともあって、国立公害研究所(現国立環境研究所)に入所し、レーザーレーダーを使って大気汚染を研究している大気物理研究室で研究を始めたのです。その後、国立環境研究所(以下、「国環研」)が地球環境問題に積極的に取り組むことになりまして、私たちの研究室では成層圏オゾンの高度分布をレーザーレーダーで観測することになりました(図1)。1990年には大きなプロジェクトが始まり、私は成層圏オゾンの研究のプロジェクトリーダーになりました。

Q: 成層圏オゾンはどこで観測したのですか。

中根:国環研の敷地の中です。1988年ですね。その頃から、世界中で地上からの成層圏オゾンやオゾン層破壊に関わる物質の観測を行う研究機関が増えました。成層圏オゾンの変化がオゾン層破壊物質の増加によって起こっていることを観測によって裏付けようという試みです。1991年には、「成層圏変化検出のためのネットワーク(NDSC)」という国際的なネットワークが結成されました。私は設立当初からほとんど毎年運営委員会に参加しました。これが、海外の人たちと一緒に研究を始めたきっかけでした。その頃から国環研でも、様々な海外での観測や調査が始まりました。シベリアの二酸化炭素やメタンの大規模な観測も行われました。これがきっかけで、私たちはロシアの研究者と共同で、1995年から東シベリアのヤクーツクで気球を上げてオゾンの観測を行いました。欧州の観測所でオゾン濃度を測った成層圏の空気がヤクーツクの上空にやってくることが予報されると、気球を上げてもう一度オゾン濃度を観測し、空気の移動中にどれだけオゾンが破壊されたかを測るのです。この観測は「MATCH」と呼ばれましたが、欧州の北極オゾン層破壊研究プロ ジェクトとの共同研究として、約10年続きました。

Q: 地球環境問題では海外の研究者と一緒に研究することがどうしても必要になりますね。

中根:そうですね。その後、オゾン層研究プロジェクトのとりまとめは後任の方にお願いしまして、2002年7月にスタートした温室効果ガスインベントリオフィスのマネジャーに就任しました。「インベントリ」は「目録」という意味で、要するに日本国が排出する二酸化炭素などの温室効果ガスの毎年の排出量です。京都議定書の基礎となる目録ですので責任の重い仕事です。これをとりまとめるオフィスで、略してGIOと呼んでいます。ただ、日本を含む先進国の排出量だけでは世界中の温室効果ガスの排出はわかりません。そこで、環境省の事業の一環として、アジアの国々でも正確なインベントリを作れるように支援するためのワークショップを始めたのです。それからもう1つ、アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)の能力向上プロジェクトを行うことになり、タイやカンボジアの方たちのトレーニングや温室効果ガス排出インベントリを作るための現地での実際の測定を始めました。これが、私がアジアの方たちと一緒に仕事をするようになったきっかけです。

レーザーレーダーは「電波の代わりに光を使ったレーダー」です。光(light)を使っているので、ライダーとも呼ばれます。パラボラアンテナの代わりに望遠鏡を使います。

空気やエアロゾル(粒子状物質)によるレーザー光の散乱によって、空気やエアロゾルが、どの高度にどれだけあるかを測定します。高度は、レーザーを発信してから光が受信されるまでの時間遅れから計算します。

オゾンによって吸収されるレーザー光(波長2)を追加するとオゾン層の高度で吸収されて減衰するので、オゾン濃度の高度分布を測ることができます。国環研では、1988年から約20年間のオゾンライダー観測によって、つくば上空のオゾン濃度の減少トレンドが1998年頃に終わったことを明らかにしました。

図1 レーザーレーダー(ライダー)によるオゾン、エアロゾル測定の原理

■図1 レーザーレーダー(ライダー)によるオゾン、エアロゾル測定の原理



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