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研究者に聞く!!

6.疫学的研究手法の有用性

Q: 先生の専門である疫学的な研究手法は、熱中症の研究においてどのような意味をもっていますか。

小野:  疫学調査にはいろいろな方法があります。た とえば実際に現地の人たちにインタビューしたり、診療をしながら情報を取るという方法や、大気汚染物質や化学物質の暴露量を計って関係を見ていくという方法です。
熱中症の研究で私たちがしているのは、こうした一次データを収集することではなく、二次的なデータ、 すなわち既存の統計資料を利用した研究です。これも 疫学研究の1つの大きな柱で、過去のいろいろな出来事を調べる場合には、既存の統計データを使うしかあ りません。

Q: 将来の影響を予測する場合にも非常に有効だと思いますが、いかがでしょう。

小野:  はい、もちろんです。動物実験などで基礎的 なことは調べられます。熱中症に関しても、温度条件を変えて動物にどんな影響が出るかを調べることはあります。しかし、将来予測ということになると、現実 の人間でどんなことが起きているかというデータが一番有用です。環境基準など、いろいろな基準を決めるときも同じですが、動物実験のデータなどがいろいろ あっても、現実の人間から得られるデータはプライオリティーが一番高いのです。それが最も信頼のおけるデータだからです。

7:今後はアジア地域にも視点を広げて

Q:最後に、研究の今後の課題についてお話しください。

小野:  今、私たちがやっている熱中症の研究は、日本では優先順位が高いという考えのもとに行っているわけです。
しかし、日本に限らず、アジア地域にまで対象を広げると、別の優先課題も見えてきます。たとえば感染症は、日本ではそれほど大きな問題にはならないでしょうが、今後、東南アジアを中心にかなり大きな問題になると思います。不衛生な水が原因で起きる下痢性の疾患が増えて、小さなこどもたちがたくさん亡くなっています。今後は、そういったところまで、日本として責任をもって取り組むべきではないかと思いま す。



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