ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

篤志観測船を利用した海洋汚染観測のあゆみ

 本研究プロジェクトは、1995〜2005年にかけて4期に分けて取り組まれました。

課題名:東アジア海域における有害化学物質の動態解明に関する研究

(第1期:1995〜1997年度)
大阪−沖縄間のフェリー「くろしお」を利用した高頻度観測により、有害化学物質の時空間変動機構の解明に資する観測体勢を確立したほか、東アジア海域における有害化学物質の起源と蓄積、底泥をめぐる食物連鎖による底泥堆積有害化学物質の底魚類への蓄積過程、東シナ海における有害化学物質の挙動とサンプリング技術開発、および東シナ海における有害化学物質の分布と起源など研究を行いました。

課題名:東アジア海域における有害化学物質の動態解明に関する研究

(第2期:1998〜1999年度)
大阪−別府間のフェリー「さんふらわあ あいぼり」を利用した高頻度観測により、200点におよぶ観測結果から有害化学物質が極めて大きく変動している様子を捉えたほか、調査船による東シナ海の有害化学物質の鉛直分布などの観測により、大陸からの影響などを明らかにしました。また、瀬戸内海および東シナ海の有機スズ観測により、船底塗料だけでなくプラスチックの安定剤と思われる有機スズの存在も明らかにしました。

課題名:有害化学物質による地球規模の海洋汚染評価手法の構築に関する研究

(第3期:2000〜2002年度)
国際航路を航行する商船を利用した篤志観測船による、地球規模の海水中有害化学物質の観測システムを開発し、広域観測を開始しました。同システムを用い採取した海水試料から、環境ホルモンおよび重金属による海洋汚染観測体制の構築、および海水中における有害化学物質の分解過程に関する研究を行いました。

課題名:有害化学物質による地球規模海洋汚染の動態解明と予測に関する研究

(第4期:2003〜2005年度)
篤志観測船となる対象船舶を増やし、より広範な観測体制を構築、南半球、南極海、北極海、大西洋、北部太平洋と極めて広域な海域の観測を実施しました。海域ごとに種々の化学物質に大きな差違があることが判明しました。また、海水中における変質過程と、その有害性評価に関する研究、および動態解明に資するためのシミュレーション解析を行いました。

これらの研究は環境省地球環境研究総合推進費により行われました。

本研究プロジェクトは次の機関、スタッフにより実施されました。

  • 国立環境研究所
    㓛刀 正行、原島 省
  • 産業技術総合研究所
    富永 衞、田尾 博明、今川 隆、山下 信義、長縄 竜一、中里 哲也、津野 宏、R.Babu Rajendran、伊藤 信靖、青木 繁明、鷲見 栄一
  • 中央水産研究所
    山田 久、池田 久美子、小山 次朗
  • 日本海区水産研究所
    南 卓志
  • 西海区水産研究所
    清本 容子、岡本 和麿、長田 宏、井関 和夫、横内 克己
  • 国立医薬品食品衛生研究所
    神沼 二眞、大竹 千代子、中野 達也
  • 兵庫県健康環境科学研究センター
    藤森 一夫、中野 武
  • 東京大学
    大久保 明、半戸 里江
  • 名古屋大学
    原口 紘炁、伊藤 彰英
  • 愛媛大学
    田辺 信介、岩田 久人
  • 静岡県立大学
    橋本 伸哉
  • 東京薬科大学
    藤原 祺多夫、熊田 英峰
  • 東海大学
    中田 喜三郎