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コラム「環境ホルモンとダイオキシン」その(1)

TCDDの化学構造式

図
2,3,7,8-TCDDの模式図
(2,3,7,8番目の炭素に塩素を付けたもの。他は水素)
ダイオキシン類の中で一番毒性の強い2,3,7,8‑TCDD(Tetra(4))Cloro(塩素)Dibenzo(ベンゼン2つ)Dioxin(2つの酸素を含む6員環))という意味の略語。

 ダイオキシンは,2つのベンゼン環が酸素原子2個でつながった構造をした化合物です。ベンゼン環の水素のいくつかが塩素に置換した有機塩素化合物の総称で,その中には合成化学物質の中でもっとも強い毒性を持っているものも含まれています。日本では発がん性などが問題視されたため,環境ホルモンとは別の問題として取り上げられることが多いのですが,ダイオキシンは性ホルモンだけではなく,他のホルモンや成長因子などの働きを乱すことが知られており,まさに典型的な環境ホルモンといえます。

環境ホルモンの作用メカニズム

エストロジェン(女性ホルモン)類似作用メカニズム

図:エストロジェン(女性ホルモン)類似作用メカニズム

環境ホルモン(DDT,TBTなど)がER*と結合することによって,エストロジェンと類似の作用がもたらされます。

*エストロジェンレセプター(女性ホルモン受容体)。
エストロジェンと結合して遺伝子(DNA)を活性化させます。

ダイオキシン作用のメカニズム

図:ダイオキシン作用のメカニズム

 ダイオキシンは,細胞内のシグナル伝達回路であるAhR(アリルハイドロカーボンレセプター),
ARNT(アリルハイドロカーボンレセプター・ヌクリアトランスロケーター)などを介して,遺伝子(DNA)を活性化し,間接的にエストロジェン作用に影響を与えるとされています。