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水土壌圏環境研究領域

研究概要(パンフレットから)

  雨や雪として地表に降りた水は、河川、湖沼として地表を流れ海へ至り、その一部は地下へ浸透して地下水の流れとなります。そして水は、ふたたび蒸発して次の降水へと繋がり地球上で循環しています。水や土壌は、私たち人間や動植物が生活していく上で不可欠であり、一旦汚染されると、その修復には多大の費用と時間を必要とすることを私たちは経験してきました。水土壌圏環境研究領域では、水や土壌の環境が汚染によって悪化していくことを防ぐために、現在の環境の状況を調査すると共に、汚染された環境を修復する安全で環境にやさしい技術の開発や評価に関する研究を行っています。

霞ヶ浦の水質や底質の変化

霞ヶ浦で毎月水質を測定して、その変動を監視しています。また、霞ヶ浦の湖心で毎月底泥を採取して、底泥に含まれる間隙水のなかにある溶存有機物(DOC)とリン(リン酸態リンPO4-P)を調べています。間隙水水中の有機物は1997年以来減少していることが右図からわかります。ところが、リンは反対に段々増えていました。間隙水の有機物は深くなるほど濃度が高くなりますが、リンは深さ4−6 cm のところで明白なピークが出てくることもわかりました。霞ヶ浦の底泥のなかでは溶存有機物とリンが生産されるメカニズムはとても異なるようです。
 http://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/13/02-03.html

図:霞ヶ浦の底泥間隙水に存在する溶存有機物の深さ方向のプロフィール

河川水の栄養塩比にみられる変質が海洋生態系に及ぼす影響

人為活動が盛んになると窒素(N)やリン(P)の海域への流下は増加します。一方、ケイ素(Si)はダム湖などの停滞水域が増加するとそこで沈降するため、海域へ流下する量が減少する傾向にあります。このため、海域で、ケイ藻類(Siを必要とし、おおむね無害)よりも非ケイ藻類植物プランクトン(有害赤潮種を含む)が有利になる可能性があります。私たちは、これらの生態系変質を明らかにするため、フェリーによる海洋観測や生態系モデルによる研究を行っています。
 http://db.cger.nies.go.jp/gem/sea/SE_Pacific/me.html

図:河川水質の年代による変化(黒→赤)および流下方向の変化(青→緑→橙)

土壌中の重金属汚染の実態把握

ハンダは、電気・電子機器の接合技術に広く利用されてきましたが、主成分の鉛が生物に対し強い毒性を持つため使用が制限されたため、最近では鉛を含まない鉛フリーハンダが使われるようになりました。ところが、この新素材に含まれる希少金属についての環境中での挙動や影響は充分には明らかにされていません。そこで希少金属の野外環境における溶解特性と土壌中の移動特性に関する研究を行っています。特に、樹木が分泌する有機物が金属の溶解を促進する効果や、土壌中の金属の存在形態による移動特性の違いに着目しています。
 http://www.nies.go.jp/kanko/news/22/22-3/22-3-03.html

図:はんだや廃棄物からの金属の溶出機構と影響の経路

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