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Q8 放射線被ばくによる植物への影響はあったのでしょうか?
大量の放射線の被ばくによって遺伝子(DNA)が損傷すると、突然変異体が出現することがあります。しかしその損傷が軽度であれば、生物は自分でDNAの傷を修復することができます。我々はDNAが損傷したことを見た目で判別できる植物を開発して、実際に土壌からの放射線被ばくによって、自己修復能力を超えて変異した植物がどのくらいあると予想されるかについて調べました。その結果、5.6μSv/hr以下の空間線量ではDNAの損傷は進行しないことがわかりました。すなわち、帰還困難区域の80%以上の地域では変異体はほとんど発生していないと予想されます。