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フロン等の規制の
進展による成層圏
等価有効塩素濃度
(EESC)の予想値 |
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世界気象機関と国連の科学アセスメントによれば、対流圏の塩素濃度は1992年から94年にピークを迎え、現在は穏やかに減少しています。そして、成層圏の塩素濃度も、20世紀末にはほぼピークに達したとされています。もし、モントリオール議定書の採択とその後の5回の改定がなければ、21世紀半ばの塩素濃度は1980年代の10倍に達し、紫外線量が地球規模で2倍に増えるという道筋をたどっていたとされています。 |
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上記の科学アセスメントによれば、地上から大気上端までのオゾン全量は、1980年以前に比べて、最近(1997年から2001年)では、北半球中緯度で3%、南半球中緯度では6%減っています。オゾン全量が増加傾向に転じている形跡は、今のところありません。
しかし、2003年7月のNASAの発表では、中・低緯度の上部成層圏(高度35〜45km)で、1997年以降塩素濃度の増加率が減り、オゾン濃度の減少率が小さくなっていることが指摘されています。上部成層圏オゾンはオゾン全量の数%にすぎませんが、明るい兆候の一つです。 |
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・南極域オゾンの
観測画像
・南極オゾンホールの
面積の増大
・南極オゾンホールの
規模の変化 |
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2002年は、成層圏の気温が異常に高く、したがってオゾンホールの面積も小さくなりました。この年を除くと、南極域のオゾンホールの面積は増加の傾向を示しています。現在がピークでそのうち減少に転じるのか、あるいは穏やかながらもまだ増加するのかは、はっきりしていません。 |
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・北極域オゾンの
観測画像
・北極域の3月の
オゾン全量の変化 |
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北極域のオゾン破壊は気象状態に大きく左右されます。1990年代のように成層圏の温度が低いと大規模な破壊が生じます。北極域の場合、年によって春季のオゾン全量に大きな違いがあるので、長期的傾向が読み取れない状況です。 |
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地球温暖化(気候変動)もオゾン層破壊に影響を及ぼします。温室効果ガスが増えると対流圏の温度は上がりますが、成層圏以上の大気の温度は反対に低下します。とくにこの効果は、極域の下部成層圏で大きいため、冬の極域成層圏雲の発生を強化します。そのため、南極オゾンホールと北極域のオゾン層破壊をより深刻化します。
一方、上部成層圏の気温低下は、酸素分子(O2)と酸素原子(O)との結合反応の速度を上げるため、オゾン(O3)の増加につながります。また、気候変動による大気の流れの変化もオゾン層に影響を及ぼします。現在、「気候変動がオゾン層破壊にどのような影響を与えるのか」、についての研究が各国で盛んに進められています。 |
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モントリオール議定書の1997年改定のシナリオにしたがえば、成層圏の塩素濃度は、21世紀半ばには、南極オゾンホールの生成が始まった1980年頃のレベルに戻り、その後も減少し続けることになります。ただし、このシナリオ通りに進んでも、皮膚ガンは後40〜50年増え続ける可能性があります。
温室効果の影響などは今後の研究によりますが、現在の科学的知見をまとめると、次のようになります。
- 極域のオゾン破壊は、今後十数年にわたり現状程度の深刻な状態が続く。
- 中緯度・熱帯で極域の影響を受けない地域のオゾン層破壊は、これ以上進むとは考えにくい。しかし、回復には半世紀以上かかることが予想される。
以上の予測は、最新の改定モントリオール議定書によるオゾン層保護対策が守られることが前提になっています。 |
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オゾン層の将来予測の精度をさらに向上させることが重要です。そのためには、観測網をさらに強化し、オゾン層に影響を与える要素を検討し、これらの要素を入れたいろいろな数値モデルをつくって、その予測を検証していかねばなりません。
また、現在の代替フロン「HFC」は温室効果が高いので、温室効果の小さい代替フロンの開発が必要です。さらに、フロンを使わない技術を開発することも大きな課題です。 |
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