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 京都議定書は温暖化を防止するための国際的な取り決めです。第1約束期間(2008〜2012年)に先進国は1990年比で温室効果ガスを5.25削減することを約束しました。この削減目標を達成できるかどうかが、温暖化防止の鍵となっています。

温暖化防止推進の鍵「京都議定書」

京都議定書の概要
京都議定書の概要
主要国の温室効果ガス排出削減約束
主要国の温室効果ガス排出削減約束

 1997年京都で開催された第3回締約国会議(温暖化防止京都会議)で採択されたのが京都議定書です。先進国は第1約束期間(2008~2012年)までに、温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、HFC、PFC、SF6)の排出量を1990年より5.2%削減することにしました(日本、米国、EUの削減量は各6%、7%、8%)。

 削減は原則として、エネルギー源の転換、省エネ・省資源などの国内対策によることになっていますが、削減の困難さを考慮して、京都メカニズムと呼ばれる仕組みも導入されています。排出量取引、共同実施、クリーン開発メカニズムという新たな方策です。吸収源である森林も削減達成のためにカウントできることになりました。日本は3.8%分を認められています。

 京都議定書が発効する条件「55カ国以上が批准し、そのうち排出削減義務を負った先進国の排出量合計が55%を越えること」が、2004年11月のロシア批准で達成され、2005年2月16日に議定書は発効しました。発効後、日本をはじめ先進諸国は、国内対策を中心に対応を検討しています。日本では、温暖化対策推進大綱をもとに国内対策を進めてきましたが、議定書発効にともなって京都議定書目標達成計画を策定し、より確実に削減目標を達成しようとしています。さらに、2008年3月に排出抑制対策・施策を追加するなどした改定京都議定書目標達成計画を策定しました。

各国のCO2排出量

二酸化炭素の国別排出量と国別1人あたり排出量
二酸化炭素の国別排出量と国別1人あたり排出量

 いま、各国のCO2排出量はどのくらいでしょう。排出量が多い国は、米国、中国、ロシア、日本、インドです。2005年のデータによれば、日本の排出量はアフリカ50余国の総量より多く、1人当たり排出量は、米国、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、シンガポール、台湾、ロシア、ドイツに続く第9位です(EDMC/エネルギー・経済統計要覧2008年版)。

 米国は、2001年3月、京都議定書からの離脱を表明し、独自の温暖化防止対策を発表しました(2001年6月)。離脱の理由は次のとおりです。

1) 温暖化現象に科学的不確実性がある。
2) 石油に依存する米国経済が排出量削減で疲弊するおそれがある。
3) 今後排出量が伸びる途上国に削減義務が課せられていない。

 第1約束期間以降は、世界の排出量の4分の1を占める米国と途上国の動向が最大関心事となってきます。2020年頃を境に、途上国の排出量と先進国の排出量が逆転すると予想されているからです。

温暖化防止のための技術の可能性

種々の自動車技術における走行1km当たりの温室効果ガス排出量
種々の自動車技術における走行1km当たりの温室効果ガス排出量

 温暖化防止の手だてはあるのでしょうか。IPCC第3次評価報告書では、2001年までの10年で予想より早く技術開発が進んでおり、温暖化防止の可能性はあるとしています。副次的便益(ancillary benefit)も考慮すると、費用的にも実現可能であることを示しました。さらに、IPCC第4次評価報告書では、温室効果ガス濃度を安定化するには、現在利用可能な技術および今後数十年間に商業化が期待される技術を展開することで達成が可能であるとしています。削減策の基本である省エネ・省資源はエネルギー対策そのものであり、大気汚染の改善にもつながります。こうした効果を副次的便益と呼びます。しかし、技術開発にも対策の普及にも、現段階では多くの障害(エネルギー利用を促進する制度や補助金など)が残り、これを取り除かなければ、想定した結果は得られません。

京都メカニズム

京都メカニズムの3類型
京都メカニズムの3類型

 国内対策を補完するために導入された国際的な市場メカニズムを活用した仕組みが京都メカニズムです。

・共同実施(JI)
先進国どうしが共同で事業を実施し、その削減分を投資国が自国の目標達成に利用できる制度です。

・クリーン開発メカニズム(CDM)
先進国と途上国が共同で事業を実施し、その削減分を投資国(先進国)が自国の目標達成に利用できる制度です。

・排出量取引
各国の削減目標達成のため、先進国どうしが排出量を売買する制度です。EUでは、2005年1月から域内での排出量取引を開始しました。日本の京都議定書目標達成計画では、1.6%分を排出量取引によってまかなう計画です。