IPCCは、条約に示された安定化濃度の問題を早くからとりあげ、次のような見解を示していました。
1) 大気中の温室効果ガスの安定化には数百年かかる。
2) 安定化濃度にいたるCO2排出量の道筋は一つではない。
3) 現在の濃度で安定させるには直ちに温室効果ガス排出量の50〜70%の削減が必要。
目標とする安定化濃度レベルを達成するには、どのような経過でCO2排出量を減らせばよいでしょうか。IPCCは早期に排出量を削減する経路を提示しましたが、一方、しばらくCO2を出し続けても新技術が現れた段階で排出量を急激に削減すれば同じ安定化濃度に達するという分析もあります。
温暖化にともなって、食料不足、水不足、マラリア、沿岸洪水のリスクはどのように変わるでしょうか。また、どのくらいの人がその影響を受けるでしょうか。左のグラフは気温上昇にともなって影響を受ける人口を示したものです。
グラフを見て下さい。気温が上昇すると影響が急激に増加することがわかります。影響を大幅に少なくしようとすれば、気温上昇をできる限り小さくしなくてはなりません。温暖化対策としては、その目標をどう設定すべきでしょうか。住民の生命リスクや生態系への影響の被害額評価は困難なので、グラフではとりあえずリスク人口を指標としました。もし被害額見積もりができれば、気温上昇による被害を低減する適応策やCO2削減コストと比較して、費用対効果を考慮した対策をとれることになります。 |