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2016年5月23日

JSPS-DFGセミナー「大気エアロゾルの物理化学特性ならびにその大気質および健康への影響」の参加報告

日本学術振興会(JSPS)とドイツ学術振興会(DFG)の二国間交流事業によりサポートを受け、平成27年11月25~27日にマックスプランク化学研究所(MPIC)で日独交流セミナーを開催し、共同研究について検討しました。日本側の代表は佐藤、ドイツ側の代表はMPICの白岩学氏が務めました。

日本側から14名、ドイツ側から16名が参加し、シンガポールおよびスイスからもそれぞれ1名ずつが参加しました。国環研からはPM2.5の予測モデル開発やPM2.5の健康影響に関する研究を行っている8名の研究者が参加しました。

1日目に多相化学過程、2日目に粒子の健康影響、3日目に粒子の気候影響に関する議論が集中的に行われました。各開催日にはその日の主題に関連する基調講演が行われ、それに続く一般セッションで各参加者による20分の発表が行われました。また、これらの講演に加えてグループ討論も行われ、活発な議論が交わされました。さらに、今後の共同研究についての議論が個別に行われ、不均一反応過程を取り込んだ大気輸送モデル計算手法の開発に関する国立環境研究所とMPICの共同研究が議論されました。

セミナー終了後に日本人参加者を対象に研究室見学ツアーを開催していただきました。MPICでは若手のグループリーダーにも人的資源や実験装置が豊富に提供されていることが印象的でした。また、セミナーの後には、マインツ市内のクリスマスマーケットを訪れるなど、ドイツの文化に触れる機会を頂き、参加者同士の交流をさらに深めることができました。

本セミナーによって、これまで論文で名前のみを知るだけであった相手国のカウンターパートと交流を深めることができました。今後、共同研究が進展するとともに地域環境研究センターで開発するPM2.5予測モデルの精緻化が期待されます。

写真.セミナー参加者による集合写真

広域大気環境研究室 佐藤 圭