逐次イオン入射システム


    固体試料用イオン源に接続している高速逐次入射システムは、複数の同位体ビームを時間分割して、順に加速器に入射します。炭素の測定の場合、最も少ない14Cにあわせて入射電磁石を設定し、12Cと13Cについては電磁石のチャンバーにパルス状の電位をかけて同じ軌道を通るよう修正することによって、極短時間のみ加速器に入射します。これを高速逐次入射法あるいはジャンピング法といいます。イオン源が時間とともに変動する可能性があるので、14Cを最も長時間(0.1秒)入射し、12Cは0.4ミリ秒、13Cは1.5ミリ秒程度のパルスとして入射します。このサイクルを数千回繰り返して測定は実施されます。この方法には、もうひとつの入射系である同時入射系よりもバックグランドを低く押さえることが出来るという利点があります。

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