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4月

<国際関連情報提供・解説>違法な遺伝資源取得の疑い事例の紹介

石田 孝英(センター長室)

九州大学の職員がエクアドルから不法に節足動物を持ち出そうとして拘束されました。また、オックスフォード大学自然史博物館所属とされる研究者が不法に取得されたクモを研究に用いた疑いがあるとして、Scienceで記事になっています。

<国際関連情報提供・解説>4月の国際情報-ポスト2020目標の検討状況-

角 真耶(センター長室)

生物多様性条約事務局から、ポスト2020目標検討の土台となる文書が発表されました。
内容を紹介するとともに、今後どのようにポスト2020目標が作られていくのか、最新の情報をお伝えします。

植物の生理・個体群・群集プロセスに対する気候変動影響

小出 大(気候変動適応センター/当センター生物多様性保全計画研究室)

発表者はこれまで、植物に対する気候変動影響を研究してきた。その内容として、生理プロセスである年輪の生長量に関するものや、個体群プロセスである植物の分布変化に関するもの、群集プロセスを経た結果として発揮される生態系サービスに関するものなどである。しかし、これらの研究においては、生物間相互作用や分散・死亡といった重要な要素を考慮しきれていなかった事や、プロセス間の関連付けが薄かったことが課題であった。
そこで、本発表では、これらの課題を克服して新たな気候変動研究を推し進めていくため、発表者が中長期的な視点で進めていこうと考えている研究を紹介する。

グリーンインフラによる気候変動適応:印旛沼流域での研究

西廣 淳(気候変動適応センター/当センター生物多様性保全計画研究室)

従来、堤防やダムなどの防災インフラは、既往の災害の経験・記録に基づいて設計されてきた。しかし、気候変動に伴い、過去に生じたことのない規模の集中豪雨や高温などが発生するリスクが高まっており、従来のインフラでは対処しきれない可能性が指摘されている。また、従来のインフラは、往々にして生物多様性の損失や文化的生態系サービスの低下などの弊害をもたらすことも問題視されている。 地形や生物の働きの積極的な活用、すなわち、グリーンインフラの活用は、気候変動によるリスクを軽減しつつ生物多様性や多様な生態系サービスを維持する有望な選択肢であると考えられる。
セミナーでは、印旛沼流域で進めている気候変動適応に向けた生態系機能評価の研究と、社会実装に向けた取り組みについて説明する。

5月

<国際関連情報提供・解説>様々な計画・戦略などでの「生物多様性」の位置づけ

角 真耶(センター長室)

環境基本計画、生物多様性国家戦略、海洋基本計画など、環境政策に関する計画などは、様々な分野で多様なものが策定されています。
今回は、NIESの事業計画に大きな影響を与える「環境研究・環境技術開発の推進戦略」に記載のある計画等(例:循環型社会形成推進基本計画)の中で、生物多様性がどのような文脈で位置づけられているかをお伝えする予定です。
その他、最近の生物多様性に関連するニュースとして、5月の関連プレスリリースや、自然環境保全法の一部改正などについてもご紹介する予定です。

環境変動が植物と根に定着する菌類に及ぼす影響

赤路 康朗(環境ストレス機構研究室)

発表者はこれまで、陸域森林生態系および湿地生態系に生育する植物を対象に、密度、生残、成長、形態、生理活性、または根に定着する菌類組成が、異なる環境下(光・地形・温度等)でどのように変化するのかについて検証を行ってきた。今後は、気温変化等の環境変動が植物個体の成長ならびに植物群集構造をどのような方向に駆動するのかについて検証しメカニズム解明を進めていく予定である。本セミナーでは、発表者のこれまでの研究を紹介し、環境順化能力の種内変異、夜間の温暖化影響、および菌類が介する植物-土壌フィードバックに着目した今後の研究展開についても紹介する。

紫外線ストレスに対する植物の耐性メカニズムの解明~DNA修復メカニズムを中心に~

高橋 真哉(環境ゲノム科学研究推進室)

発表者は長年の研究生活において、高等植物が環境ストレスにどのようにして対応しているのかについて興味を持ち研究を行ってきた。特に紫外線(UV-B)の影響とその耐性メカニズムについて、植物では研究が十分になされていないDNA損傷生成の影響とDNA修復機構の役割を解明することを目的として(途中中断をはさみながら)研究を行っている。本発表では、これまでの研究結果の説明を交えながら、その内容について紹介したい。
(本発表では、植物生理学・生化学・分子遺伝学・細胞生物学的な内容が中心になります)

6月

<国際関連情報提供・解説>IPBES地球規模アセスメントの概要&様々な計画・戦略などでの「生物多様性」の位置づけpart2

角 真耶(センター長室)

今月の国際情報では、先日IPBES7で承認された「グローバルアセスメントの政策意思決定者向け要約(SPM)」について取り上げます。IPBES自体の説明、SPMの読み方や内容の概要をお伝えします。
また、5月の国際情報で取り扱った、「様々な計画・戦略などでの「生物多様性」の位置づけ」に関しても、残りの内容をお伝えします。

アライグマ管理の話

鈴木 嵩彬(生態リスク評価・対策研究室)

外来哺乳類であるアライグマは、外来種の中でも広域的かつ深刻な問題として管理が実施されてきた。外来生物法の施行以降、アライグマ管理を行う地域は増えており、一部では低密度状態に至るなどの成果も認められる。しかし、多くの地域では各自治体が個別に農業被害防止を目的とした捕獲事業を展開しているだけで、管理の目標でもある根絶(地域的な根絶)に至っている地域は無い。また、様々な研究者から多種多様な課題が挙げられているものの、管理の現状についての具体的な情報は少ない。発表者は、管理現場の調査を通して、何故アライグマ管理が円滑に進んでいないのか、どのような取り組みで効果的に進展出来るのか検討してきた。本発表ではその研究の一部を紹介する。

生物多様性はどのように生み出され、維持されているのか?

遠山 弘法(生物多様性評価・予測研究室)

発表者はこれまで、生物多様性がどのように生じ、維持されているのかに興味を持ち、種内、種間、群集レベルでの進化・生態・分類・保全学的研究を行ってきた。本セミナーでは、これまで行ってきた研究を概説し、保全学的研究を始めるきっかけとなった、カンボジアの違法伐採に注目した群集レベルでの多様性解析の結果を中心に紹介する。また、時間が許せば東南アジア全域で行った定量的植物相調査、DNA配列を参考にした種同定・新種記載、現在進めている西表島での研究を紹介したい。