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第14回 つくばE3セミナー(2016年4月15日@国環研)

講演者: 宮下健太郎 (北陸先端科学技術大学院大学 知識マネジメント領域)

講演タイトル:現代文化における生物多様性の貢献の定量分析:ポケモンを事例に

要旨: 生物多様性の「主流化」のために本発表では、そもそも「人間社会に対する生物 多様性の貢献」はどの程度や範囲なのか?というベーシックな問題を考えたい。 これについて先行研究は、「生態系サービス」における供給・調整サービス創出 への貢献に注目してきた。 その理由は、サービスが数量化しやすく、金銭的価 値に換算しやすいからである。その反対に、数量化しにくい「文化的サービス」 の研究は遅れており、「定量」法の開発が課題だった。さらに文化に関しては、 「伝統文化」に比べ、「現代文化」と生物多様性の関係は、ほとんど研究されて いないことも課題である。現代文化でも、小説や映画、アニメ、マンガなどに は、生物がデザインや表象に利用されており、社会心理学的、環境経済学的な効 果が期待できる。以上の背景から発表者は、『ポケモン』を事例に、現代文化創 出に対する生物多様性の貢献を定量評価した。『ポケモン』には700種類以上の キャラクターがいるので、そのモチーフになった生物の多様度を分析できる。こ の方法は他の伝統・現代文化にも応用可能と考えられる。