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シルビアシジミとヒメシルビアシジミにおける種間交雑の可能性


論文情報
タイトル
Potential for interspecific hybridization between Zizina emelina and Zizina otis (Lepidoptera: Lycaenidae).
(シルビアシジミとヒメシルビアシジミにおける種間交雑の可能性)
著者       
Sakamoto, Y., Yago, M.
雑誌名       
Journal of Insect Conservation, 21(3), 509-515. DOI: 10.1007/s10841-017-9991-1       
受理・掲載日
2017年5月16日 受理、2017年5月23日 オンライン公開 オンライン公開への外部リンク
概要

シルビアシジミ Zizina emelina は、日本の関東以西から種子島以北と韓国に分布する草地性のシジミチョウで、近年、衰退が著しく絶滅の危機に瀕している。トカラ列島の宝島以南には、近縁種のヒメシルビアシジミ Zizina otis が生息しているが、最近になって屋久島でも確認されるようになったため、分布北上の可能性が指摘されている(図1)。本研究では、室内実験にて、両種間で交雑が可能であること、およびその次世代の雌に著しい発育遅延が見られることを明らかにし、将来的に両種の分布が重複した場合のリスクについて言及した。

シルビアシジミおよびヒメシルビアシジミの生息分布

図1 シルビアシジミおよびヒメシルビアシジミの生息分布