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生物多様性評価に向けた土地利用類型と「さとやま指数」でみた日本の国土


論文情報
タイトル
生物多様性評価に向けた土地利用類型と「さとやま指数」でみた日本の国土
(Overview of land-use patterns in the Japanese Archipelago using biodiversity-conscious land-use classifications and a Satoyama index)
著者
吉岡明良, 角谷 拓, 今井淳一, 鷲谷 いづみ
掲載雑誌
全生態学研究 (Japanese Journal of Conservation Ecology)(2013), 18, 141-156. DOI: 10.18960/hozen.18.2_141 オンライン公開への外部リンク
概要

里地里山(以下、「さとやま」)は、我が国の生物多様性の保全と多様な生態系サービスの持続可能な利用にとって重要な空間であり、その保全・再生に関わる政策の立案や、モニタリング・評価のために、さとやまの特性を土地利用面から抽出して地図化できる指標の開発が必要とされています。

本研究では、全国標準土地利用メッシュデータを用いて国土の土地利用を「原生自然的な土地利用」、「さとやまを含む農業的土地利用」、「人工林」、「都市的土地利用」に類型化し、そのうち、「さとやまを含む農業的土地利用」において、『さとやま指数』を算出・地図化しました。さとやま指数は、少なくとも一部に農地を含む単位空間内の土地利用多様度と非農業的土地利用の割合を反映させた指数であり、土地利用の不均一性が高いほど、また農地の占有率が低いほど高い値をとる指数です。
全国的な観点からは、さとやま指数は広島県や岡山県などの中国山地で特に高い傾向が認められました。また、国立・国定公園は、原生的土地利用のみならず、さとやま指数が特に高い(0.5以上)の土地を多く含んでいることが明らかになりました。


さとやま指数が低い農業ランドスケープの例

さとやま指数が低い農業ランドスケープの例
ほぼ全域が水田のため、土地利用の多様性が低く、また農地以外の土地利用の割合も小さい

さとやま指数が高い農業ランドスケープの例

さとやま指数が高い農業ランドスケープの例
森林など、農地以外の土地利用が混在している

日本全国さとやま指数メッシュデータ

本研究の成果より作成した「日本全国さとやま指数メッシュデータ」では、標準2次および標準3次メッシュごとに指標値を集計した平均値データを公開しています。

日本全国さとやま指数メッシュデータ

日本全国標準土地利用メッシュデータ

本研究において使用した「日本全国標準土地利用メッシュデータ」を公開しています。

日本全国標準土地利用メッシュデータ