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湖沼長期モニタリング

生態系の状態の評価・予測には、長期的な観測・調査データの蓄積が必要不可欠です。当研究所では、これまで40年以上にわたり、霞ヶ浦と摩周湖の水質と生物の観測・調査を継続してきました。(当研究所では、これらを霞ヶ浦全域調査もしくは霞ヶ浦長期モニタリング、摩周湖長期モニタリングと呼んでいます。)
こうした長期モニタリングは、湖沼研究のプラットフォームとして、海外も含め所内外の研究者に広く利用されています。

また、1994年からは、全球の水資源情報を収集している国連のGEMS/Waterに参加して地方公共団体などから提供を受けた国内約20カ所の河川や湖の水質データを収集し、世界最大規模の淡水水質データベースGEMStat(ジェームスタット)へのデータ登録を行っています。霞ヶ浦と摩周湖の水質モニタリングもGEMS/Waterに参加しています。

  霞ヶ浦データベースのウェブサイトはこちら

摩周湖長期モニタリングのウェブサイトはこちら

 

霞ヶ浦長期モニタリング(霞ヶ浦全域調査)

関東平野の北東に位置する霞ヶ浦は、最大水深6m、平均水深4mと浅く、日本で2番目に大きな面積を有する湖沼です。平地に位置する浅い湖沼という特徴から、広い集水域をもち、生物相は極めて豊かで、かつ、人間活動の影響を大きく受けているという特徴があります。

霞ヶ浦は、特に、首都圏の水需要に応えるため、人為的に大きく改変されてきました。そうした影響を、水質や底泥のほか、植物プランクトン、動物プランクトン、原生動物、イサザアミ、ベントスなど様々な生物群集の変化をモニタリングすることで、評価します。「霞ヶ浦データベース」は霞ヶ浦長期モニタリングで実施してきた霞ヶ浦(西浦)10地点の水質データならびに2地点もしくは4地点の生物データをデータベースとして適宜公表しています。

なお、このうちステーション3,9,12の水質データをGEMS/Waterのトレンドモニタリングステーションとし、GEMStat(水質データベース)に登録しています。


左:調査船による定期調査の様子/右:底泥コア試料採集の様子

霞ヶ浦の魚類モニタリングの紹介記事が掲載されています。


摩周湖長期モニタリング

摩周湖は北海道の東部に位置するカルデラ湖で、湖面と集水域全域が阿寒国立公園の特別保護地域に指定されており、通常は人の立ち入りはできません。摩周湖には河川がないことから、湖周辺よりはむしろ大気経由の汚染による影響を検出しやすい条件を持っています。このような特徴があるため、摩周湖では大陸規模の化学物質の長距離輸送の定量的な評価を行っています。

また、日本最大の透明度を持つ摩周湖の透明度の長期変動とその要因についても解析を進めています。

摩周湖長期モニタリングは以下の研究機関と共同で推進しています。
北海道立総合研究機構、北見工業大学、北海道大学、千葉大学、山梨大学


上空からみた摩周湖


左:摩周湖面まで調査機材を運搬している様子/右:湖心での観測の様子


GEMS/Water(ジェムス・ウォーター)

GEMS/WaterとはGlobal Environmental Monitoring System/Water Programの略称で、国連環境計画(UNEP)や世界保健機関(WHO)などの国際機関によって進められている、淡水水質の監視プロジェクトです。地球環境監視システム"GEMS"(Global Environmental Monitoring System)の陸水監視部門であり、全球の淡水水質をカバーする唯一の監視プロジェクトです。1977年に設立され今日まで継続されています。


GEMS/Water Japan ナショナルセンター

国立環境研究所 生物・生態系環境研究センターは、GEMS/Waterの日本における協力窓口「ナショナルセンター」を担当しています。

ナショナルセンターでは、

  • 全球淡水水質データベースへのデータ登録,ならびにデータの利用を受け付けています。
  • ナショナルセンターに集められた国内のデータを集計し,カナダにあるGEMS/Waterプログラムオフィスに送っています。送ったデータは,オフィスにてGEMStat(淡水水質データベース)に登録されます。
  • 国内のデータについては,GEMStatへの登録に先駆けて,国内ウェブサイトを通して速やかに公開しています。

   

<凡例の説明>

ベースラインステーション:源流湖、人の手の入っていない上流の川、帯水層などで汚染による環境変化が起きていない場所に設置し、自然状態の水質を監視する。 このデータは、人の影響を受けている環境との対比の際に重要となる。国立環境研究所で実施している摩周湖長期モニタリングの一部は、GEMS/Waterの湖沼では唯一のベースラインステーションになっています。

トレンドステーション: 主要な河川の流域、湖、帯水層に設置し、各種汚染源や土地利用による長期的な影響を監視する。国立環境研究所で実施している霞ヶ浦長期モニタリングの一部は、GEMS/Waterのトレンドステーションのひとつになっています。

フラックスステーション: 河口部に設置し、川から海への汚染物質の流出量を計測する。

  GEMS/Waterのウェブサイトはこちら

Last updated Jan. 16, 2017