![]()
湖沼長期モニタリング
生態系の状態の評価・予測には、長期的な観測・調査データの蓄積が必要不可欠です。
当研究所では、これまで30年以上にわたり、霞ヶ浦と摩周湖の水質と生物の観測・調査を継続してきました。(当研究所では、これらを霞ヶ浦全域調査もしくは霞ヶ浦長期モニタリング、摩周湖長期モニタリングと呼んでいます。)こうした長期モニタリングは、湖沼研究のプラットフォームとして、海外も含め所内外の研究者に広く利用されています。
また、1994年からは、全球の水資源情報を収集している国連のGEMS/Waterに参加して地方公共団体などから提供を受けた国内約20カ所の河川や湖の水質データを収集し、世界最大規模の淡水水質データベースGEMStat(ジェームスタット)へのデータ登録を行っています。霞ヶ浦と摩周湖の水質モニタリングもGEMS/Waterに参加しています。
●● 2011年度 担当スタッフ ●●
高村典子、上野隆平、松崎慎一郎、中川 惠、及川康子(生物・生態系環境研究センター)
今井章雄、冨岡典子、岩崎一弘、小松一弘、高津文人、篠原隆一郎(地域環境研究センター )
田中敦、武内章記、西川雅高(環境計測研究センター )
霞ヶ浦長期モニタリング(霞ヶ浦全域調査)
関東平野の北東に位置する霞ヶ浦は、最大水深6m、平均水深4mと浅く、日本で2番目に大きな面積を有する湖沼です。平地に位置する浅い湖沼という特徴から、広い集水域をもち、生物相は極めて豊かで、かつ、人間活動の影響を大きく受けているという特徴があります。
霞ヶ浦は、特に、首都圏の水需要に応えるため、人為的に大きく改変されてきました。そうした影響を、水質や底泥のほか、植物プランクトン、動物プランクトン、原生動物、イサザアミ、ベントスなど様々な生物群集の変化をモニタリングすることで、評価します。「霞ヶ浦データベース」は霞ヶ浦長期モニタリングで実施してきた霞ヶ浦(西浦)10地点の水質データならびに2地点もしくは4地点の生物データをデータベースとして適宜公表しています。
なお、このうちステーション3,9,12の水質データをGEMS/Waterのトレンドモニタリングステーションとし、GEMStat(水質データベース)に登録しています。
霞ヶ浦データベースのウェブサイト こちらから

調査船による定期調査の様子

底泥コア試料採集の様子
摩周湖長期モニタリング
摩周湖は北海道の東部に位置するカルデラ湖で、湖面と集水域全域が阿寒国立公園の特別保護地域に指定されており、通常は人の立ち入りはできません。摩周湖には河川がないことから、湖周辺よりはむしろ大気経由の汚染による影響を検出しやすい条件を持っています。このような特徴があるため、摩周湖では大陸規模の化学物質の長距離輸送の定量的な評価を行っています。
また、日本最大の透明度を持つ摩周湖の透明度の長期変動とその要因についても解析を進めています。

上空からみた摩周湖


左:摩周湖面まで調査機材を運搬している様子、右:湖心での観測の様子
摩周湖長期モニタリングのウェブサイト(&データベース) こちらから
摩周湖長期モニタリングは以下の研究機関と共同で推進しています。
北海道立総合研究機構、北見工業大学、北海道大学、千葉大学、山梨大学

