
環境試料タイムカプセル棟では、国内絶滅危惧種の皮膚などから培養した体細胞、生殖細胞(精子、卵子、受精卵、始原生殖細胞など)および組織を長期保存用タンクの中で凍結保存しています。これによって絶滅危惧種の遺伝的多様性を将来に残すことができます。また、凍結した細胞等は絶滅原因の研究、感染症に関する研究あるいは個体増殖に関する研究に使用することが可能で、絶滅危惧種の保全に役立ちます。
絶滅危惧種の細胞や組織の凍結保存状況
2002年度から2011年度までに受け入れた数は哺乳類20種205個体、鳥類41種1,383個体、爬虫類1種1個体および魚類33種517個体です。(合計95種2,106個体)
これらの個体からチューブ合計39,874本の培養細胞や組織を凍結保存しました。
絶滅危惧種の細胞や組織の凍結保存方法

1. 生物の遺骸を解剖して病原体の有無を確認します。

2. 病原体を持っていないことが確認できたら細胞培養を行います。臓器は保存用に細かく切ります。

3. 培養した細胞と臓器を保存用チューブに詰めます。

4. 液体窒素の蒸気で-165℃に冷却した長期保存用タンクの中で凍結保存します。
細胞や組織を保存している種の例
トキ野生絶滅 |
ヤンバルクイナ絶滅危惧IA類 |
ツシマヤマネコ絶滅危惧IA類 |
ゼニガタアザラシ絶滅危惧IB類 |
ケナガネズミ絶滅危惧IB類 |
ホントウアカヒゲ絶滅危惧II類 |
カラスバト準絶滅危惧 |
オオワシ絶滅危惧II類 |
コウノトリ絶滅危惧IA類 |
細胞培養の様子
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ヤンバルクイナの筋組織から増殖する繊維芽細胞の様子を顕微鏡カメラで撮影した映像です。研究所に到着した際、このヤンバルクイナは死後5日を経過していました。保存状態が良ければ、このように死後に時間が経過していても皮膚組織や筋組織を利用して繊維芽細胞を培養することが可能です。
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絶滅危惧種サンプルデータベース
2012年7月5日より、絶滅危惧種サンプルデータベースを公開しました。
このウェブサイトでは、2003年から2010年までの間に凍結保存した細胞および組織のリストについて検索・閲覧が可能です。
写真(個体、細胞、組織など)も一部公開しています。なお、サンプルの分譲は行っておりません。
(担当: 生態遺伝情報解析研究室 大沼 学)
Last updated 2013-May-30
国立環境研究所










