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生物・生態系環境研究センターでは、さまざまな生態系の構造と機能を調べるとともに、人間活動がそれらに与える影響を明らかにし、影響を和らげる方法を提案します。生物多様性を損なわず、生態系の恵みを末永く享受するための科学的知識を取得し、それを広く社会に提供することを使命としています。
本中期計画期間においては、生物多様性・生態系について、新しい観測・監視手法の開発、評価ならびに予測手法の開発、および負の影響を緩和する研究を重点的に推進します。また、生物・生態系にかかわる震災対応研究にも積極的に取り組みます。研究の基盤整備としては、生物多様性・生態系の情報整備に着手し、湖沼長期モニタリング事業ならびに絶滅危惧野生動物の細胞・遺伝子の収集・保存と環境微生物の収集・保存・提供事業を進展させます。研究成果等はホームページを通じてわかりやすく発信します。
本年度は、以下の項目について特に力を入れて進めていきます。
- 衛星データなど画像情報の活用により広域的な生物の分布や多様性の状況を観測する手法を開発します。遺伝子を解析し、生物の種分類や地域レベルの生態系の構造を効率的に把握する手法の開発に取り組みます。
- 広域的な生物の分布データにもとづいて生物多様性の状況および保全策の効果を総合的に評価する手法を開発し、実際の野生生物データへの適用と検証を行います。またデータ精度や将来の環境変化などに不確実性が存在する場合においても、適切に自然環境の保全地域をデザインすることができる手法の開発を進めます。
- セイヨウオオマルハナバチなど特定外来生物の効率的な防除手法を開発するとともに防除マニュアルを作成・普及します。気候変動によるサンゴ群集の構造変化を評価するとともに高山植物に及ぼす影響評価手法を開発します。遺伝子組み換え作物の組換え遺伝子拡散プロセスの解明を目指します。
- メコン川流域で進むダム開発が計画通り行われた場合、流域(河川またダム貯水池)から得られる生態系サービスにどのような変化が生じるかを予測します。そのために一次生産のモニタリングや物質循環の解明を継続するとともに、安定同位体比を指標に数多くの淡水魚種について栄養段階を推定、またメコン川に生息する水生生物の食物網構造がダム化に伴いどのように変化するかを明らかにします。
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国立環境研究所