ポリシーステートメント 2012 | 生物・生態系環境研究センター



生物・生態系環境研究センターでは、さまざまな生態系の構造と機能を調べるとともに、人間活動がそれらに与える影響を明らかにし、影響を和らげる方法を提案します。生物多様性を損なわず、生態系の恵みを末永く享受するための科学的知識を取得し、それを広く社会に提供することを使命としています。

本中期計画期間においては、生物多様性・生態系について、新しい観測・監視手法の開発、評価ならびに予測手法の開発、および負の影響を緩和する研究を重点的に推進します。また、生物・生態系にかかわる震災対応研究にも積極的に取り組みます。研究の基盤整備としては、生物多様性・生態系の情報整備に着手し、湖沼長期モニタリング事業ならびに絶滅危惧野生動物の細胞・遺伝子の収集・保存と環境微生物の収集・保存・提供事業を進展させます。研究成果等はホームページを通じてわかりやすく発信します。

本年度は、以下の項目について特に力を入れて進めていきます。

  • 衛星観測などで取得したデータの活用により植生など広域的な生物多様性の状況を観測する手法を開発します。水域を対象に生物を遺伝子で判別し、地域レベルの生態系の構造を効率的に把握する手法の開発に取り組みます。
  • 広域的な生物の分布データにもとづいて生物多様性の状況および保全策の効果を総合的に評価する手法を開発します。将来の土地利用や気候の変化に対する生物多様性の変化を予測することにより、自然環境の保全地域をデザインする手法の開発を進めます。
  • 気候変動がサンゴ群集の構造や高原植物の多様性におよぼす影響を診断する手法を開発します。アルゼンチンアリなど侵略的外来生物の防除手法の開発および効果の判定、および遺伝子組換え作物が逸出過程の解明に取り組みます。
  • メコン河流域に点在する大規模ダム貯水池を対象に一次生産や物質循環の定量化を行うとともに、重要な生物資源である回遊魚の回遊生態を耳石の元素分析を通して調べます。それによりダム貯水池の生態系機能を評価し,回遊魚へのダムの影響を低減することに役立てます。