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微生物系統保存施設(NIESコレクション)

国立環境研究所 微生物系統保存施設(NIESコレクション)は、1983年から微細藻類の系統保存を行い、培養株を研究材料として研究所内外の研究者に提供することによって、広く環境研究および基礎研究に貢献しています。

現在、NIESコレクションでは以下のような培養株約2300株を保有しています。

  • 赤潮やアオコの原因種、化学物質や水質検査のための試験生物、従属栄養生物も含む食物網の多様な構成種など、環境問題を研究する上で重要な培養株
  • 絶滅が危惧される淡水産の紅藻やシャジクモ類の培養株
  • 古くから光合成や有性生殖などの研究に使われたモデル生物や、ゲノム解析株、分類学的タイプ株など基礎研究を行う上で重要な培養株

NIESコレクションのホームページから、保存株の学名、履歴、培養条件、遺伝子情報、特性、細胞サイズ、保存株を利用した文献などの株情報や、保存株の画像、系統・分布情報(シアノバクテリアの一部について)、培地リストや培養方法、培養株の寄託や注文方法を見ることができます。

NIES コレクションウェブサイトはこちら


 
継代培養株がならんだ培養棚。
種類によって1週間から6ヶ月間隔で新鮮な培地に植え継がれている。
 
液体窒素中での凍結保存は最も安定した保存法であり、約1/3の培養株は凍結保存されている。
 
富栄養湖霞ヶ浦の底泥に埋まっていた卵胞子から再生したシャジクモ類の培養株。

絶滅危惧種サンプルデータベース

NIESコレクションで保有している絶滅危惧藻類の保存株リストは絶滅危惧種サンプルデータベースから検索可能です(2012年7月5日公開)。





絶滅危惧藻類の域外保全

藻類は湖や海の主要な一次生産者であるとともに、 動物の棲家を提供したり、湖の透明度の維持に貢献したりと、生態系の中で重要な役割を果たしています。

湖、池、河川にはシャジクモ類や淡水産紅藻が生息していますが、水質の悪化や生息場の埋め立てなどによって多くの種が絶滅の危機に瀕しており、 環境省レッドリスト(2007年改訂)にはシャジクモ類58種、淡水産紅藻類31種が掲載されています。国立環境研究所では、2002年からこれらの藻類の生息状況調査を実施してきました。 これらの藻類は身近な自然に生育していますが、多くの人にほとんど知られていないのが実状です。絶滅危惧藻類に関するウェブサイトは、少しでも多くの人たちにこれらの藻類を知ってもらうため、また、絶滅危惧藻類の情報を蓄積していくために作成されました。

ウェブサイトには、

  • 日本産のシャジクモ類−しゃじくもフィールドガイド
  • 冊子“しゃじくも−車軸藻類の保全をめざして−
  • 絶滅が危惧される淡水産紅藻(および褐藻)−解説・形態・分布

を掲載しています。
また、NIESコレクションに保存されている絶滅危惧種藻類のリストもあわせて掲載しています。

 

オキチモズク:
小川の石に付着するオキチモズクの藻体
(暗赤色の糸状体)

 

シャジクモ類:
ため池の周縁部に繁茂するホンフサフラスコモ
(手前のもこもこした群落)

(担当:生物多様性資源保全研究推進室 河地正伸)

Last updated Jan. 16, 2017