本文へスキップ
  環境試料タイムカプセル棟では、国内の絶滅危惧野生動物種の皮膚などから培養した体細胞、生殖細胞(精子、卵子、受精卵、始原生殖細胞など)および組織を長期保存用タンクの中で凍結(冷凍)保存しています。これによって絶滅危惧種の遺伝的多様性を将来に残すことができます。

また、凍結した細胞等は絶滅原因の研究、感染症に関する研究あるいは個体増殖に関する研究に使用することが可能で、絶滅危惧種の保全に役立ちます。

絶滅危惧種の細胞や組織の凍結保存状況

2002年から2016年までに凍結保存した数は、哺乳類21種296個体、鳥類62種2,110個体、爬虫類3種6個体および魚類22種582個体です。(合計108種2,994個体)これらの個体からチューブ合計55,022本の培養細胞や組織を凍結保存しました。

絶滅危惧種の細胞や組織の凍結保存方法

 

生物の遺骸を解剖して病原体の有無を確認します。

 

病原体を持っていないことが確認できたら細胞培養を行います。臓器は保存用に細かく切ります。

 

培養した細胞と臓器を保存用チューブに詰めます。

 

液体窒素の蒸気で-165℃に冷却した長期保存用タンクの中で凍結保存します。

細胞や組織を保存している種の例


トキ
Nipponia nippon
野生絶滅(EW)

ヤンバルクイナ
Gallirallus okinawae
絶滅危惧IA類(CR)

ツシマヤマネコ
Prionailurus bengalensis euptilurus
絶滅危惧IA類(CR)

ゼニガタアザラシ
Phoca vitulina
準絶滅危惧(NT)

ケナガネズミ
Diplothrix legata
絶滅危惧IB類(EN)

ホントウアカヒゲ
Luscinia komadori namiyei
絶滅危惧IB類(EN)

カラスバト
Columba janthina janthina
準絶滅危惧(NT)

オオワシ
Haliaeetus pelagicus
絶滅危惧II類(VU)

コウノトリ
Ciconia boyciana
絶滅危惧IA類(CR)

細胞培養の様子

※画像調整中

※画像・動画の無断転載を禁じます。

ヤンバルクイナの筋組織から増殖する繊維芽細胞の様子を顕微鏡カメラで撮影した映像です。研究所に到着した際、このヤンバルクイナは死後5日を経過していました。保存状態が良ければ、このように死後に時間が経過していても皮膚組織や筋組織を利用して繊維芽細胞を培養することが可能です。

野生動物遺伝資源データベース

国立環境研究所環境試料タイムカプセル棟で2003年から2013年までの間に凍結保存した野生動物の細胞・組織・DNA、および京都大学野生動物研究センターで保管されている野生動物のDNAサンプルをリスト化し、データベース検索システム「野生動物遺伝資源データベース」として公開しています。


2012/7/5 絶滅危惧種サンプルデータベースとして公開、2014/12/17 野生動物遺伝資源データベースに名称変更
写真(個体、細胞、組織など)も一部公開しています。なお、サンプルの分譲は行っておりません。