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環境試料タイムカプセル棟とは
  環境試料タイムカプセル棟では、国内の絶滅危惧野生動物種の皮膚などから培養した体細胞、生殖細胞(精子、卵子、受精卵など)および組織を長期保存用タンクの中で凍結(冷凍)保存しています。これによって絶滅危惧種の遺伝的多様性を将来に残すことができます。

また、凍結した細胞等は絶滅原因の研究、感染症に関する研究あるいは個体増殖に関する研究に使用することが可能で、絶滅危惧種の保全に役立ちます。


絶滅危惧種の細胞や組織の凍結保存方法
 解剖

生物の遺骸を解剖して病原体の有無を確認します。

 細胞の様子

病原体を持っていないことが確認できたら細胞培養を行います。臓器は保存用に細かく切ります。

 培養した細胞と臓器を保存するチューブ

培養した細胞と臓器を保存用チューブに詰めます。

 凍結保存

液体窒素の蒸気で-165℃に冷却した長期保存用タンクの中で凍結保存します。

細胞や組織を保存している種の例
トキ
トキ
Nipponia nippon
野生絶滅(EW)
ヤンバルクイナ
ヤンバルクイナ
Gallirallus okinawae
絶滅危惧IA類(CR)
ツシマヤマネコ
ツシマヤマネコ
Prionailurus bengalensis euptilurus
絶滅危惧IA類(CR)
 ゼニガタアザラシ
ゼニガタアザラシ
Phoca vitulina
準絶滅危惧(NT)
ケナガネズミ
ケナガネズミ
Diplothrix legata
絶滅危惧IB類(EN)
ホントウアカヒゲ
ホントウアカヒゲ
Luscinia komadori namiyei
絶滅危惧IB類(EN)
カラスバト
カラスバト
Columba janthina janthina
準絶滅危惧(NT)
オオワシ
オオワシ
Haliaeetus pelagicus
絶滅危惧II類(VU)
コウノトリ
コウノトリ
Ciconia boyciana
絶滅危惧IA類(CR)

野生動物遺伝資源データベース

環境試料タイムカプセル棟で2003年から2013年までの間に凍結保存した野生動物の細胞・組織・DNA、および京都大学野生動物研究センターで保管されている野生動物のDNAサンプルをリスト化し、データベース検索システム「野生動物遺伝資源データベース」として公開しています。

野生動物遺伝資源データベース

2012/7/5 絶滅危惧種サンプルデータベースとして公開。2014/12/17 野生動物遺伝資源データベースに名称変更。
写真(個体、細胞、組織など)も一部公開しています。なお、サンプルの分譲は行っておりません。