開催趣旨
生物-社会分野交流セミナーでは、生物・生態系分野と社会科学分野の交流を行い、分野横断的な研究活動を活発化させ、生物多様性や生態系の保全・管理に関する問題解決の可能性を模索します。
そのため、多分野のメンバーでの研究セミナーを月1回程度(2時間/回)実施します。お互いの分野や研究内容について相互理解と情報交換を進め、問題意識を共有して議論することにより、生物多様性や生態系の保全・管理に関する問題解決に貢献する研究シーズを見つけることを目的としています。
現在、国立環境研究所では、生物・生態系環境研究センターの山野博哉が代表となり、所内分野横断型研究「生物多様性と地域経済を考慮した亜熱帯島嶼環境保全策に関する研究」が行われています。本研究プロジェクトの成果も適宜(2ヶ月に1回程度を予定)紹介してセミナーを進めていきます。
次回の開催案内
- 日時:2013年7月5日(金)16:00-18:00
- 場所:国立環境研究所(茨城県つくば市小野川16-2) 地球温暖化棟 第一会議室
※前回と会場が異なりますのでご注意ください
1.「サプライチェーンを通じた資源利用と諸問題の把握に向けて-産業エコロジー研究の視点から- 」
中島謙一 (国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター)
要旨
近年、BRICs等の新興経済国の経済発展に伴い資源の需給環境は大きく変化を遂げている。この資源の管理、供給、消費は経済活動において大きな影響をもたらす事から、世界各国において、『持続可能な資源利用』や『持続可能な資源管理』に対する関心が高まっている。他方、野生生物の種の絶滅が過去にない速度で進行し、その原因となっている生物の生息域の悪化、生態系の破壊に対する懸念が深刻なものとなっている。この資源利用と生物多様性は密接に関連しており、近年では、世界的にも類を見ない豊かな自然・生物多様性を誇る地域であるニューカレドニアやマダガスカルにおけるニッケル鉱山・製錬施設の開発と環境影響に関する議論などは記憶に新しい。
このニッケルの利用に伴う生態系への影響というのは、例外的な話ではない。事実、我々は、製品やサービスの利用により、サプライチェーンを通じて資源を利用すると共に、直接的あるいは間接的な影響により生態系へと変化を与えている。しかしながら、生産から消費に至るサプライチェーンは、国内および国際的に広がり非常に複雑な構造を有している。今回の発表では、サプライチェーンを通じた資源利用と諸問題の把握、そしてサプライチェーン情報の可視化に向けて取り組んでいる研究の一端を紹介する。
2.「社会科学と生態学の接点で考える生物多様性指標」
角谷 拓 (国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター)
要旨
愛知ターゲットを含む生物多様性戦略計画(2011-2020)では、2020年までに生物多様性条約加盟国が取り組むべき戦略目標が示されている。Biodiversity Indicators Partnershipの下には、これらの目標の達成度を評価するために、個別目標に対応する100近くにのぼる生物多様性指標が提案され、さらに新たな指標の選定・開発が進められている。また一方で、Biodiversity Observation Networkの下では、生物多様性を高頻度かつ全球レベルで観測するために、少数に絞り込んだ本質的かつ汎用的な指標 (Essential Biodiversity Variable)の選定・開発が進められている。本セミナーでは、このような生物多様性指標をめぐる国際的な動向を概観するとともに、生物の種類と数の時空間パターンを把握・理解するという、生物多様性指標開発の最も本質的な課題における近年の研究の進展とその成果を一部紹介する。その上で、社会科学と生態学の接点でどのような生物多様性指標を用いる/新たに開発する必要があるかについて議論する機会としたい。
開催記録のページ
2013年5月~の開催記録のページはこちら
2011年12月~2012年9月の間に開催された「生物多様性保全に関する社会-生態科学連携研究会」の開催記録はこちら
国立環境研究所へのアクセス
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お問い合わせ
本セミナーに関するお問い合わせはこちらまで
生物・生態系環境研究センター 広報担当
E-mail: cebes.web (末尾に@nies.go.jpをつけてください)
Last updated 2013-June-10



