(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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外国産モクズガニ属

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 外国産モクズガニ属, 上海蟹

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チュウゴクモクズガニ
分類群 節足動物門 甲殻綱 十脚目 モクズガニ科
(Varunidae, Decapoda, Malacostraca, Arthropoda)
学名 Eriocheir spp.
含まれる分類群 Eriocheir sinensis, E. hepuensis
英名等 Mitten crabs
自然分布 チュウゴクモクズガニ E. sinensis は大陸中国の長江流域中心~朝鮮半島西部に分布.E. hepuensis は大陸中国南部沿岸に分布.
形態 甲長8cm程度の淡水性のカニ.成体ではハサミの内側と外側に軟毛を密生.甲羅の側縁に明瞭な4歯.大陸産種は,在来種モクズガニ Eriocheir japonica と比べて甲羅の凹凸が強く,額域の棘が鋭い.
生息環境 海で孵化し,稚ガニは河川を溯上して泥地に穴を掘って生活し,成体になると再び産卵海に戻る.
繁殖生態 繁殖期:晩秋.
海に下って産卵,孵化するまで雌ガニが保育する.海で孵化し,その後河川を溯上して成体になる.産卵期に海に戻り,数回産卵を繰り返して死ぬ.産仔数:0.4mm程の小さな卵を大量に生む.
生態的特性 食性:水生植物,水生昆虫など雑食.
侵入情報
国内移入分布 国内未定着.2004年に東京都のお台場で生きた個体が発見されたことがあるが,定着は確認されていない. 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 国内未定着
侵入経路 かつて食用に輸入されていた.上海ガニは生きたまま使用される食材のため,養殖されているもの等が野外に逸出する可能性ある.
侵入年代
影響 在来のモクズガニ E. japonica に対する遺伝的撹乱.大量発生による在来淡水動物との競合,水利施設の通水阻害,堤防侵食など.
法的扱い 外来生物法で特定外来生物に2次指定された.
防除方法 情報整理中
問題点等 情報整理中
海外移入分布 北米,欧州など
備考
チュウゴクモクズガニ E. sinensisは,世界の侵略的外来種ワースト100,IMOワースト10指定種.
日本には,モクズガニ E. japonica とオガサワラモクズガニ E. ogaasawaraensis の2種が自然分布する.外来生物法では,モクズガニを除く本属を特定外来生物に指定しているが,外来生物法施行後に新種記載された後者も除外されると思われる.

令和5(2023)年度 環境省「特定外来生物の市町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査においては,侵入が確認されなかった. 調査結果の詳細について,以下のURLから一覧表を参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/category.html
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