(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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ラスティークレイフィッシュ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ラスティークレイフィッシュ (写真なし)
分類群 節足動物門 甲殻綱 十脚目 アメリカザリガニ科
(Cambaridae, Decapoda, Malacostraca, Arthropoda)
学名 Orconectes rusticus
英名等 Rusty crayfish
自然分布 北米東部
形態 体長10cm程度になるやや大型のザリガニ.頑丈なハサミを持ち,地色は灰緑色~赤褐色,先端部は橙黄色でその後に黒い帯状班がある.全体の地色は青緑がかった色で,歩脚で特に顕著.頭胸甲の後部両側面に暗色のスポット模様を持つことが多いが,地理的変異があり不明瞭な場合もある.腹部背面中央付近にも暗色の模様がある.雄は雌より体サイズが大きく,生殖肢を持つ.また,雄はハサミが大きく1対の脚にフックを持ち,交尾時に雌の保定に使われる.
生息環境 湖沼・小河川など
繁殖生態 繁殖期:晩夏~秋~早春に交尾(主に秋)
主に秋に交尾.雌は産卵時まで貯精する.水温が上昇する晩春に産卵され,受精は体外で行われる.一度に80~575卵を産卵.卵は雌が腹部下面で保持.3~6週間(水温に依存)で孵化し,幼体は3~4回脱皮するまでは雌親の遊泳脚に付着.その後も数週間雌親と行動を共にする.1~2年かけて8~10回脱皮して体長3.5cm程度まで成長して成熟.
生態的特性 雌が貯精するため,交尾ずみの雌1個体からでも定着個体群の形成が可能.寿命は3~4年.雌は年1回,より大型の雄は年2回脱皮する.
食性:様々な水生動物を捕食.カゲロウ,カワゲラ,ミミズ,ヒル,貝類,甲殻類,魚類の卵,小型魚類など.補助的にデトリタス・植物を食べることもある.本種(特に幼体)は同属の他種と比べて摂食量が非常に多い.米国の侵入地では,東欧原産の外来種カワホトトギスガイ(ゼブラガイ)を捕食して個体数を抑えるという報告がある.
侵入情報
国内移入分布 国内未定着 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 国内未定着
侵入経路 北米では,釣り餌としてよく使われ,そのような個体が放逐された可能性が可能性が指摘されている.食用にもされる.
侵入年代
影響 在来生物に対する捕食・競合の可能性あり.
影響を受ける在来生物:様々な在来水生動物・植物(捕食).在来の淡水性捕食動物(競合).
法的扱い 外来生物法で特定外来生物に2次指定された.
防除方法 移送・放逐の防止.北米では,ワナ・電気柵を使った捕獲による個体数低減が行われている.また,化学物質(合成ピレスロイド)による防除も研究されている.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 米国北東部~カナダ東部(オンタリオ・ケベック).ヨーロッパ各地
備考
令和5(2023)年度 環境省「特定外来生物の市町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査においては,侵入が確認されなかった. 調査結果の詳細について,以下のURLから一覧表を参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/category.html
基本・侵入情報 参考資料リスト