(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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チチュウカイミバエ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 チチュウカイミバエ (写真なし)
分類群 ハエ目 ミバエ科
(Tephritidae, Diptera)
学名 Ceratitis capitata
英名等 Mediterranean fruit fly, Medfly
自然分布 地中海沿岸
形態 体長3.5~5.5mmのハエ.成虫は,複眼は濃い小豆色で,前面~上面に黒色の長い剛毛4対,複眼上辺後方に黒色の短い剛毛多数,下辺に白色の毛を持つ.胸部背面は淡いクリーム色~黄色の地に黒色の斑紋を持ち,淡色部に白色の剛毛.前脚腿節に黒色の剛毛.腹部は卵形で,黄色と淡色の横縞があり,表面に黒色の剛毛が散在.翅は透明で茶色~黄色の斑紋があり,普段は縦にたたまれる.雌雄は,腹部後端部の長さ1.2mm程度の産卵管の有無で区別可能.
卵は長さ1mm程度で細長く反った形状,白色で表面は平滑.
幼虫は細長い蛆虫型で,後部で細くなる.3齢まであり,サイズは摂餌量に依存する.1齢は1mm以下で半透明.2齢は部分的に半透明で,胃内容が透けて見える.3例は6~8mm程度で不透明になり,色は餌にもよるが,一般にクリーム色.
蛹は円筒形で,長さ3mm程度,暗い赤褐色.
生息環境 様々な植物に寄生
温度選好性:最適温度は25~30℃.他のミバエ類に比べて低温耐性が高い.成虫は,冬季でも12℃を越えると活動可能.
繁殖生態 繁殖期:冬季を除く通年
雌は羽化後6~8日,雄は羽化後4~5日で性成熟し,通年交尾可能.熟した直後の果実に,傷口などから表皮下に,一度に2~10個程度産卵.複数の雌が,同じ傷口を利用して産卵し,合計で75個以上になることもある.雌一匹で,日に22個程度,一生に300個程度(最大800個程度)産卵する.卵は温暖な条件なら1.5~3日程度で孵化.幼虫は果実を食害し,3齢まで成長.早朝に果実から出て,土中に移行して蛹化.24~26℃では6~13日で,早朝に羽化.高温時には多数個体が一斉に羽化するが,低温ではばらける.
生態的特性 食性:植物食.様々な植物の果実を食害.
侵入情報
国内移入分布 国内未定着 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 国内未定着
侵入経路 侵入経路不明
侵入年代
影響 侵入すれば,柑橘類・ブドウ・モモ・ウリ類などの植物・農作物に被害を与えると予想される.
影響を受ける在来生物:柑橘類・ブドウ・モモ・ウリ類など
法的扱い 検疫有害動物.また,本種の分布地域の様々な植物の生果実が輸入禁止(植物防疫法).
防除方法 不妊虫放飼法.誘引剤を含む殺虫剤散布.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 ボツワナ,オーストラリア,ヨーロッパ(キプロス,フランス,ドイツ,ギリシャ,ポルトガル),バミューダ,中南米(コスタリカ,エルサルバドル,グアテマラ,ホンジュラス,ニカラグア,パナマ,パラグアイ,アルゼンチン,ブラジル,コロンビア,エクアドル,ペルー,ウルグアイ,ベネズエラ)
米国(カリフォルニア・フロリダ)とニュージーランドにも定着したことがあるが,根絶された.
備考
基本・侵入情報 参考資料リスト