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チャバネゴキブリ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 チャバネゴキブリ

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チャバネゴキブリ
分類群 ゴキブリ目 ムカシゴキブリ上科 チャバネゴキブリ科
(Blattellidae, Polyphagoidea, Blattodea)
学名 Blattella germanica
英名等 German cockroach
自然分布 アフリカと考えられている.
形態 成虫の体長10~15mm程度のゴキブリ.成虫は淡黄褐色で,前胸背面に1対の黒い斑紋がある.黒い斑紋は,太く後部で離れてハの字形に見える.体形は,雄では細長く,雌はやや丸みを帯びる.幼虫は全体が黒色で,胸部に黄色の斑紋がある.染色体数 2n=23,XO型の性決定.
成虫の前胸背面の黒い斑紋は,本種では太くて後部で離れるのに対し,森林性のモリチャバネゴキブリ B. nipponica では斑紋が太くて後部が近づく形状で,草地性のヒメチャバネゴキブリ B. lituricollis では斑紋が細くて互いに離れている点で識別可能.
生息環境 日本では無加温の状態では越冬できず,暖房の存在する所,あるいは熱源がある所で越冬できる.一般的には,暖房を備えたビル建築物で越冬できるため,生息場所もこういった建築物に限局される.木造家屋より,コンクリート建造物に生息する傾向.
温度選好性:低温には比較的弱い.-5℃に一日さらされると死亡する.
繁殖生態 繁殖期:ほぼ通年.
25℃定温下で,約2年間に6世代.羽化した成虫は,まもなく交尾をして,約10日で第1回の産卵が始まる.ほぼ1ヵ月に1回の間隔で産卵すると考えられ,概ね1匹の雌成虫が一生に5回産卵する.メスは腹端に約20日間卵鞘を保持する.産仔数:1卵鞘から約40匹の幼虫がふ化する.脱皮回数は6回,幼虫期間は約60日.
生態的特性 原則として夜間に行動し,昼間明るい間は物陰に潜伏している.潜伏場所では,群れを作る習性がある.若令幼虫ほどこの傾向は強い.
食性:雑食性
侵入情報
国内移入分布 北海道・本州・四国・九州.琉球列島では,奄美大島・沖縄本島に分布 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 不明
侵入経路 不明だが,船舶や飛行機などに混入して恒常的に運ばれている可能性がある.本種は,ゴキブリ類の中では船舶・飛行機への混入が最も多い.
侵入年代 不明.北海道での発記録は1960年.
影響 食中毒菌等を媒介.人間の食物を摂食.死骸や糞がアレルゲンとなる.
法的扱い チャバネゴキブリ科は検疫有害動物(植物防疫法)
防除方法 殺虫剤散布など.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 汎世界的
備考
日本の侵略的外来種ワースト100

1960年ごろまで,本種とモリチャバネゴキブリ・ヒメチャバネゴキブリの3種は混同されていた.
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