基本情報 |
和名 |
コイ |
クリックすると拡大画像が表示されます
|
分類群 |
硬骨魚綱 コイ目 コイ科 (Cyprinidae, Cypriniformes, Actinopterygii) |
学名 |
Cyprinus carpio |
主なシノニム |
|
英名等 |
Common carp, Asian carp |
自然分布 |
東欧(黒海,カスピ海,アラル海)~東アジアのユーラシア大陸広域.国内では,本州・四国・九州に広く自然分布すると考えられるが,詳細不明. |
形態 |
全長60cm(まれに100cmを越える).体はやや側扁した紡錘形で,体高は野生型のほうが飼育型より小さい.口は吻端の下方にありとがる.吻はフナ属よりも長く,頭が三角形を呈する.口ひげは上あご後方と口角にそれぞれ1対ある.背鰭の棘状軟条数は4,分枝軟条数は19~21でフナ属より2~9本多く,背鰭基底が長い.背鰭の第4および臀鰭の第3棘軟条は頑丈で,後縁は鋸歯状となっている.胸鰭と腹鰭は水平位にあり,底生魚としてはむしろ小さい.肛門は臀鰭直前にある.側線は完全.咽頭歯は3列で,一部が臼歯状に変形するなど,歯の機能形態に分化が見られる.体色は暗褐色,腹面は灰白色.野生型は飼育型に比べてより赤みが強い. |
生息環境 |
大きな川の中・下流域から汽水域,湖,池沼. 温度選好性: |
繁殖生態 |
繁殖期:4~7月 産卵は晴れて風のない日の午前中,1尾の雌と,これに従った1尾ないし数尾の雄で行われる.まず,雌が水面の水草に近づき,尾鰭で強く水をたたいて乗り越える.このときに卵が水草に産みつけられ,雄も続いて同じように乗り越えて精子をかける.産仔数:1産卵期に2~3回の産卵を行う.1回の産卵数は20万~60万粒がふつうで,日本のコイ科の中では最も多い. |
生態的特性 |
流れのゆるやかな淵や落ち込みの底層部,砂泥底を主な生息場所とする.フナ類に比べるといっそう止水の深いところを好む.特に野生型ではこの傾向はさらに強く,水域によっては飼育型は中層,野生型は底層というようにすみ分けることもある.水の多い下流域の石を積み重ねた突堤と突堤の間や,乱杭周辺に多い.暖かい水を好み,冬には深い淀みに多数集まって越冬する. 食性:底生動物を中心とする雑食性.貝類,ユスリカ幼虫,イトミミズ,ゴカイ類,付着珪藻,水草などを食べる. |